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アフリカ民族を誤解してないだろうか?

爽快な日曜日、気持ちは高原を全力ダッシュで走り抜けたい!

2019年ラグビーワールドカップ

日本で開催されたラグビーワールドカップ。南アフリカが栄冠に輝き幕を閉じた。その4年前にイングランドで行われたワールドカップで日本代表が南アフリカ代表を34-32で撃破し、世界中に衝撃を与えた「ブライトンの奇跡」は記憶に新しいことと思う。

日本代表は、世界ランキング13位。W杯での勝率は最も低く(1勝21敗2分け・勝率4.2%)と日本人からしても日本はラグビーは弱いというイメージ。

一方、南アフリカの歴史も時に印象が強いのが、映画(『インビクタス/負けざる者たち』アメリカ作)にもなった、1995年に自国開催されたワールドカップで優勝したことだった。

当時南アフリカでは、英国発祥のラグビーは白人もしくはある程度の地位を獲得した富裕層の行なうスポーツであるという印象が強かった。また、ラグビーはルールが複雑であり、教育水準の低い貧困層の多い黒人の間では受け入れられず、専らサッカーが主流のスポーツであった。

後のネルソンマンデラ大統領(ノーベル平和賞を受賞)は、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離運動・1991年に撤廃)に反発し27年の投獄生活をしていた。

1990年2月11日、マンデラ釈放。黒人は歓喜し、多くの白人は復讐を恐れた。しかし翌日の記者会見で、次の新しいリーダーになる男はこう言った。
「白人も同じ南アフリカ人だ。彼らが身の危険を感じるような事態は望んでいない。この国に対する彼らの貢献に、私たちは感謝していることを知ってほしい」と。

1995年、歴史が大きく動く

(株式会社ベースボール・マガジン社雑誌より引用)

楕円球の祭典。人種間に大きな溝があった国に、『ワン・チーム、ワン・カントリー』のスローガンが躍った。白人への敵対心がぬぐえない人々に対し、南アの新大統領になったマンデラは、「スプリングボックスを応援してほしい」と精力的に説いて回った。

迎えた開会式。マンデラ大統領は前日のチーム激励の際にもらった緑のキャップをかぶってグラウンドに登場し、大歓声を浴びる。
最大の理解者に守られた選手たちは、国全体のために戦うことを誓い、一生懸命覚えた新しい国歌を誇り高く歌った。チームを後押しする声は日ごとに高まり、快進撃が続いた。

そして、決勝進出。6月24日、マンデラの長年にわたる努力と苦労は実を結ぶ。黒人も白人も、あらゆる肌の国民がスプリングボックスを応援し、ニュージーランド代表との激闘の末、南アフリカは優勝を遂げた。

表彰式、背番号6のスプリングボックスのジャージーに身を包んだマンデラが、大仕事を成し遂げた主将のフランソワ・ピナールに栄冠を渡す。
「ありがとうフランソワ。君がこの国のためにしてくれたことに心からお礼を言います」
「いいえ大統領、あなたがこの国のためにしてくれたことに心から感謝します」

会場は「ネルソン! ネルソン!」の大合唱。ピナールがカップを高々と掲げ、マンデラは笑顔で拳を何度も突き上げた。スタジアムのファンだけでなく、南ア国民4300万人の応援がもたらした勝利だった。

「日本人のためのアフリカ入門」を読んで

作・白戸圭一・毎日新聞社、2004年から2008年までアフリカ・ヨハネスブルグ駐在。(彼自身、学生時代にヨハネスブルグに滞在し、その土地の生活・文化や民族性については知っていた。)

彼は日本の本社からの依頼で「記者の目」というコーナーの記事を書くことになった。駐在中もヨハネスブルグは荒れていた。強盗や殺人は日常茶飯事、その中での貧富の差が少なからずとも影響しているとコメントしている。

そのせいで日本ではアフリカは危険な国だ、等の印象が根付いたことを反省していた。

実際、荒れてはいたが、日本がアフリカに経済支援をしていることを知っているアフリカ人たちからの日本人に危害が及ぶことはなく、反対に家族は「良いところ」という気持ちを持って生活していたそうだ。子どもたちも楽しくアフリカを満喫していた。

しかし、前述の白戸の記事で、日本は裕福な国、アフリカは貧困の国、日本は安全な国、アフリカは危険な国、日本は教育先進国、アフリカには教育環境が少ない、等のイメージを植え付けてしまい。よくよく現地の方々の気持ちになって考えさせられたそうだ。

確かに世界から見れば開発途上国ではあるが、そこに住む現地の方々は、祖国を愛し、一定の幸せや誇りを持って日常を送っていることは間違いなく、それが日本と何ら比較するようなものではないということを感じたそうだ。

以前の記事で、アフリカの水とトイレの深刻な問題をかいたことがあったが、それとこれとは別ものである。例えば、国連の乳児死亡率統計。生後1歳未満の子どもが1000人あたり何人死亡するかを示す。

世界平均は1000人当たり45人。因みに日本は1000人あたり3人で世界193カ国中178位。ワーストワンはアフガニスタンで165人の死亡ですが、ワースト30カ国中27カ国はサハラ砂漠以南アフリカの国で占められています。

わたくし瑚心すくいはSDGsで水の話からアフリカのことを調べているうちに、更に本も買い魅入られるように現在、特集「アフリカ開発計画」の記事を書いています。わたくしも白戸さんから言われた、各々の国の人達は自国に誇りと愛情を持って暮らしていることを肝に銘じました。

ラグビーワールドカップの話がそのいい例ではありませんか。わたくしたちも世界の国同様、自国を愛してやまない精神をもって日々を暮らしましょう。

(瑚心すくい)


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