課題曲秘話 『弓』
心を伝える歌の木を植える
2016年3月11日。いよいよ13曲最後のレコーディング。
スタジオにはそうそうたるプレーヤーが勢ぞろいして若草先生(編曲家の若草 恵先生)が操るタクトに合わせて曲を奏でていた。作詞・作曲の美樹克彦先生、この曲を歌う小松みどりさんは、徐々に音が出来上がっていくのをじっと聴き入っていた。
「弓の引きしぼった弦の緊張感をバイオリンソロで表現した」という若草サウンドは、周りを幻想的な世界へと誘った。小松さんはこの幻想的なアレンジをバックに、この歌をどう表現していこうかと考えていたのだろう。
この作品は不思議な世界を次々と移り変えていく「回り舞台」のような雰囲気を醸し出していた。作詞、作曲、編曲、レコーディングエンジニア全てのスタッフの弦がピンと張った緊張感のある、もの作りの現場でもあった。
「小松さん、魂を揺さぶり心震るえる歌が出来ましたね」と若草さん。
「この曲はいいですね」と田勢さん。
「心を伝える歌」の最後を飾るのに相応しいレコーディングであった。
2016年3月11日 ソニー・ミュージックスタジオ
弓
作詞・作曲:美樹克彦/編曲:若草 恵/歌唱:小松みどり
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