再び看護の世界へ...vol.3 (復職に向けて動き出す...)
わたしは、復職するタイミングを待った。
そして、本格的に動き始めた。まず、数社の転職エージェントに登録した。すぐに連絡がきた。
今までの経歴と、希望を伝えた。だいたい同じ反応だった。まず、ブランクについて聞かれる。当たり前の事だ。その理由を伝える。そのやり取りは、苦痛だった。
そして、数日すると、連絡が来た。どこのエージェントも同じような内容の連絡だった。
わたしの希望は、病院の常勤勤務。しかし、エージェントからの回答は、わたしの希望に沿うものではなかった。
どこも、今は無理だそうです。ブランクが長いので病院ではなく、クリニックや介護施設の看護師募集は、いかがですか?
だいたいそんな回答だった。わたしには、市場価値が無いんだと言われているのと同じと受け取った。
当たり前の事だと頭では理解した。
しかし、
わたし市場価値ゼロなんだ...悔しかった。
ブランクの理由を、言ったところで理解されるとは、思ってもいない。しかし、わたしには、もう、チャンスすら与えられないんだと、悲しさと悔しさでいっぱいだった。国や看護協会は、潜在看護師の現場復帰をうたっているのに...
クリニックや介護施設の看護師を否定しているわけではない。病院の常勤を希望したのは、教育プログラムのあるところで、再出発したかったから。一から出直す気持ちでいたから...
社会は厳しい。当たり前の事だ。エージェントを利用して就職すると、紹介してもらった病院は、エージェントに紹介料を払う。使えるか、続くかわからない、ブランクの長いわたしに、紹介料を払ってまで来て欲しい病院は、無いと言う事なんだと理解した。見学さえも提案されなかった。
ハローワークに行った。エージェントと変わらなかった。
わたしは、看護協会へ連絡した。復職について相談したいと伝えた。そして、看護協会へ行き、これまでの経緯を話した。
担当していただいた方に、もう看護師に戻れないのでしょうか?とわたしは、尋ねた。
担当の方は、「そんな事ありません。戻れます。」と言ってくれた。その言葉に、涙が流れた。
今も、その時の事を思い出すと、うるっとしてしまう。そして、求人票を見せてくれて、いくつかの病院へ連絡を入れてくれた。意外にも、あっさりと、「是非、見学に来て下さい、とのことです。いつがいいですか?」と、見学の調整をする事が出来た。
そして、わたしは、病院見学へ行ける事になった。
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