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コミュニケーションの裏話② 頭と言葉の不思議な関係

ご覧いただきありがとうございます。
 
NLPトレーナーの淺野高広です。
 
前回のコミュニケーションの裏話①では、心との関係、自分とのコミュニケーションについてお話ししました。

そして今回も、コミュニケーションスキルを、より良くしたいと考えたり、もっと深めたいと思っている皆さんと一緒に探求していきたいと思ってます。
 
そして次回は、あの有名なラポールスキルをご説明します。
 
その前に、今回はコミュニケーションスキルの前に、もう一つの大切なことです。
 
それは・・。

コミュニケーションに影響を与える、頭(マインド)と言葉の不思議な関係です。
 
今回も実際にあった多くの相談を元に書いています。

1.頭の中の考えは、コミュニケーションに影響している。

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コミュニケーション中の頭の中の状態について
 
例えば、こんなケースがありました。

【ケース①】

接客業や営業のお客様に販売や提案をするために頭の中で駆け引きしながら会話をしている
 
お仕事なら価値を伝えるために駆け引きも出てくるかもしれませんね。僕の後輩は、何を考えているかわからない3枚舌だねと言われたそうです。
 
【ケース② 】

好意をもっている人を誘いたい時に直接言わないで、いろいろな言い回しをしながら誘う。
 
また仲良しの友達に気持ちを直接言えなくて、そっけない言葉を言ってしまう。

普段からこのようなことが起こっています。
 
興味深いのは、私たちは頭で考えていることと言葉が違っても会話ができること。
 
コミュニケーションをとる時に、口に出す言葉と、頭で考えていることには多かれ少なかれ差がある場合があります。
 
これが背景や状況によって、適切かどうかでコミュニケーションにも大きく影響していたのです。

例えば、会話中に仕事のことを考えていたらどうでしょう。

《良く作用するとき》
・緊急事態の決断時などでは、会話をしながら同時に頭では判断することをしています。
 
・企画会議などでは、会話をしながら頭では企画をイメージし、シュミレーションしたりできます。
《マイナスに作用するとき》
 ・個人面談で相手の話を注意深く聞くときに、違うことばかり考えてしまう。
 
・事実の確認をしている時、頭では自分の世界観で推測ばかりしてしまう。
 
・プライベートでも、家族の話しを聞きながら仕事のことを考えていると話を聞いてんの?って言われた経験がある方もいるかもしれませんね😊
そして詐欺などは、騙そうと考えながら言葉巧みに話してきます。

このように言葉と頭の中は同時に動かせるので、良くも悪くもコミュニケーションに影響を及ぼしている可能性があります。
 

2.その頭の中の考え、結構伝わってますよ。

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では頭の中で違うことを考えながらコミュニケーションを取る人は、まわりからどう見えていると思うますか?
 
もしお友達が頭の中で別なことを考えながら会話をしていたら、私たちにはこのように見えます。
 
・他の事を考えながら聞いているのかな
 
・ボーとしながら聞いているのかな
 
・うわの空だな
 

経験ある方もいると思いますが、頭の中が会話に集中していないのがバレバレになってます。
 
さらに、もう一つ

僕は演劇の企画プロデュースもやっているので、言葉よりも頭の中の想いが伝わることを演劇や映画のセリフで例えて説明します。
 
演劇や映画では、台本を解釈するときにセリフの裏にある本当に言いたいことを見極めていきます。
 
どういうことかというと

セリフは直接的ではなくても、そこに想いを込めて話すとその想いがセリフを通して伝わります。

何かのプロポーズのシーンを想像してください。

愛の告白がこのようになります。

映画「ザ・エージェント」のプロポーズシーン
「僕を完成させるのは君だ」
映画「25年目のキス」
 「君は僕の世界を変えた」

こんな言い方をされたら、ドキッとしますね。
 
頭の中では「好き」「愛している」を言いたいのですが、言葉が違ってもその想いは伝わっていきます。
 
お仕事の場面でも、先輩に感謝の想いを伝えるときに
 
「感謝してます」ももちろん素敵ですが
 
「先輩が私の人生を変えてくれました」
 
という言葉でも感謝の想いを持って話せば伝わります。
 
つまり頭の中の考えや想いは、結構伝わっているのです。
 

3.コミュニケーションをさらに良くする、頭の中をつくるには

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頭の中の考えが何かしら伝わっているとするなら、より良いコミュニケーションを取るときはどのようにすると良いのでしょうか?
 
それにピッタリなのが、NLPの世界的な権威の一人でもある、ロバート・デュルツ先生のスポンサーシップというものでした。
 
一つ例をあげるなら、「私はあなたを見ています」という信念を前提に持って相手と接したりします。 
他にも
 
「あなたを信じてます」
 
「あなたが大切です」
 
「感謝しています」
 
「信頼しています」

 
このような信念を持ち、頭の中で唱えてから会話してみます。

すると、不思議と言葉や表情に、この信念が乗っていくのです。
 
僕もたくさんのクライアントさんを観察してきましたが、信念を持って会話をしてる人たちは、表情や、立ち振る舞い、しぐさにも現れ、その人の印象まで変わっていました。

4.こんな実例も《2つの学級の話》

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こんな実験結果があるそうです。
 
ある学校で、校長先生はクラスをAとBの2つの教室に分け、同じ先生に担任を受け持ってもらうことにしました。
 
校長先生は、担任の先生にこう言いました。
「Aのクラスは優秀な生徒を集め、Bのクラスは問題児を集めた」と言いました。
 
そして授業が始まり担任の先生は分け隔てなく両クラスを指導しました。
 
さて学期が終わると校長先生の言ったとおりにAのクラスの成績はBのクラスの成績よりも優秀という結果となりました。
 
しかし実は校長先生はAのクラスもBのクラスも適当に分けただけで優秀か問題児かは関係なかったんです。
 
この実験では担任の先生はAのクラスは優秀だと信じて期待して授業をして、Bのクラスは問題児だからと期待しないで授業をしていた結果でした。
 
頭の中でどう思っているかでここまで変わったそうです。

5.活用していこう

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まとめです。

どんなにコミュニケーションスキルを磨いても、頭の中で相手をマイナスに見ていたり、ネガティブなことを考えていたり、他のことを考えていたらコミュニケーションに影響が出てしまいます。

「あなたを見ています」

「あなたにはできます」

「あなたを尊重します」などなど

これらを信念として持ちながらコミュニケーションを取っただけでお相手の見え方が変わった方もいました。
 
仕事の面談だけではありません。さまざまなところで活用できます。
 
例えば教育でも、この人はできる、この人の考えは素晴らしいとか、この人にはたくさんの良いとこがある、この人をサポートする、この人がどんな人でも世界観を尊重する。

こういった信念を前提に持ちながらコミュニケーションをとると、より深い信頼関係につながります。
 
頭の中の状態、ここも大切にすることをおすすめしています。
 
コミュニケーションスキルの前に、

どのような心の状態(精神状態)

どのような信念(頭の中)

ここをおさえておくだけで、コミュニケーションスキルが何倍にも効果を発揮します。
 
次回いよいよ、有名なあのコミュニケーションスキルのお話です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

《参考文献》
NLP-JAPAN ラーニング・センタープラクティショナーテキスト
NLPコーチング( ロバート・デュルツ 著)