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涙にツイート


蒼い涙 こぼれた

コロナの世界で こぼれた

2020年2月からというもの ボクたちは影の谷を歩いてきた

赤い涙が 続いた

東ヨーロッパの 戦場の地下室

コンクリートの壁のヒビを映して 名も知らぬ人の頬をつたった

歩いて 歩いて 歩いて 国境へ向かう人たちを見て 想った

3000年前 イスラエルのソロモン王が記した バイブルの一節

私はこの地上で行われている虐げの行為全てに注意を向けた。私は虐げられている人たちの涙を見た。彼らには慰めてくれる人がいなかった。彼らを虐げる人たちには力があり,彼らには慰めてくれる人がいなかった。

人類が目にして来たもの そして 今ボクたちが見ているもの それは 時代に刺さった深い楔 色濃く滲む 罪という刻印

人々が泣いている 

  小さなカバンに望みを詰めて 家も仕事も後にして 列車に乗った

  レールよ 目的地まで ずっと続けよ そして命をつないでおくれ 

ニュースがつたえる 異国の人たちの 途轍もない涙が 「涙の世界の不思議な扉」を開けてみるよう ボクをそっと押した

涙とは 何だろう


NY風の窓


涙は3種類に分かれていて・・・

消毒し感染を防ぐリゾチームと呼ばれる殺菌剤が含まれていて・・・

ひとつ

基礎分泌性の涙  目を潤して保護するために

ふたつ

反射性の涙  目に刺激性の物が入った時 玉ねぎを切ったり あくびをした時

そして

みっつ

情動性の涙  感情が高ぶった時

なぜかこの涙には

反射性の涙より24%高い濃度のタンパク質が含まれているという

プレッシャーの下で心を守るために有害な物質や余分な物質を体外に排出しているのでは という専門家もいる

涙の成分中に ストレスを感じると体内に蓄積されるプロラクチンというホルモンが含まれているのは そのためだろうか・・・

その一粒が教えてくれることがある

多くの場合 泣くことで人は 

絶望の淵で 持ちこたえ 踏みとどまる強さを得る

嵐のあとの草木に似て

折れて なお そこに 在る

台風の目の そこだけのぞく青空のように

嵐の中で 嵐を 人は じっと見つめて 前を向く


アスファルト 花いちもんめ


涙には もうひとつの 作用がある

一瞬で 見る人の反応を引き起こすチカラ

涙は 笑顔と同様 人間の共通言語として 世界中どこでも通用する

キミの悲しみの涙を

見て見ぬふりをすること だれができる

涙ながす人のとなりに 肩を貸す人

使徒の綴った書簡の一節にこうあった

喜ぶ人と一緒に喜び,泣く人と一緒に泣きましょう。

そこには ねたみも うぬぼれも 優越感も ない 

あるのは 他者のさいわいを願う 優しい気持ちだけ

人が人を 支える

痛みを和らげる共同作業によって 涙の目的は果たされてゆく


椅子の会話


それで今 あきらめてはならない

ボクたちは 明日へ向かおう

生きることには 意味も目的もある のだから

ボクたちは 明日へ向かおう                                                                               

涙を流しながら種をまく人は,
歓声を上げて収穫する。
種が入った袋を持ち,泣きながら出ていく人は,
必ず穀物の束を抱え,歓声を上げながら帰ってくる。


だから今 考えたい

涙に込められた 気持ちの意味を

人に特有の この感情の深さは どこから来たの

ホモ・サピエンスが 自力で獲得したとでも言うの

涙の成分とその働きは 「すみません 知りませんでした」ではすまされないほど見事だし

涙を流すための人体の造りと感情の連鎖反応は 神秘そのものだから 

それは 与えられたものであるはず

万物の創造者なる神さまが 与えてくれた 深さであるはず

だとすれば・・・

涙について 人が泣くことについて 神さまからの手紙であるバイブルに たくさんの記述があるのもうなづける

では・・・

感情ゆたかな神さまは どんな理由で 人が涙を流せるようにしたのだろう

この先 どうするつもりで おられるのだろう

想像するには及ばない

バイブルの分厚いページに

紡がれた人間の歴史物語のエンディングに 

こう書かれている

「見なさい! 神の天幕が人々と共にあり,神は人々と共に住み,人々は神の民となります。神が人々と共にいるようになるのです。 神は人々の目から全ての涙を拭い去ります。もはや死はなくなり,悲しみも嘆きも苦痛もなくなります。以前のものは過ぎ去ったのです」。

美しい言葉

・・・ではあるが

「これは天国のコトでしょ」と思う人がいるかもしれない

気になるのは 「もはや死はなくなり」という言い回しだろう

何かがもはやないというコトは 以前にはそれがあったというコト

天国には 初めから 死はない

人が死ぬのは 地上だけ 

涙をながすのも この地上

そう

この言葉によれば

もうすぐ

その時が来て この地上から 

「全ての涙」が拭われる

蒼い涙 こぼれても 

赤い涙 続いても

たとえキミの涙が どんな悲しみの色合いを帯びているとしても

神さまは 必ず 拭い去ってくれる

その手に握りしめた ハンカチーフで 

そっと。


天窓


( ;∀;)

ボクらが住んでいる古いビルの 

埃だらけの天窓です

一条の光が

射し込んでいます


 注記:本文中の太字の部分はすべて聖書(新世界訳)からの引用です。 上から順に、伝道の書4章1節; ローマのクリスチャンへの手紙12章15節; 詩編126篇5,6節; ヨハネへの啓示21章3,4節。




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