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通院すら難しい高齢者の話

私の患者さんは、お一人で外出することが難しい方ばかりなので
「病院に行くのが大変」という言葉は本当によく聞きます。


通院の壁1

病院にたどり着くまでの問題

連れて行ってくれるご家族がいらっしゃる方はまだよいのですが、
それでも
ご家族の都合次第になりがちで、仕事を休ませてしまう罪悪感があるそう。

その他、利用できる方はヘルパーさんを頼ったり
仕方なくタクシーで一人で通院される方もいらっしゃいます。
タクシーなら家の前から病院まで行かれるからいいよね、と思われがちですが、
・タクシーの数が減った
・車の乗り降りが不自由(杖やカートの取り扱い含む)
・病院に入るまでの数メートル、数段の階段、エレベーターなど…立ちはだかる低い壁の存在感は大きい

コミュニティバスなどの本数が減り、タクシーの予約もなかなかできないため、早め早めに予約するそうで、
若い世代の人が30分もあれば行かれる道のりにも1時間、1時間半みているから、うまくいくと早く着きすぎるけれど
遅れるよりはいいからと、そうしているそうです。
余裕を持って出発する、というのは
仕方ないしそうするのが当たり前と言ってしまえばそれまでですが。

通院の壁2

待ち時間問題

未だに、待ち時間2~3時間というところは多いらしく
予約なのに1日がかり、という声は本当によく聞きます。
それに加えて、薬局でも1時間待ちは当たり前

ご家族との関係が良好な方ばかりではないので
仕事を休んで、何時間も病院で待たされて、という愚痴や文句を言われてしまうこともあるとか。
誰が悪いわけでもないのですが、嫌な思いをしてしまう。というのがなんともやるせなく感じます。

どこか具合が悪くて行く患者のことを考えると
待合の椅子に2~3時間腰かけていることの負担は相当なものだと想像がつきます。
腰が痛い人、そんなにじっと座っていられますか?

元気な人なら
買い物などして時間を潰す、また出直す、などができますが
足腰痛くてやっとこさ歩いているような方にはそれも不可能で
じーっと椅子で待つしかないのです。

医療は奉仕・皆平等?

なんでも平等にとうたう世の中ですが
結局、医療においても平等ではないのだなと
私は感じています。
高額な先進医療や自己負担の治療の話ではなく、最低限の暮らしを維持するための医療ですら、です。

日常生活がままならない人にとっては
診察を受ける、薬を処方してもらうことすら
ハードルが高いのです。

スマホやアプリで便利な世の中になってはいても
それを使えない、使わない年代の方にとっては
不便なままです。

情報弱者にならないよう、必要な情報は自分で取りに行く
正しい情報を見極める力が若い世代には必要とされていますが

現在、ご高齢の方には
人と人の繋がり
紙や会話がやはり欠かせない伝達手段だと思います。

本当に頼れる家族がいない場合は
どうにかして一人でがんばって病院に行くのでしょう。
それでもそうやってどうにかして行くことも限界に近い人に
必要な支援がなされているかというと
そこも疑問です。
 なので、調べてみようと思っています。

訪問医、訪問看護がもっと普及するといいなと思いますが、難しいのでしょうね。
本当に、難しいと思います。


こちらの記事を読んで、私も!と便乗して
思ったことを書かせてもらいました。
(えんじゅさま勝手にごめんなさい。ありがとうございます。)

私の個人的な意見であり
医療機関等を責める目的ではありません。

ご高齢の方と接しているからこそ気付かせてもらえることであり
その中で、私にできることはないだろうか?と考えたり、調べたりするきっかけにもなりました。

ひとりで生きていくためには
人並み以上の健康かお金が必要で

それを補うための国の制度(医療や介護)ではあるけれど、それすらが平等に受けられないとなると
助けてくれる人、が必要なのだと思っています。
それ、になるのが私の目標です。

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