耳で聴く「Le Petit Prince -あのときの王子くん-」 あなたの中のエンジンは元気ですか？
こんにちは。
ナレーターの佐々木健です。その昔、アニメ「夏目友人帳 肆」第四話「代答」でカリカミと言う妖の声をやらせていただきました。白いお餅みたいな神様役です。笑
さて
星の王子さまの翻訳で知られるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの「Le Petit Prince（ル・プチ・パンス）」。
その新訳「あのときの王子くん」のオーディオブックが、2021年12月8日に発売されました（iBooksとAudibleは12月17日発売）。
地語りとぼく（パイロット）の台詞を担当しています。心を込めた作品です。どうやったら多くの人に、大人にも子どもにも聞いてもらえるかなぁと、考えながらこの記事を書いています。
この作品「Le Petit Prince（ル・プチ・パンス）」は誰のための作品なのかなぁ、どう言う人に聞いてもらいたいかなぁって考えた時。いちばんは作品に共感できる人のためで、それってどう言う人かなぁって言ったら、あ、「僕」だと思いました。笑
そう、これを書いている「僕」です。
まるで「僕」＝自分のためにあるようなお話です。誰もがそう思える作品なんじゃないかなって。
なので「僕」が何に共感したのかを考えれば、聞いて欲しい人もわかるのかなぁって。
「僕」は翻訳家の大久保ゆうさんの新訳が大好きです。大久保さんに星の王子さまの著作権フリーの訳はないですか？と聞いたのが15年前。やりましょう！と即断してくれて「あのときの王子くん」は生まれました。大久保さんは僕より全然若くて、出会った頃は20代前半だったと思います。すごく優秀で感性がするどく、作者に寄り添った愛のある翻訳をする若き翻訳家です。最高。
訳ができてきて、一目惚れしたのが最初に出てくるこの一文です。
「ぼくのエンジンの中で何かが壊れていた」
僕はフランス語は読めませんが、他の翻訳の王子くんを読んでモヤモヤしていたものが、この訳で見事に晴れました。
そうだよね。この主人公のパイロット、もしくはサン=テグジュペリ（または共感した僕）は、いつもひとりぼっちで、大人って変だなぁって思っていて、大好きな人とうまくいってなくて。そして、離れている友だちに物語を書いたんだ。空を見てごらん。幸せになれるよって。
砂漠に落ちたのは、飛行機が壊れたからだってなってるけど、ぼくのエンジン（心）が壊れて、砂漠（無の世界）に落ちたんだ。
そこで王子くんに出会って、現実の世界に戻るまでの物語なんだって、僕は受けとめています。
なので
「あなたの中のエンジンが、ちょっと調子悪いなぁって感じたら、この物語を聞いて欲しい」
大久保ゆうさんの新訳「あのときの王子くん」は青空文庫で無料で公開されています。
ここには、防衛策もいっぱい書いてあるんです。
星（家）の身だしなみをすること
万が一のために
夕陽を見に行こう
星空を見てみよう
危険の種は小さいうちに引き抜くこと
大人になってないか気をつけて
私はちゃんとした人間なんだ！ってどういうことだろう？
誰かのために使った時間こそが大事
それが絆を深くする
時間をかけてなつける
すると君にとって大事な存在になる
一緒に井戸を探したあの時間があったからこそ、水が美味しく感じる
無理をしなくても良い
質問に答えなくても良い。笑
「大好きな誰かのために時間を使おう」
王子くんの話をひと言で言うとこれだと僕は思います。
便利になって、手間暇かけなくても色々できるようになった今だからこそ、誰かのために時間を使おう。
空を見て、その誰かのことを思おう。
元気にしてるかな？
何してるかな？
一緒に過ごした時間、楽しかったな
そうしたら、星空が笑ってくれる。
「あのときの王子くん」
あなたにとっての「あのときの〇〇くん」が元気をくれるように、あなたのエンジンが調子悪い時に、「あの時の王子くん」の物語を聞いて欲しい。
このオーディオブックが、ゆっくりゆーっくり、誰かと一緒に届いて行くことを願っています。
予告編はこちら
購入方法について
お好きな方法で購入ください。プレビューで5分くらい聞けます。
本編は2時間10分あります。
パンローリング「でじじ」
出版社であるパンローリングのオーディオブック配信サイト「でじじ」
CD版とダウンロード版があります。
iTunes & iBooks Store
Audible (Amazon)
CD版、Audible版があります。Audibleは月額会員制となっており、会員登録をすると1つコインが付与されますので、無料で読めます。1ヶ月以内にやめることも可能です。
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