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2017年3月の記事一覧
ブレスでアクセントをつける! その4 『ワイパーはまだ直さない』
作詞の五木寛之先生もびっくりするような小気味良いボサノバロックのサウンドの楽曲であるので、どうしてもアバウトに荒っぽく歌われるケースが多く見られるが、このような歌にこそデリケートさが必要となる。
4小節目の「あなたを~」の直前に、「はっ!」と言うような思いで息を吸って、すぐに言葉を発する。この調節が切れのいい歌を誘発する。
この部分「あなたを~」と右肩あがりに駆けのぼるメロディを作った小田純平
ブレスでアクセントをつける! その3 『花』
バラードの特に優しい感じの曲こそブレスが大切でかつ難しい。
課題曲の13番目に入っているMILLEAの『花』を見てみよう。
楽譜協力:「月刊歌の手帖2016年8月号」
最初の4小節、「花は色づき」の導入部をいかにしっとりと歌うか、これは必ずしも優しく弱く歌うということではない。最初の「はなは」の「は」、そして「ひとは」の「ひ」にアクセントをつけて言葉の粒立ちを良くし、それでいてしっとり
ブレスでアクセントをつける! その2 『ひまわり海岸』
「月刊歌の手帖2016年7月号」に掲載されている『ひまわり海岸』の楽譜を見ながら、日野美歌さんの歌唱を聴いてみよう。
楽譜協力:「月刊歌の手帖2016年7月号」
この作品はいわゆる「サビ出だし型」の歌で、最初にメインテーマのメロディが2回繰り返す構成になっている。
最初の3 小節で日野さんはゆったりした感じで歌った後、次の4 小節の2回目ではややエネルギー感を持った歌い方をしていてこれ
歌うまくなりたい!!(3)
歌にもっと表情が欲しい!
「なかなか上手に歌ってはいますが、もう少し歌に表情が欲しいですね…」。このコメントもすごくたくさんの人に書いた覚えがある。多くの場合「語り」の部分が全くない「歌いっぱなし」の人のことを評価したものだと思います。よく言われますよね。「歌は語るように。語りは歌うように」と。でも、これがなかなか難しい。しかしこれをマスターするにもやはり自分の「耳」を鍛えるしかないと思います
ブレスでアクセントをつける! その1 『花一花』
「今回の課題曲はどれも素晴らしい作品だけど、歌うとなるとなかなか難しい。」
最近このような話を良く耳にする。それはそうである。この大会の課題曲は、カラオケで歌いやすいような曲ではなく、心を伝える歌を書き下ろしで揃えたのだから。
「心を伝える歌を、歌手を発掘する」大会なので、課題曲に対して皆さんなりの解釈をして、オリジナリティの高い歌唱で挑戦していただくことを期待している立場ではあるが、具体的な
課題曲秘話 『花一花』
すべてはこの曲から始まった
この作品のデモテープを初めて田勢康弘代表から聴かせていただいたのは昨年の今ごろだった。電話の向こうから流れてくるカセットテープの音を聴き逃すまいと耳にスマホを押し付けるようにして聴いた。
それ以来、しっとりと切なく哀愁たっぷりでそれでいて力強さを感じるこの作品がずっと頭にこびりついていた。
作曲家の美樹克彦先生が恩師の作詞家 星野哲郎先生に懇願して書いていただいた
課題曲秘話 『スター』
歌はドラマ
「晩年の大物スター歌手の楽屋をのぞいた時の印象で書いた」と作詞の清志郎さん
「エディット・ピアフが歌うとしたらという思いで作曲した」と作曲の若草 恵さん
大物女性歌手に老いが忍び寄り、声の衰えが隠せないという悲壮感漂うこのドラマ仕立ての作品をどのようにまとめ上げるか・・・ 期待と不安が入り混じったレコーディングであった。
西村さん(編曲家の西村真吾さん)のアレンジは、美しく軽や
課題曲秘話 『いま北国』
今回の13課題曲の中で最も挑戦したといってもいい作品ではないだろうか。
アレンジ、レコーディングとも試行錯誤の連続であった。最初の仮伴奏音源で伊藤多喜雄さんが歌ったものは少し歌いにくそうな雰囲気があった。この作品はワルツの3拍子、民謡の伊藤さんの範疇には無いリズムなのである。それに、ご自身が得意とされているロックバンド・ソーラン節のような「縦ノリ感」がつかみ難い。
「さて、どうするか?」 アレ
課題曲秘話『Espelho 鏡』
この作品は難産であった。「兄妹の恋」という禁断のテーマ。
最初は穏やかなメロディがついてきた。白木先生(共同編曲の白木勉先生)の仮アレンジもゆったりとした感じ、タイトルは「兄妹(あにいもうと)」、これをポルトガル民族歌謡「ファド」のようなテイストにしたいというのが作詞者、作曲者の要望であった。
しかし、この曲を受け取った西山ひとみさんとレコード会社の社長でプロデューサの亜樹さん(ホリデージャパ