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4話 河原の石ころ

僕の名前はココロ。
今日は、妹と近くの河原に冒険。
河原に行くには2つの道がある。
一つは舗装させているきれいな道。
もう一つはデコボコの砂利道。
僕が好きなのはデコボコの砂利道。
なぜなら、僕たちは冒険家だから。
舗装された道は何も出会いがない。
でも、砂利道は雑草だらけ。
虫たちの生活に挨拶したり、
小さな花を観察したり、
水たまりにジャンプして遊んだり。
冒険はこうでなくっちゃね。
遠回りしながらも、
目的の河原についたら、
妹とちょっと休憩。
母ちゃんが水筒に麦茶を
入れてくれたから二人でゴクゴク。
僕の好きなこの河原は
浅いところは太陽でキラキラし
深いところはエメラルドグリーン。
宝石のような色をしている。
対岸にはすごく大きな岩があって
僕は、いつかあの岩まで泳いで
渡ってみるつもりだ。
静かに流れる水は足をつけると
ヒヤッとして気持ちがいい。
妹が河原の石を川に投げて遊んでいる。
水しぶきが飛んできては
笑って、はしゃいでいる。
僕は石ころのじゅうたんの上で
寝転んで空を見上げる。
2羽の鳥が空で泳いでいるみたいで
気持ちよさそうだ。
大の字で空を見ながら
たまたま手に取った石ころ。
僕は空を背景に石ころをみていた。
まるで、おにぎりみたい。
よく見てみると、河原の石ころは
数えきれないくらいあるのに
一つとして同じ形がない。
丸かったり、とがっていたり
大きかったり、小さかったり。
同じ場所にあるのに全然ちがう。
でも、だからこそ面白い。

僕たちヒトも同じ。
誰一人として同じヒトはいない。
みんなちがって、みんないい。
僕も石ころ。みんなも石ころ。
みんなちがって、みんないい。
だからこそ面白い。

僕の冒険は、
まだまだ面白くなりそうだ。

僕の名前はココロ。
この日記は未来の僕に送る手紙…。

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