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SDGs6:「安全な水とトイレを世界中に」開発途上国支援、アフリカ開発会議

SDGs目標6:「すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」

上記は国連加盟国153カ国共通の課題「持続可能な開発目標」いわゆるSDGs(エス・ディ・ジーズ)目標17のうちの目標6になります。
現在世界では後発開発途上国を中心に清潔な飲み水を手に入れることが出来ない人の数が6億6,300万人もいるのです。そして不衛生な環境と汚い水で命を落とす5歳児未満の子どもは日に800人年間30万人に上るのです。(ユニセフ調べ)

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いきなりですが、私たちはいつ頃からペットボトルのミネラルウォーターを買ってまで飲むようになったのでしょうか?1970年代のオイルショックから立ち直ってきた日本は景気が上向いていましたが、水はまだ業務用での販売が主でした。飲食店は基より酒屋にはウイスキー水割り用の水が売っていた程度でしょうか。

日本は徐々に好景気を迎え、約1980年代後半のバブル景気を頂点に、株価・地価等の資産価格が急騰しました。海外旅行をする人が増え、また食べ物にもお金を掛けられるようになりました。潤沢な資産を国民全体がもつようになっていたこの時代、「安全で、おいしいものにお金を払う」贅沢はごく当たり前のこととなったのです。水も例外ではありませんでした。

世界の後発開発途上国の現実とSDGs

さてSDGs目標6では以下の8つの目標を持っています。
• 2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。

• 2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。

• 2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。

• 2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。

• 2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合水資源管理を実施する。

• 2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼を含む水に関連する生態系の保護・回復を行う。

• 2030年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術を含む開発途上国における水と衛生分野での活動と計画を対象とした国際協力と能力構築支援を拡大する。

• 水と衛生の管理向上における地域コミュニティの参加を支援・強化する。

上記の目標が掲げられています。

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ユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)は2017年7月12日 ジュネーブ/ニューヨークで、水と衛生に関する新たな報告書を発表。世界では、21億人(世界人口の約10人に3人)が安全な水を自宅で入手できず、45億人(同10人に6人)が安全に管理されたトイレを使うことができないことを、明らかにしました。

先進国「日本」にはない世界の現実

2017年7月「安全な水、効果的なトイレや衛生環境は、すべての子どもとすべてのコミュニティの健康に欠かせないものです。だからこそ、より強く、より健康的で、より平等な社会を築くためも、必要不可欠なのです」と、ユニセフのアンソニー・レーク事務局長(2018年からはヘンリエッタ・フォア氏・アメリカ)は述べています。

かく言う私も、水道水は沸かしては飲みますけど、冷水は購入しています。健康に自信がないのでカルキ(塩素)が強い水道水は飲むことをやめています。人づてですが、カルキ臭の元になる塩素を飛ばす方法があります。塩素を飛ばすための沸騰時間の目安は10分ほどですが、この時点で発がん性物質でもあるトリハロメタンが増加してしまうことが分かっているそうです。このトリハロメタンを除去するためには、続けて3分から10分の煮沸が必要らしいです。カルキ抜きをする方法などネットにも載っていますので是非参考にしてください。

しかし、日本の水道水でも、後発開発途上国の人達からしたら、「いのちの水」ですよね。正直言って日本人がボランティアでどうにかできるというレベルではありません。国際的なレベル、国家レベルで援助するしかありません。もし富豪の方でジャンボ機でありったけの水を毎日世界各国へ届けることができるならしてほしいです。豪華客船も同じことが出来ます。

TICAD7(第7回アフリカ開発会議)開催地:横浜市

もう一つ、できることはインフラ整備です。一部の金持ちのために地球があるのではありません。令和元年8月28日~30日、パシフィコ横浜で第7回アフリカ開発会議が開催されました。

TICAD7 三つの柱

TICAD7(経済、社会、平和と安定)それぞれについて、アフリカの包摂的で持続可能な成長を達成するために重要な事項を記述。

1.経済:イノベーションと民間セクターの関与を通じた経済構造転換の促進及びビジネス環境の改善
 ・貿易・投資:自由、公正、無差別で透明性があり予見可能な安定した環境の実現に努力。WTO協定と整合的な二国間及び地域の自由貿易協定の補完的役割を認識。
 ・質の高いインフラ・連結性:質の高いインフラは、持続可能な経済・社会、開発効果の最大化に寄与。エネルギーアクセスやICTにより連結性を拡大。
 ・民間投資・産業人材育成:アフリカ開発における民間部門の役割を認識。日本のアフリカビジネス協議会設立を歓迎。ABEイニシアティブを評価し、女性の起業家支援を歓迎。
 ・農業・海洋:農業の構造転換が重要。水資源の経済的潜在力の最大化にはブルーエコノミーが重要。海洋安全保障における協力促進と国際法の諸原則に沿ったルールに基づく海洋秩序の維持を強調。自由で開かれたインド太平洋のイニシアティブを好意的に留意。

2.社会:持続可能で強靭な社会の深化
・アジェンダ2030・SDGs達成:起業や科学技術イノベーション(STI)が重要。STEMをはじめ、あらゆる段階での教育と研究開発へのコミットメントを確認。
・ 保健:保健、水、衛生、栄養は人的資本開発の基礎。UHC促進へのコミットメントを改めて表明。保健・財政当局連携を通じ強靭な保健システムを促進。感染症対策に加え、非感染性疾患や人獣共通感染症の対策が課題。予防の強化にコミットし、民間部門を含む連携強化を呼びかけ。
・ 気候変動・防災・環境:アフリカは気候変動の深刻な影響を受けており、国際的な取組強化が必要。防災の主流化等における仙台防災枠組の取組を評価。海洋プラスチックごみ、生物多様性の保全、廃棄物管理等の環境問題に取り組む必要性を強調。

3.平和と安定:平和と安定の強化
・人間の安全保障・紛争予防:人間中心のアプローチを通じ、地方・国家・大陸レベルで制度を強化。アフリカのオーナーシップと努力を評価し、効果的に実施するための支援を奨励。
・ 難民・避難民:避難民・受入れコミュニティの強靭性の強化等に向けた長期的な取組を支持。
・ 安保理決議の遵守:不拡散に関する安保理決議の厳格な遵守と完全な履行を奨励。テロ、暴力的過激主義、過激化に対抗。

アフリカ開発会議は、1993年に日本が主導となって設立されたものです。国連や国連開発計画(UNDP),アフリカ連合委員会(AUC)、世界銀行などと共同で開催されてきました。これまでに7回開催されており、アフリカ開発を支援するため国際的なフォーラムとして発展してきました。

最近では、2019年にTICADⅦが日本で開催され、日本国内でも大きな話題となっています。次回、第8回アフリカ開発会議は、2022年チュニジアで開催される予定です。それまでに、特に保健ミッションで結果を出してほしいと思います。

2018年国連総会:「水の国際行動の10年」(Water Action Decade)を開始(2018-2028)

清潔な飲料水と衛生設備へのアクセスを増やすことで実質的な進歩が見られましたが、何十億もの人々(主に農村地域)は依然としてこれらの基本的なサービスを欠いています。世界的には、3人に1人が安全な飲料水へのアクセスを持っていないが、5人の2つのアウトは、基本的な手洗い施設はありません石鹸と水での、以上6.73億人はまだ開いて排便を練習します。

COVID-19のパンデミックは、病気を予防し封じ込めるために、衛生、衛生、きれいな水への適切なアクセスの決定的な重要性を示しています。手指衛生は命を救います。世界保健機関によると、手洗いは、COVID-19ウイルスを含む病原体の拡散を減らし、感染を防ぐために実行できる最も効果的な行動の1つです。それでも、何十億もの人々が依然として安全な水衛生を欠いており、資金が不十分です。

COVID-19レスポンス

水、衛生、衛生(WASH)サービスの可用性とアクセスは、ウイルスと戦い、何百万もの人々の健康と福祉を維持するための基本です。国連の専門家によると、COVID-19は、脆弱な人々が安全な水を利用できなければ止められないといいます。

COVID-19の影響は、きれいな水を利用できないスラムに住む都市部の貧困層にかなり大きくなる可能性があります。国連ハビタットはパートナーと協力して、非公式の居住地での流水と手洗いへのアクセスを促進しています 。

ユニセフは、基本的な水、衛生設備、衛生設備を備えたより多くの少女と少年、特に遠隔地や水が未処理または汚染されている場所に住んでいるために安全な水から遮断されている子供たちに到達するための資金提供と支援を緊急に求めています。または彼らは家がなく、スラム街や路上に住んでいるからです。

COVID-19の発生に対応して、国際移住機関(IOM)は、病気の蔓延を防ぐためにWASHサービスを調整しています。これには、影響を受けた、リスクのある、能力が低く脆弱な国々への継続的な支援が含まれ、医療施設でのWASHサービスと感染予防管理を確保します。

事実と数字

・4人に1人の医療施設が基本的な水道サービスを欠いている
1・0人に3人は安全に管理された飲料水サービスへのアクセスを欠いており、10人に6人は安全に管理された衛生施設へのアクセスを欠いています。
・少なくとも8億9200万人が野外排便を続けています。
・女性と女児は、敷地内の水にアクセスできない世帯の80%で水を集める責任があります。
・1990年から2015年の間に、改善された飲料水源を使用している世界人口の割合は76%から90%に増加しました。
・水不足は世界人口の40%以上に影響を及ぼし、増加すると予測されています。現在、17億人以上 が、水の使用量が涵養量を超える河川流域に住んでいます。
・24億人が、トイレやトイレなどの基本的な衛生サービスを利用できません。
・人間の活動から生じる廃水の80%以上は、汚染を除去することなく川や海に排出されます
・予防可能な水と衛生関連の下痢性疾患により、毎日1,000人近くの子供たちが亡くなっています
・河川、湖、帯水層から抽出されたすべての水の約70%が灌漑に使用されています
・洪水やその他の水関連の災害は、自然災害に関連するすべての死者の70パーセントを占めています。

以上が、2019年までにできたアジェンダの事実です。といいますか、重い課題だらけなのです。

LIXIL、SDGs目標6「安全な水とトイレ」で新事業 ユニセフと連携

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ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)とLIXIL(東京都千代田区)は、「持続可能な開発目標(SDGs)」で掲げる目標「安全な水とトイレを世界中に」の実現に向け、世界の子どもたちの衛生環境を改善するため、新しいアプローチで取り組むグローバルパートナーシップを締結しました。

「Make a Splash! みんなにトイレを」と名付けられたこのパートナーシップは、ユニセフとLIXILがそれぞれの強みを活かしながら、SDGsのターゲットのひとつ「2030年までに、すべての人びとの、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性および女児、ならびに脆弱な立場にある人びとのニーズに特に注意を払う」の実現を目指すものです。

新しいパートナーシップでは、ユニセフとLIXILは、以下の活動を展開する。

衛生市場を確立するとともに、トイレを必要とする人びとに低価格で製品が提供されるよう、マーケット主導型のプログラムを展開する。まずは、エチオピア、タンザニア、ケニアの3カ国で開始します。
衛生市場の確立により、開発の機会が創出できることを協働で政策提言し、より多くの人びとへの認知を図る。
各国におけるプログラムの拡大を支援するため、LIXILは資金調達と啓発活動を広く行う。

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現地で「つくる」「うる」「つかう」で事業も創出

ユニセフとLIXILによると、世界では、今でも23億人(約3人に1人)が安全で衛生的なトイレのない生活を送り、そのうち8億9200万人が日常的に屋外で排泄している。屋外排泄は、極度の貧困と不公平性を示しています。

また、未然に防ぐことができる5歳未満の子どもの死亡のうち、圧倒的に多いものが水と衛生に起因する病気だ。毎年世界中で28万8000人の5歳未満の子どもが、安全な飲料水が得られず、劣悪な衛生環境による下痢性疾患で亡くなっています。病気の感染拡大を予防し、子どもたちが健康で尊厳ある生活を送るために、安全で清潔なトイレはなくてはならないものなのです。

LIXILは、トイレや風呂、キッチンなどの水まわり製品と、窓やドアなどの建材製品を開発・提供し、世界150カ国以上で事業を展開しています。同時に、開発途上国向け簡易トイレ「SATO(Safe Toilet)」をアジアやアフリカの国々へ寄付し衛生環境の改善につなげる活動に取り組んでいる。この活動は、2016年から本格的に事業化し、同社は2020年までに「1億人の衛生環境を改善する」という目標を掲げて展開しています。

これまでに、インド、ケニア、ウガンダ、タンザニア、エチオピアなど、15ヵ国以上で「SATO」の導入を進め、600万人の生活環境の向上に貢献しているという(2017年9月現在)。また、同社は「SATO」を各地域で生産することで、現地の人々が購入できる低価格に抑えているのです。日本から支援を受けるという受け身の体制ではなく、現地に根差した事業として雇用を創出し、「つくる」「うる」「つかう」というサイクルを確立しています。

ユニセフが新しい形で企業と連携

今回の両者による連携は、水と衛生の分野でユニセフが結ぶ初のグローバルな「シェアードバリュー・パートナーシップ」で、日本企業とのこの種のパートナーシップの締結は初となる。

また、これは、これまでユニセフが実施した中でもっとも意欲的なパートナーシップで、ユニセフと企業との連携の新しい形を示唆するものです。連携する相手企業の中核事業とユニセフの活動がさまざまなレベルで関わり、共に力を合わせ、世界の子どもたちの環境を大幅に改善することを目指していきます。

ユニセフは、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために、活動する国連機関。現在190の国と地域で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移している。

すでに両者はアフリカにおいて協働した実績を有しており、安全で衛生的なトイレを必要とする人々に対して、現地のニーズにあわせてLIXILが設計したトイレを提供し、この取り組みを拡大し、より多くの人びとの衛生環境を改善するため、両者は新たな連携のあり方について検討を重ねてきました。

SDGsで年間12兆ドルの市場を創出との試算も

「持続可能な開発目標(SDGs)」は、2015年に国連で採択された、2030年までの国際目標。環境、経済、社会が抱える課題を統合的に解決することを目指し、17の目標と169のターゲットを掲げている。環境省が作成した「SDGs活用ガイド」では、SDGsによってもたらされる市場機会の価値は年間12兆ドルとの試算結果を紹介しています。

瑚心すくいが思う、この取り組み

SDGsが世界規模で目標を達成するためには、単なるボランティアでは「持続可能な取り組み」は実現しにくい、ということを示唆しています。経済が循環していくためにも、このような取り組みは必要なのです。

皆さんの家のトイレを作ろうと思ったら、簡単にはお金を捻出できません。だからより多くの人に使ってもらえる簡易トイレを提供したのです。

エチオピア、13歳のアイシャ 彼女が水汲みのために、毎日費やす時間とは?

炎天下の砂漠を、一日中歩いて、茶色い水を汲みに行く
日本にいると、安全な水が飲めるのは当たり前のこととしてとらえられています。
しかし、水を安定して供給できている国は世界でも少なく、いまだに22億人(※)が安全な水を飲むことができない環境で暮らしているのです。
エチオピアでは水を汲むために多くの人がラクダに乗って旅をしなければなりません。しかも、その水汲み係は少女であるケースも多いのです。

今回紹介する13歳の少女、アイシャもその一人です。

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彼女は朝早くに起きてラクダに乗り、水汲み場に向かいます。
朝6時半に出発し、炎天下の砂漠を旅しながら喉をカラカラにして、10時半ごろにようやく目的地に着くのです。
そうして休憩もそこそこに、家に向かって再び出発します。
家に着くのは16時頃。
歩いた時間は往復あわせて8時間ほどかかっています。

しかし、苦労の末手に入れた水は、決して綺麗なものではありません。
茶色く濁り、動物のふん尿が混ざっていることもある泥水です。
水道網が整っていない国では、こうした生活を営んでいる人が少なくありません。

アフリカのように砂漠が多く、周辺に川などがない地域に住んでいる人々は、いつも他所から水を調達しています。男性は労働をして賃金を稼ぎにでるため、生活にまつわることを引き受けているのはほとんどが女性や子どもたちです。

サハラ以南のアフリカ諸国だけでも、330万人を超える子どもが、毎日水汲みの仕事をしていると言います。すべての人がアイシャのように8時間を水汲みのために費やしているとしたら、総計では2億時間分が奪われてしまっているのです。
(※ユニセフ資料提供、gooddo引用)

最初の方で、まずはインフラ整備だと書きましたが、以上のようなことから水道網の整備が優先である、という「人がまともに飲める水」を供給できる環境を一日でも早く作って欲しいのです。
私たちが真水を飲んでお腹を壊すようなレベルではありません。ひきこもりでも喉が乾いたら水道水が飲めます。

アフリカ開発会議(TICAD)の役割・意義

 7回行われた会議の歴史については、別途記事で改めてご紹介します。
アフリカ開発会議は、1993年に日本が主導となって設立されたものです。
国連や国連開発計画(UNDP)、アフリカ連合委員会(AUC)、世界銀行などと共同で開催されてきました。これまでに7回開催されており、アフリカ開発を支援するため国際的なフォーラムとして発展してきました。

日本は、TICADを開催する上で以下の3つの理念を大切にしています。

1.包括的でオープンな会議
 アフリカの開発に関わるあらゆる関係者の会議への参加を促していることを意味します。アフリカ諸国はもちろん、開発に携わる国際機関やパートナー国、民間企業や市民団体など、幅広い参加者を集め、真にアフリカの開発につながるような議論が行われることを目指します。
 そのため、首脳会議だけでなく、さまざまな分野や立場の関係者が参加するセミナーやサイドイベントも同時に開催されています。

2.アフリカのオーナーシップを尊重
 アフリカの開発は、アフリカ政府が中心となった主体的に取り組むべきだという考え方です。TICADは、アフリカ諸国によるオーナーシップと、日本を始めとした関連諸国、国際機関がそれを支えるパートナーシップによって、アフリカの開発を推進しようと始まりました。
 オーナーシップを支えるパートナーシップという考え方は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標にも「目標17 パートナーシップで目標を達成しよう」とあるように、国際社会において開発を進める上でその重要性が認識されています。

3.取組のフォローアップ
 資金援助や技術協力の実施だけでなく、実施後も積極的に関与することを意味します。開発の取り組みが行われた後も、閣僚会議などで引き続きその後の状況などを確認し、必要に応じて調整・修正するようなフォローアップのシステムが構築されています。これらの理念をもとに、日本はアフリカの開発を推進し、国際社会でもアフリカ開発におけるリーダーシップをとってきました。
 またTICADはアフリカ諸国にとっても、開発を推進していくだけでなく、さらなるパートナーシップ構築の必要性を国際社会にアピールする場としても意義があると言えるでしょう。

アフリカ開発会議設立の背景

 第二次世界大戦後、アフリカ諸国は植民地からの脱却を目指し、次々に独立を果たしました。しかし、政治的な独立は経済的な独立を意味せず、依然として先進国に依存しており、工業化も進まないために貧しいままでした。

 国際機関や先進諸国による開発途上国への支援も行われてきましたが、1990年代に入ると先進国のアフリカ諸国への「援助疲れ」が起こり、先進諸国の援助の規模は縮小していきます。

 一方で、日本は順調に経済を成長させ、90年代には世界第一位の政府開発援助(ODA)供与国となりました。日本がTICADを設立したのは、まさにこの時代です。これをきっかけに、日本はアフリカの開発援助においてイニシアティブをとっていくことになります。

議論されてきたことと成果

これまで開催されたTICADにおいて、議論の中心となってきたものは次の3つでした。

1.質の高い成長
 アフリカの開発実現のためには、経済成長が必要であり、その利益が社会全体に行きわたるようにすることが重要という考え方です。
 特に、日本はアジアでの経験を活かし、「質の高いインフラ」の整備を促進してきました。たとえば、地下水・水供給プロジェクトや、教育・保健医療などの社会インフラに対して、無償資金協力による支援を行ってきました。

2.人間の安全保障
 アフリカの人々の能力強化を図り、能動的な社会・国づくりへの参画を促進することで、自律的な成長につながるという考え方です。日本は、人材育成を柱に、アフリカの人々によるアフリカ開発を実現するための支援を行ってきました。
 具体的には、2013年から始まった「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ」(ABEイニシアティブ)があります。これは、アフリカの青年の修士号取得や、日本企業へのインターンシップを支援するもので、これまでに3000人以上の産業人材を育成し、日本企業への就職を支援してきました。

3.官民一体となった開発
 日本の民間企業の進出を後押しし、民間に投資することでアフリカの産業の発展に貢献しようという考え方です。2019年に行われたTICADⅦでは、「TICAD7官民円卓会議民間による提言書」の提出や、「アフリカビジネス官民協議会」が設立されるなど、官民連携の動きは活発化しています。
 実際、これまでに民間への投資が200億ドル以上行われており、今後さらに拡大されるものとされています。TICADを設立して以降、アフリカ経済は急速に成長し、2001年から2016年におけるサブサハラアフリカ地域の実質経済成長率の年平均は5.2%となりました。(世界平均3.8%、先進国平均1.7%)名目GDPも3798億ドルから1兆5125億ドル、約4倍の成長を達成しています。
 このようなアフリカの成長を背景に、さまざまな国や地域がアフリカとのフォーラムを持ち始めています。この動きも日本が世界に先駆けてTICADを設立し、実績を挙げてきた成果の一つと言えるでしょう。
(引用:リベラルアーツガイド)

繁栄の共有に向けた社会安定化 -“Stable Africa” -

最後に、日本が目指す具体的なアフリカの社会創造についての骨子です。

 TICAD6ナイロビ宣言の優先分野の一つである「繁栄の共有に向けた社会安定化」に関し、G7伊勢志摩サミットの成果をアフリカにおいて着実に実践し、情報共有や分析、国境管理能力等の強化と並んで教育や職業訓練等を行うことで、平和と安定の基礎を作る。
 また、アフリカの主要産業であり、社会安定化にとって必要不可欠な農業について、人材育成やコメの生産量増大等を通じて、アフリカにおける食料安全保障を促進する。更に、人材育成等の取組を通じて、気候変動・自然災害分野での脆弱性克服に貢献する。
〇若者への教育・職業訓練等をはじめとする平和と安定の実現に向けた基礎作り

【平和と安定】
:平和で安定したアフリカの実現に向けて、5万人への職業訓練を含む約960万人の人材育成及び約5億ドル(約520億円)の支援を実施する。

【食料安全保障】
: 食料安全保障の強化のため、CARD(アフリカ稲作振興のための共同体)において、農民6万人及び普及員2,500人に稲作技術の普及を行う。

【気候変動対策】
: 気候変動・自然災害に脆弱なアフリカに対し、今後3年間で4,000人の人材育成を含む約18億ドル(約1, 870億円)の気候変動・自然災害対策支援を実施する。
: アフリカ35ヶ国において、森林資源の把握技術の向上、植林を実施するための環境整備等を推進することで、COP21で開始された、2030年までにアフリカ全土で1億ヘクタールの荒廃森林等を再生させるという目標の達成に貢献する。
: 地熱発電をはじめとする我が国の強みを活かした低炭素排出型のエネルギーシステム等を官民連携で推進することで、気候変動の緩和を図り、アフリカの持続可能な発展に貢献する。

TICAD7での宣言で日本が先進国の自負心を示した

「G7伊勢志摩サミットの成果(質の高いインフラ・保健・女性)を実践する第一歩目。我が国の優れた科学技術・イノベーションの力を活かしつつ、G7議長国として着実にその成果を実現する。」と。

私はことあるごとに、日本の先進国としての自覚のなさを感じることが何度もあった。SDGs、水の安全、人材育成、東京オリンピック、大阪・関西万国博覧会等において、是非とも世界のためにより高いレベルの貢献をしてほしいと思います。

長生きにお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

(瑚心すくい)

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社会執筆家・小説家・エッセイスト・音楽家、関西SDGsプラットフォーム会員。社会経済が抱えるサステナビリティな社会的課題に取組み、人権擁護・動物愛護・自然保護等多岐に渡る社会貢献ができる人材育成を、国連SDGs「持続可能な開発目標2030アジェンダ」と共に実現します。