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殺人動機・note。令和版も読んでみたい人間の妄執の怖さ

西澤保彦「聯愁殺(れんしゅうさつ)」読了。

ロジックの傑作と言われてるのを見たけど、

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ロジックの前に漢字選びが独特すぎて断念しそうになった。

主要登場人物のほか、他の被害者はもちろん、近所のおばあさんまで難解苗字で描かれていて…いらぬストレスを感じた。

無能な読書(私)はいらないと言わんばかりに、馴染みの薄い漢字が多かった…。

内容が内容なだけに「肥大な自意識を感じます。漢字に対してコンプレックスがどーたらこーたら…」と推理ごっこをしたくなる。

重版が重ねられていた「聯愁殺」。私の手元にはご5刷目。初版は2010年。えっ!

読者投稿に名前と住所が載る時代って、たかだか10年位前なのか…。

読みながら、もっともっーと昔の話だと思っていた。怖い。

個人情報は守られる様になったけど、それ以上にSNSが発達して、たくさんの投稿が溢れている令和。ユーザーによっては個人情報に危機管理能力0の人もいる。あぁ怖い。

芸能人に対しての誹謗中傷が問題になっている。自殺者も出ている。

より「聯愁殺」の世界が濃くなっている気がした。おのおのの承認欲求も高まっているし、令和版の殺意がどこかで生まれている。

漢字や時代設定に抵抗を感じたけれど、物語の本質はまさに今も続いている。ラストの賛否両論も含めて、今読んでも十分楽しめた。

ただちょっと人間の闇に疲れたから、笑える小説を挟もうかな(笑)。

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