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成瀬は天下を取りにいく【感想】

どうも、2ヶ月振りにnoteを書きますイワハシです。

というのも数年振りに小説を読んだり、noteを始めたての頃に交流のあった人たちが最近になってチラホラと復活していたり周りの人たちの熱が蘇ってるのでは??っと色んな方面から刺激を受けたからです。

久しぶりの投稿なので、肩慣らしに刺激を受けた小説の感想から書きます。

成瀬は天下を取りにいく

普段から小説を読まれる人からすると、話題に乗るの遅すぎ!今ごろマリトッツォ食べ始めるようなもんだよって、くりぃむしちゅ上田の例えツッコミされそうですが、そのくらい小説を読まないのです。お恥ずかしい。

もうめっちゃ当たり前の感想をあえて書きますが、いや文章でこんなにおもろいんかいって思いました。動画が当たり前の時代に、その動画ですら短く短くされて、30秒台になろうとしてるのに文字でおもろいって何。

文字を書く人の片隅にいる自分としては、あ〜〜なんて正面から強い作品が生まれたんだ。そりゃ売れるわってなりましたね。何様なんだ俺。

■あらすじ

ネタバレには注意を払って書きますね。ざっくり説明すると、主人公の成瀬とその周囲の人たちからの目線で描かれる成瀬についての話で、滋賀県の大津市を舞台にした作品。

主人公の成瀬は完璧人間って感じなんですが、急にこの夏は西武に捧げようと思うとか、お笑いの頂点を目指してみるっとかやりたいことに次々、挑戦する。その挑戦に振り回させる親友の島崎からの視点や、他の同級生、成瀬に興味を持った男子生徒や小学生、父親などの視点から話が展開していく。

■今、読むのが面白い作品。

作品内での時間経過もしていきますが、コロナ禍から収束に向かう時期という設定。あれだけマスクがないだの外出するなだの大変だった時期がありましたが、もうみんな忘れかけてないですか。

あの頃ってこんな感じだったなと思い出せるタイミングってあと何年かだと思う。作品内でのリアリティを保てる賞味期限はそんなに残ってないと思うんですよね。当時の背景をリアルに思い出せる間に読んでほしいですね。

■舞台になる滋賀の解像度の高さ

作者の宮島さんは滋賀県在住ということで滋賀の生活の解像度がめちゃ高い。僕は大阪出身なので、何度か行ったこともあるし遠くに住んでる人よりは情報も伝わりやすい環境で暮らしてましたが、滋賀ってこんなところなの?って思うくらい興味が湧いてくる。

作品内で閉店する西武大津店に何日も通い詰める場面があるのですが、全く行ったこともない西武が閉店するのが悲しくなるし、自分も行っておけばよかった。まだ聖地巡礼できないだろうかと思ってしまう。

滋賀は行く時と同じ気持ちで帰って来られるのが滋賀なのよってミルクボーイが漫才のネタにしていた時は大笑いしてた場所なのに、もし今行けば「ここが成瀬がいる滋賀か」と同じ気持ちで帰って来られない気がする。そのくらいに描写が細かく、成瀬の足跡を辿りたくなる。

めちゃくちゃ滋賀をネタにしていたミルクボーイも書評を書いていたのでリンクを貼っておきます。

滋賀についてもよく書かれてますが、成瀬と島崎がゼゼカラというコンビを組んで漫才をするところもあってお笑い好きからするとそこのシーンもめっちゃいいなと思いましたね。自分も漫才してみたいって思うのがもっと早かったらな〜とか妄想してしまいます。

続編の「成瀬は信じた道をいく」も面白すぎて一瞬で読み終えてしまいました。前編を読み終えてその日の晩に気づいたら本屋に走ってましたね。

まずは一作目から読んでみてください。気づいたら二作目は買いに走ると思うのでそっちはリンクを貼らないでおきます。

<おわり>


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