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今週のMornin#48


葉桜の先


遅れて咲いていた今年の桜は卒業式には間に合わなくて入学式の時になんとなく時期が合っていて、きっとそういう式場では偉い人たちが引き合いに出したことだろう。遅れて咲いている桜のように、「こう」生きなさいとか大口を叩くのである。葉桜になって、そのあとまた次の春がくるまでに水面下でどんなことをしているのかもあまり考えずに、遅れて咲いたという都合のいい部分だけを抜粋してうまく利用した気になるのである。思慮するだけ無駄なことを考える季節、もとい、人生が大半なのに。無駄なことを愛したり時間を費やしたりすることが人生の楽しみの一つだと思って。

半々


今週のMornin


en route

写真の感想


「途中」という状態が好きだ。始まりでも終わりでもない、それってある意味永遠のような状態で、完成でもないからこそ現れる状態やそれを見て思う感情があってもいいと思う。どこかに行く途中、何かになろうとする途中、得ようとする途中。確か人間は何かを成し得るよりも、成し得る手前でできるかどうかわからない状態や状況の方が、ドーパミンが出るらしい、ような、そういう話も思い出す。お花が咲いている状態もいいけれど、これから咲くことが決まっている途中だとか、陸と陸を繋げる橋が出来上がる途中とか、晴れから曇りになり雨が降る途中だとか、何がいいのかわからなくてもいいけれど、そういうなんとなくいいを集めるのもそんなに悪くない趣味だろう。

写真は、新築物件のエアコンの取り付け工事中。各部屋に配管やケーブルを伸ばしているところだった。取り付ける職人さんが周りにいなくて、もしかしたらお昼休みだったのかもしれない。途中って、なんとなくいいなと思うし、そういう不完全な完成品みたいで好きだ。左側はすでに出来上がっている一戸建てで、なんとなくコントラストがある被写体でいい。オレンジの軟い柵が色のアクセントになっていて良い。全体的にローキーで一部暗いところが新築途中の入り口ドアなのがまた気味が悪くていい。

F2.0 SS1/2900 ISO640
NOKTON 35mm F1.2 X mount


栄光

顎を高く上げ、他人を蔑み、蔑みとは言わずにきっといかに自分が崇高な存在であるかという表明を多々流し晒し、最終的には期待通りにいかない周りに対して不満をぶちまける。やめるといったことをやめない、典型的だと言われればそうかもしれないけれど、なかなか可愛げのない行為である。かなりの自戒でもあるけれど、どこぞやの李徴のように“臆病な自尊心”と“尊大な羞恥心”が、いつ、どこに、どれくらい、増えたり減ったりの変化を見逃さずに、見て見ぬ振りをしないように、なんとか過ごしていきたいものだと思う。

sudden

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夏はアイス、秋は焼き芋、冬はおでん、春はさくらもちを食べます