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人を信じるロマンチスト パリストン=ヒル 【HUNTER×HUNTER 考察】


結論から

ジンは「人を信じない、優しいニヒリスト」で

パリストンは「人を信じる、優しくないロマンチスト」

です

ジンは、グリードアイランドのスタッフを放置して自分だけ消えてしまいました
「俺もう飽きたし、そのオモチャはあげるから後は達者でやってくれ」
「続けるならいつか息子が来るから修行に付き合ってくれよ」

ということなのでしょう

「暗黒大陸にお前らもついてきてくれ」とは言わないわけです
理由は「こいつらじゃ無理だろな」「もうゲームに最適化されちまってるし」でしょう

他人に期待しない
人には限界があると思ってるから
それが優しさだと思ってる

という、比較的マトモな感性を持ってるキャラクターです
だから言うほど破天荒ではないです、育児放棄したクズというだけで

対してパリストンはどうか?

(HUNTER×HUNTER カラー版 33巻)

ハンター協会がつまらない組織になりそうだからって
キメラアントをバラ撒いて同時多発テロを実行しようとしてる異常者です

ここから分かるパリストンの考え方は

他人に期待をかける
人には限界が無いと思ってるから
それが愛だと思ってる

パリストンが他人に憎まれると嬉しいと感じるのは

「これで対戦相手が成長してくれるかも!」と期待をかけるから

(HUNTER×HUNTER カラー版 32巻)

ロマンチスト(理想主義者)なのです、この構ってちゃんは

「世界中にキメラアントをバラ撒けば、人類はより高いステージに行けるはず!
チードルだって一瞬歯応えあったし、追い込めばもっと成長するかも!
そいつら全員に憎まれたら僕の対戦相手になってくれる!構ってもらえる!」

(HUNTER×HUNTER カラー版 33巻)

ブラック体質&クソコテ荒らし&メンヘラ厄介ファン

属性盛り盛りです

何より問題は「その過程でいくら犠牲者が出ても構わない」と考えてる所です
パリストンの愛は一方通行、相手に選択肢を与えません

だからジンは「完全アウトだクズ野郎」「もうお前が遊べる箱じゃない」
(もう協会にそこまで伸びしろねぇよ諦めろよこの夢想家が)
と言い放ったわけです

【もしパリストンがグリードアイランドを作ったら?】

おそらく政治力が要求されるシステムを追加するでしょうね
そこで内戦や選挙によって島の【王】を決めれるようにする

そして、最終的には存在を公にし、国境線を主張して
実在する国家として国連(5)に認めさせようとするでしょう
そして
グリードアイランドvs国際社会で現実に大戦争を起こすでしょう

世の中を面白くするために同時多発テロを起こす異常者ですから、当然そこまでやる
「気にいった奴はポテルシャルギリギリまで追い詰めてしゃぶり尽くす」
「最終的にぶっ壊れる姿もまた美しいよね」
がパリストンの考え方

しかし、そんなパリストンもジンに手玉に取られつつあります
なぜか?

それはパリストンは他人依存な所があるからです
「他人が使えないなら僕と一緒に強く()なろうね」と嫌がらせを繰り返すのに対し
「他人が使えないぶんオレが強くなるしかねーな」というジンのような
意識に少し欠けてるからです

だから他人に頼って姑息なトリックを仕掛けてきた
それをジンに見透かされて「自分で来いや」と軽蔑されたわけです

現実の喧嘩では「ブレーキが壊れてる奴が一番強い」とされてますが
どちらもブレーキが壊れた異常者だった場合、勝つのは個として強いほうです

チードルのような常識人相手には無双してきたんでしょうし
ネテロも政治に興味が薄いせいで有利に遊べてきたんでしょう
とうとう本物に出会ってしまったという感じでしょうかパリストンは

ただジンにも弱点があって、それは外の道を行くとはいえ
最低限の良識(ブレーキ)があることです

結局、筋を通すために傭兵の駒として絶対服従する羽目になりました
(比較的)凡人の言いなりになってズレた命令も聞かなきゃいけないので
今後ジンの行動をかなり制限してくるはずです
最高のパフォーマンスを出すならジンがリーダーか参謀になるのが最適解ですから

(HUNTER×HUNTER カラー版 33巻)


これに対して、パリストンがどこまで外の道(アクセル)を踏めるか、という勝負になると思います


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