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見えているものは本当に信用できる?

突然ですが、あなたは人間の視覚の落とし穴をご存知でしょうか?

目を開けているとすべてが見えている気がするのですが、実は人間の目はありのままの世界をそのまま見ているわけではありません。

今回は、見えている世界が本当に信用できるのか、錯覚や意識と視覚の関係の観点からお話ししていきます。

見えるメカニズム

まず「見える」ためにはどんなプロセスがあるのでしょうか。

目から入った光刺激は角膜→瞳孔→水晶体→硝子体の順に進み、網膜に達します。

網膜に達した光は視細胞で電気信号に変換され、その信号が視神経を通って、脳の視覚中枢に伝達されます。

このような長い経路を通って脳に伝達されてからでないと、人間はなにかを「見る」ことができないのです。

脳に伝達された電気信号をそのまま映し出すことができれば良いのですが、人間の脳は足りない情報を補ったり、多すぎる情報をそぎ落としたり、勝手に処理をしてしまうそうです。

進化の過程で、完ぺきに処理することよりも迅速に理解することが優先されたため、このようなことが起こるのですが、時にはこの脳の機能が弊害を起こしてしまうこともあります。

脳が引き起こす錯覚

足りない情報を補う

図1

左目を閉じて、右目だけで図1の画像の十字を見ながら、画面に対して顔を前後に動かしてみてください。

ある場所で右の黒い点が見えなくなるはずです。

なぜこんなことが起こるかというと、黒い点が盲点に入ったからです。

盲点は視神経が束となっていて、網膜がないため、盲点に入った光は見えなくなります。

次に、図2の画像を図1と同じ方法で見てみてください。

図2

そうすると、次は黒い点が見えるはずです。

前後に黒い線があるため、脳は「きっと繋がっているだろう」「黒い点があるだろう」と判断して、情報を補足しているのです。

このような脳機能があることを知っておかないと、学業や仕事のミスに繋がることがあります。

例えば、提案書や請求書などのドキュメントを作成する際、自分が作成したものや部下が作成したものに間違いがないか確認することがあると思います。

その時に「大丈夫だろう」「ミスはないだろう」と思って確認すると、ミスを見落としてしまう可能性があります。

いらない情報はそぎ落とす

図3

次に、図3の真ん中の赤い点をじっと見つめてください。

見つめ続けると、ある時点で青い輪が消えてしまいます。

なぜこんなことが起こるかというと、赤い点に意識が集中するため「青い輪は不必要なものだ」と脳が認識するからです。

目の前に存在していても、脳が不必要な情報だと判断したら、なかったことになってしまうのです。

恐ろしいですね(>_<)

意識と視覚

ここまで人間の視覚と錯覚についてお話ししました。
ここからは、意識と視覚についてお話しします。

あなたは、例えば「黄色のスカートが欲しいなぁ」と考えていたら、普段歩いている道沿いにあるお店で黄色のスカートが目についた経験ってないでしょうか?

これも脳の機能によるものです。

実際は、黄色のスカートはもともとお店に置いてあったのに、あなたが意識していなかったから見えていなかっただけなのです。

意識すると脳は積極的に関連情報を集めはじめるので、あなたのもとに黄色のスカートの情報がたくさん集まってきます。

脳が関連情報を集めるのは、顕在意識で考えていること、潜在意識で考えていること、どちらからも影響を受けるので、自分の感覚としては、意図していない情報が集まるときもあるかもしれません。

しかし、あなたが見えている世界はあなたが見たいと思った世界です。

目の前でほんとうはいろいろなものが見えていて、起こっているけども、人間は自分に必要な情報だけ取り入れているのです。

そう考えると、なんだか損した気分?悲しい気分?になるかもしれません。

しかし、こういう脳機能があるんだということを知っておくだけでも、一段上の世界が見えると思うのです。

まとめ

人間の目は、ありのままの世界をそのまま見ているわけではありません。

脳で勝手に情報を補足するし、見たいと思ったものしか見えていないんです!

だから、目に見えたものすべてが真実と思うのではなく、自分の思い込みで情報を補足していないか?自分の都合の良いように見ていないか?
考えることも大切
なのかもしれませんね!

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