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共変動と児頭骨盤不均衡

8/19日付の京都新聞に興味深い記事を見つけました。

アカゲザルの胎児の頭蓋骨と 母親の骨盤の形態が互いに対応(共変動)し、ベストマッチしていることが分かったという内容です。

アカゲザルで起こりうることならば、それに近い人間にも当然そういった機能が備わっているであろうということです。

しかし一方、人間の産科には「児頭骨盤不均衡」という概念があります。
お母さんの骨盤(下口)に対して赤ちゃんの頭が大きいため経膣分娩ではリスクを伴うとのことで、帝王切開を選択するということが結構な頻度であります。

産科に限らず医科では往々にしてX線などの静止画像や数値で(のみ)状態を判断します。
生体が持つ流動性や可変性というものをあまり考慮に入れません。
恥骨結合も仙腸関節も離開しますし、仙骨や尾骨も可動します。また赤ちゃんの頭蓋骨も可動します。

はたして本当に「児頭骨盤不均衡」というケースはそれほど起こりうるのでしょうか?
人間という種にはその共変動という機能が備わっていないのでしょうか?
「児頭骨盤不均衡」が珍しいことではなく、多産でもない種がここまで数を増やすでしょうか?

医学の世界でいわゆる常識とされていることや一般的に行われている処置に対して疑問を持つ。そして自分の頭で考える。(もちろんそれは医学に限らず全ての分野、事象に対してですが)それはとても大切なことだと思います。


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