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見た番組の話 「ウルトラマンデッカー」編

初めまして
爰野 努といいます。

前回はとてつもない文章量かつ
土日に投稿するという目標をガッツリオーバーしてしまったので
今回は軽く触れられるくらいの話題を

と思っていた矢先、息子と見ていた

ウルトラマンデッカー

が21日土曜日に最終回を迎えました。

今作の主役、ウルトラマンデッカー


なので、今回はウルトラマンデッカーを見終えての感想をまとめてみようと思います。

当たり前ですが最終回を見終わった後ですので、当然ネタバレします。



感想「見ててよかったし面白かった」


なんて頭の悪い見出しなのでしょう。

でも何かを批評する時は真っ先に感想を述べた方がいいと
どこかで見たので…。

とりあえず、ウルトラマンデッカー、めちゃくちゃ面白かったです。

きちんと「ウルトラマンシリーズ」という怪獣特撮としても見れたし
破綻点も少なく、ストーリーもすっきりしており
劇中の伏線も恐らくほぼほぼ回収しているのでは
と思います。

その中でも特に感じた良かったところと
少しだけ残念だったところを挙げていきます。


特に良かった点

登場人物の描写が多く感情移入しやすかった。

前作「ウルトラマントリガー」は
防衛軍キャスト数が7人と多い上に
敵か味方か謎の宇宙人、ヴィラン3人組等
とにかく喋る人が多かったので
ストーリーとして取り上げられる人数も限られており
「もっとこの人を掘り下げて欲しかった」
という感想を持っていました。


  リュウモンソウマ   キリノイチカ
 カイザキサワ   アスミカナタ  ムラホシタイジ


それに比べて今回のメインキャストは5人+機械が1体、そしてヴィラン役が1人。
全員の性格や過去を掘り下げる回もあり
イチカ隊員に至ってはエレキング回とラゴン回の
2回もメインとなる回がありました。

最終決戦直前の新人組

加えて、デッカーの最初数話は
カナタ、リュウモン、イチカの3人が実際に訓練を行い
ぶつかり合い、無事防衛隊に入隊するまで
を時間をかけてじっくり話に落とし込んであります。
成長していく姿に嫌でも感情移入してしまいます。

特にリュウモン隊員は
カナタがデッカーであることが解った上で
怪獣に送り出すシーンや、
カナタ自身の覚悟も全て汲んだ上で
最終作戦を隊長達に提案するシーン等
一番カナタを嫌悪していた筈のリュウモンが
「語らずとも互いに分かり合える存在」
にまで昇華しています。
素晴らしいです。
泣きそうになりました。見てて。

ネット上でヒロインとまで言われてたリュウモン隊員


話が脱線しました。
とにかくキャラクターに感情移入してしまいますが
(前作との落差を出す訳ではないのですが)
前作の主人公マナカケンゴの執拗な
スマイルスマイル〜!推しや
前作ナナセ隊員の擬似二重人格などの
「その設定いる?」となるような
キャラに対する精神的なストッパーになる要素がなかったのもとても良かったと思います。
(特にナナセ隊員に関しては劇中での掘り下げが皆無だったので余計に感情移入しづらかったです)

キャストの方々が仲良さそうなのも好感ある。


劇中内での伏線回収が見事

デッカーは張られた伏線の回収や
「あの時のアレがここで活かされるのか!」
となる、見てて気持ちのいい展開がとても良いです。
(わかりやすい中では
・災害用発電バッテリー「メガアース」
・デッカーの名前や由来、等)

メガアース回のエレキングは人懐こくて可愛すぎた



さらに、今作デッカーでは
その話を伏線回収で丸々一話使う訳ではなく
「その話単体で構成として面白い中で伏線も回収していき、その伏線が話の中のキーとしてつながっていく」
という、見事としか言えない話がいくつかあります。

個人的に伏線として見事だなと思ったのは
第17話「過去よりの調べ」
です。

メトロン星人、今作では上層部のお偉いさん
ムラホシ隊長が取り調べ!?隊長とアガムスとの関係を疑い、TPU内部調査局からエージェント・ナイゲル局長がやってくる。その姿に驚くカナタを尻目に、ナイゲルは隊長の嫌疑を追及していく。なぜそこまでムラホシ隊長は疑われるのか?そして、隊長の疑いを晴らす方法はあるのか!?
ウルトラマンデッカー第17話 あらすじ

この話自体、ムラホシ隊長の過去の掘り下げになっているのですが
この話のキーになっているのが
新たに紹介されるリュウモン隊員の過去
そしてリュウモン隊員自身の信念の源にも繋がっている
という見事な脚本になっています。

加えてこの話(伏線とは関係ありませんが)
メインの戦闘が夜間戦闘で見栄えが良かったり
メトロンオマージュがあり
過去のヒュドラムが出てきたり
と、サービスがとても多く
個人的にとても大好きな話になっています。

夜間戦闘のカッコよさは異常


他に個人的に見事だと思った仕掛けは
・ラスボスがエタニティコアに侵食してきたからこそ、トリガーがそのエネルギーに介入し操る事ができる、という作戦
・アガムスの詠唱(ではないですけど)が、自分の記憶を保つための物だった、が、その詠唱の羅列が実は地球に対する愛に因るものだったこと、等

ちょっと後者は上手く説明が出来ませんでした
でもあのアガムスの涙は見ていて辛かったです…。


アクションが良い

また頭の悪い見出しに…。

アクションや怪獣特撮に関してはどのウルトラマンも良いと思っています。
しかし、ここ何年かのウルトラマンの中で
ウルトラマンデッカーが持つアクションの良さ。

盾です。

最終武器が盾て。

ウルトラマンデッカーの最終形態
ダイナミックタイプで追加される武装が
(剣にも変形する)盾と知った時
拍子抜けというかガッカリ感が否めませんでした。

物語前半で手に入れた武装の剣と組み合わせると

か、かっこいい〜〜〜!!

盾で弾き、剣で斬る。
これをかっこいいと思わない男はいません。
カナタの大味な戦い方と相まって
非常に見てて爽快です。
加えてこの作品での相対する敵が
軒並み飛び道具使いなのがこの盾の評価を上げています。
なんせほぼ全員口から光線出しますからね。

さらにこの盾を展開すると刃が飛び出し
二刀流として戦えます。
男のロマンを狙い打って来ます。
凄いです。

二刀流モード。カッコよすぎる。


盾の話もしましたが
そこに至るまでの肉弾戦や
剣一本で戦っている姿
そしてとどめの光線など
どれも大振りで見応えがあるアクションでとても好みでした。

剣を振り抜く事が多い。痛そう。


少し残念な点


ここからは少し残念な点です。

ここはなんとかして欲しかったなー。
これは説明してないけどどういうこと?

のような点です。
強いて言えば、といった感じですが
一応気になったので挙げてみます。


ヤプール空間の話

劇中に
「この世の空間とは違う異次元に住み
現実世界への征服を企む異次元人」
という設定の
ヤプール人(が操る超獣)と相対します。

戦闘後の隙を狙い、ヤプール人はデッカーを
異次元に幽閉してしまいます。

空間が窓ガラスのように割れて異次元が開く演出、好き

そこをなんとか脱出することに成功したデッカー(カナタ)は
宇宙空間に投げ出されていました。

その後月での戦闘から
なんとか地球に戻ることができましたが

「異空間から脱出したら宇宙空間につながっていた」
という事の顛末がどうしても上手く頭の中で整理できないでいます。

ウルトラマンデッカーの作品内では、第一話から「スフィア」と呼ばれる宇宙生命体が作るバリアで地球全体がバリアで覆われており
地球外に出ることもできず
他の生命体や宇宙船が地球に侵入する事も出来なくなっていました。

なので、宇宙空間に投げ出されたこと自体
「アガムスによる地上制圧」を止める算段がなくなったことで大ピンチではあるのですが
それにしたって
いきなり宇宙空間に投げ出されるのはなんというか
説明不足感があります。

せめてヤプールによる
「異空間から脱出したところで
出口を宇宙空間に繋げてやったぞ!
これで地球の出来事に干渉はできまい!」
みたいな、一言でもそういった説明があると
すんなり引っかからず見れたのかなと思いました。


最終回が若干駆け足気味

ほんの少し、ほんの少しですが
駆け足気味に感じました、最終回。

具体的には
「エネルギーをデッカーに集めてもう一度変身させる」作戦を
なんとか言葉や映像にしてくれた方がよかったなと

例えば決行中に回想シーンとして追加
もしくは音声だけオーバーラップさせながら物語を展開する
みたいな形で、視聴者に説明したり。

最後の変身自体はとてもカッコよかった。

他にも、マザーの弱点をデータとして残す際
アガムスが「もし自分がやられた時、代わりにスフィアを倒し地球やバズド星に平和をもたらしてくれる者のために」
メッセージと併せた映像として残してくれたりしてると
アガムスが実はいいやつだということも隊長達に伝わり
よりアガムスが救われたのでは、と思いました。

ただ、これらの要素を詰め込みたいと思うかと言うと
尺をここから一話分増やすかというと長すぎるし
今の脚本から代わりに省くシーンがあったかと言われるとそれもなかなか難しい。

まあ「強いて言うなら」といった感じですし。


しかし、ここまではまだ「自分にとって」といった感じですが
最後の一つはそれなりに共感を得られるかと思います、見た人達にとっては。


スフィアとデッカーの関係性がわからない

これです。
知ってる人に分かる言い方で言えば

濃厚すぎた「デッカーはスフィアの力を使ったウルトラマン説」を外してきた事の肩透かし感

といった感じ。


これ、何が言いたいかと言う話をまずさせていただきます。

①アスミカナタは上述の「スフィア」と呼ばれる宇宙生命体に取り込まれた際に
その内部でウルトラマンデッカーに出会い
力を譲渡してもらう形でウルトラマンデッカーに変身しました。

②地球怪獣達が種として脅威と感じた物を攻撃する習性がある設定が後からわかり
「だからスフィアに侵食されていたものが狙われていたのか」
と劇中で納得していた中で
その怪獣にデッカー自身も狙われていました。

③最終回間際
身体をボロボロにしながらデッカーとして
ラスボスと戦うアスミカナタが
徐々に肌や腕などにスフィア系独特の模様が浮き出し
その後変身解除に追い込まれた際
砕け散った変身道具の断面がスフィア柄が見受けられました。


これらの事から濃厚とされていた考察は

劇中でスフィアの力を動力源として動くロボットがいた(そのパイロットも徐々に身体中スフィア模様に蝕まれていった)ことを踏まえて

ウルトラマンデッカーはスフィアの力で生まれたウルトラマンであり
それを後半酷使しすぎたアスミカナタが
徐々にスフィアに侵食されているんだ

という説がとても有力なものだったのですが


本編ではそこに関しては全く触れないまま終わってしまいました。

そのせいで上記の②③はまだしも
①の

なんでスフィアの中にデッカーがいて、そこから脱出できたのか

という謎が残ってしまいました。

ここだけは本当に残念というかなんとか出来たらな、という思いでした。

ですが、特撮ドラマ自体それなりに
「ある程度の矛盾はしかたない」みたいな文化ですので
そんなにキツく咎めるのも何か違うのかもとも思います。


まとめ

こんなに色々いったんですけど、
冒頭の通りやはり面白かったです。

紹介しきれませんでしたが、ウルトラマンデッカー、他にも頑張っているところはたくさんあります。

トリガーの客演の不自然さが他作品に比べて少なかったり
そもそも一話一話の構成が面白いところごあったり

とっても楽しませていただきました。

そしてこれを書いてるのがすでに金曜日というのがとても驚きです。おかしいなぁ。

文字数も5,000に届きそうです。
文章を纏める力をつけようと思った矢先なんですが、やはり圧縮はまだまだ難しいです。
もっとキチンと描けるようになりたいなと思いました。


もし、さすがにいらっしゃらないとは思いますが、
デッカーを見ずにここまで見てしまった方

2月にウルトラマンデッカーは映画を公開するので
それまでに間に合うように本編を見ていきましょう。

2/23日公開!すでに楽しみ。

ここまで見てくださってありがとうございました。
複数日にまたがって書いていますので、矛盾点やそういったものを見つけたらコメントに書いてくださると嬉しいです。

自分はこれから仮面ライダーの映画を見ようと思います。

それではみなさんさようなら。


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