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なぜクロロ達は全員死ぬのか 【HUNTER×HUNTER 考察】

冨樫先生はファンの質問に対し、クロロ達は

「全員死にます。」と答えていました

なぜ死なせる事にしたのか? 考察してみました

結論としては
「幻影旅団はもう狩人(ハンター)ではないから」です


まず、暗黒大陸編における各勢力の野望をまとめてみましょう

① ビヨンド組&ジン&パリストン


「世界の禁忌(タブー)を破って未知の大陸にムリヤリ出かけてやるぜ!
俺達だけとかケチくせぇ事は言わねぇ何万人でも何億人でもついてこい!
ただのピクニックじゃねぇぞ植民地政策だ!資源も遺産も何もかんも奪い取って
その手でビッグチャンスを掴め!道は俺が作ってやる!」

② ハンター協会


「そうはさせないぜビヨンド!テメェにしっかり首輪を付けつつ
五大厄災の攻略法を見つけ出した上でリターンも全部こっちのもんにしてやる!
上手くいけば人類代表として国連から正式にハントが認められるしな!」

③ カキン王&王子達&マフィア


「待ってろよ愚民共…!他の候補ブチ殺して俺が王になってやる」
「このクソ体制いい加減にしろよ全部ぶっ壊してメチャクチャにしてやる」
「ホホホ…お前たちの死後の念、すべてを蠱毒の糧とし、我がカキンの繁栄を永久的なモノにするホイな!!」

④ 幻影旅団


「 なんか壺があるんだってさ、後で盗もうぜ w 」

↑しょうもなっっっっ!!

価値も知らない壺を盗んでどうしようというのか
大人達による国家百年の計が進行してる傍らで、万引きを企てる悪ガキ集団

もうね、破綻してるんです
今まで必死に大盗賊を演じてきたけど、限界が来てしまったんです

“金か?地位か?名誉か?
それで満足したと思えるような奴が
オレ達の中に本当にいるのか?”

(HUNTER×HUNTER 9巻)

↑このセリフには2つの意味があって

①サラサの無念を晴らすために動いてるだけ
②金と権力の使い方が分からない、楽しみ方もわからない


クロロ達の原動力は世の理不尽に対する諦めと怒りです
金と権力を駆使して人生を楽しむプランを立てても
サラサの事が脳内にフラッシュバックして
「こんなことしてる場合じゃない!」となってしまうのです

人生を楽しむことはサラサへの裏切り行為のように思えてしまう

クロロ達が悪党を演じるのは、流星街防衛のためだけでなく
「俺達だけ人生を楽しんでごめんねサラサ…」っていう後ろめたさもあると思う
「そんな俺達は悪党(クズ)に決まってるよね…」っていう
自身をクズだと認めることでようやく笑顔で生きれるわけです


団長(クロロ)に至っては精神分裂(二重人格)まで起こさないと盗賊ごっこも楽しめない有り様です
復讐に命を削り続けてるクラピカと根っこは同じなんだと思います

クロロ達が流星街の「王」にならなかった理由もそこにあると思う
流星街を守りたいなら旅団が統治する道もあったはずですが
むしろ「王」こそサラサのような弱者はある程度切り捨てないと「国」は保てない
報復と称して住民を人間爆弾にする「掟(ルール)」がまさにそれで
サラサはこの爆弾になれてたら幸せだったとでもいうのか?

この“ズレたところで迷走を始めた”流星街の連中をみて、クロロ達は距離を置いた

だからノブナガの言うように、クモは活動内容が「テキトー」なのです
金と権力を信じれないから刹那的なチンピラムーブをするしかない
無人島で1から異世界を作り上げたジン達のような、長期的で粘着質な欲望は持てない

…本当にクロロ達はお宝(リターン)が欲しいのだろうか?
盗賊(ハンター)であり続けたいと思ってるのだろうか?

それよりもストーリー内では
仲間を殺したヒソカに復讐したい、サラサを殺した奴等に復讐したい
とそこにクラピカも加わって『復讐劇』であることの方が強調されています

盗賊(ハンター)としての幻影旅団はもはやオマケ
壺を盗もうが盜むまいがどうでもいい読者が大半ではないでしょうか?
それよりヒソカとはどうなる?クラピカとは?の方が気になってるはず

だから復讐劇に決着がついたら、退場する予定なのではないか

HUNTER×HUNTERは、ハンターの物語なのだから


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