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コーチがアドバイスをしない本当の理由とは?

コーチングをやっているとアドバイスをしたくなったり、その人のために厳しいことや、役に立ちそうなことをいいたくなる人も少なくありません。

ところがコーチングでは気づきを促すためにアドバイスをしない方が良いと教わったことがある人もいます。

これは、どちらが良いか、悪いかではなく

コーチがアドバイスをする時と、しない時でクライアントさんに何が起こっているのかの違いの見ることで、コーチがアドバイスをしない本当の理由をお伝えします。

今回はアドバイスをすることと、しないことに対してNLP心理学を使って解説していきます。

①ベースになる概念

「地図(マップ)は領土(テリトリー)では無い」というNLPの前提になる概念があります。

今回は、この前提を使ってわかりやすく説明します。

なお、コーチングの手法によって、いろいろなご意見もありますが、せっかくですのでNLP心理学の一つの考えだと思って楽しみながら読んでいただくことをおススメします。

②地図(マップ)と領土(テリトリー)の違い

地図(マップ)は、その人の世界観
領土(テリトリー)はその人の出来事そのものをさしてます。

私たちは何かの出来事があると、出来事そのものではなく、自分の好きなように受け取り、解釈して自分の世界観をつくっています。

これがその人の地図(マップ)です。

ですが、コーチングでは視点を変えたり、焦点を変えることで、出来事そのものの受け取り方を変えたり解釈を変え、別の意味を持たせることもできるのです。

つまり

・その人の何かの出来事そのものは領土(テリトリー)
・そして、その人の世界観は地図(マップ)なのです。

③悩むとはどういうこと?

悩みをこのNLPの前提に当てはめると、
悩みとは、その人に起きた何か困った出来事に対して、今の地図(マップ)を使っても、その地図では先に進んだり抜け出すことができない状態のことだと言えます。

だから、そのクライアントさんの悩みを解消したり解決したり、前に進むためには、新しい地図が必要になることがわかります。

④なぜ新しい地図が必要になるの?

例えば、ある人が京都に住んでいたとします。
今まで使っていた地図(マップ)には、

京都のお寺や神社の道がびっしり書いてあって、どのお寺や神社にも簡単に行くことができました。

ところがある日、京都の名物料理を探すことになりました。しかし名物料理なんて探したこともないし、食べに行ったこともないので、どこに行けばたどり着くかわかりません。

たとえ同じ京都に住んでいたとしても、探したことや行ったことのないお店に調べないで行くのは至難の技なのです。

つまり名物料理を探すには「新しい地図」が必要になるのです。

話を戻すと

悩み解決に必要なのは、そのための新しい地図をつくることなんです。

⑤アドバイスするコーチングで起こること

アドバイスをするコーチングは、地図のない人にコーチが持っている地図を見せて説明しているようなもの。

例えば、京都の名物料理を探すときに、この道を行けば、この名物料理が食べれるよ。と教えているようなものです。

しかし、この時、地図を握りしめているのはコーチ側になっていますよね。

そして、もっとも気をつけなければいけないのはコーチの握りしめている地図はコーチの領土(テリトリー)を元に作られたものでしかないので、クライアントさんの領土とは異なっているということなんです。

ここが大切で、コーチは自分の地図をクライアントさんの答えのように見せておきながら、うまくいかないときはクライアントさんに問題があるということにしてしまうこともできるのです。

それでもクライアントさんはコーチが地図を持っているから、コーチを信じて、地図を見せて欲しいとお願いしてくるため、これがコーチに必要以上に依存してしまう原因になりかねないのです。

コーチングでアドバイスを行う状況になったときに気をつけたいポイントですね。

そもそもコーチの地図だから、うまくいかないときは、クライアントさんの領土(テリトリー)に適さない地図だったということなのです。

コーチの地図はクライアントさんの領土から作られた地図ではなくコーチの領土から作られている。

⑥アドバイスをしないコーチングは?

アドバイスしないコーチングでは、
質問しながら気づきを促すため、クライアントさん本人に「新しい地図」を作ってもらうことができます。

クライアントさんの「新しい地図」をつくるお手伝いをしているので、その地図を作る土台は、クライアントさんの領土(テリトリー)を元に作っていくことになります。

つまり、アドバイスをしないコーチングでは、クライアントさんが「自分の新しい地図」を自分で作るため

その地図はクライアントさんが握りしめることになりますので、コーチがいなくなっても、1人でその新しい地図を使って新しい場所にいけるようになるのです。

ですのでコーチとクライアントさんの必要以上の依存関係が起こらなくなりますよね。

クライアントさんが作った新しい地図はクライアントさんの領土(テリトリー)に適した地図だということ。

コーチはクライアントさんの領土からクライアントさんが新しい地図を作るお手伝いをする。

⑦これからの時代に

コーチングはクライアントさんが行きたい場所へ快適にいくための伴奏をするなら、

そのために誰の地図を使っているかが、これからのコーチに問われることだと考えてます。

⑧コーチがアドバイスをしない本当の理由は

地図(マップ)は領土(テリトリー)ではないというNLP心理学の概念をコーチングに活用するなら

決めたゴールを達成するために、その人の領土(テリトリー)をもとにした、その人の新しい地図(マップ)を作ることができることを教えてくれてます。

ですので、コーチがアドバイスをしない本当の理由は、

「クライアントさんが自分で新しい地図を作るお手伝いをするため」

というふうにNLP心理学で紐解くこともできます。

最後まで、お読みいただきましてありがとうございました。

#私の学び直し