1166バックパッカーズでの生活
長野県長野市で過ごした3週間のうち、2週間は善光寺の近くにある1166バックパッカーズというゲストハウスで寝泊まりしていました。
(長野県に行くことになった経緯・長野県1日目はこちらから)
長野に行く前、ゲストハウスで住み込みをするのは全く想定していませんでした。
1166バックパッカーズとの出会いから、そこでの出来事をまとめてみました。(長いですがよければ最後まで見てください😇)
偶然に偶然が重なった織絵さんとの出会い
長野に来た翌日。目的なく昨日訪れた場所や善光寺の周辺をひたすら歩いて散歩した。
柿次郎さんにオススメされていたお店の中に『1166 バックパッカーズ』(以下:1166)というゲストハウスがあった。ゲストハウスを開業するってどんな感じだろうか。もしオーナーさんがいたら話してみたい。目的のない散歩をやめて1166に行ってみることにした。
宿泊する予定でもないのに行って良いのかなと思いつつ覗いてみると、中にいた女性が出迎えてくれた。オーナーの織絵さんだった。
普段店番はスタッフの方がされていることが多いそうで、たまたま織絵さんにお会いできたのは奇跡だった。
中に入ると、温かみのあるラウンジが広がっていた。
自己紹介をして、長野に来た経緯や昨日からしきさんのお家に居候させてもらっている話をしたら、「朝の清掃してもらえるなら、住み込みしてもらっても構わないよ?」というまさかの提案。
当時、朝の清掃をするヘルパーを募集しており、数日したら今ヘルパーをしている人が期間を終えて出てしまうというタイミングだった。
ヘルパーは最低2週間から勤務可能で、今のヘルパーさんが出て行く日に私が入ったら、私が長野から帰ろうと予定していた日までちょうど2週間。
こんなに偶然が重なることってあるのだろうか。
ゲストハウスの清掃はその宿の印象を左右する重要なお仕事だ。
実際に1166に入ってすぐに、温かみ以外に、「すっごく綺麗だな」ということを感じた。させてもらえるなら、ちゃんと、丁寧にやろう。と決めた。
ラウンジの床は木で、机や椅子も使い込まれている。つるつるの、新品のような綺麗さという意味ではなく、「大切に使い込まれている」綺麗さがあった。
後に織絵さんと一緒に清掃した際に、「ゲストハウスは準備が9割だと思ってる。特に掃除は大事なんだよ。」とおっしゃっていました。急に現われた私に任せて下さった織絵さん、ありがとうございます!!かっこいいです!
ヘルパー初仕事
5月28日。当時1166で働かれていたスタッフさんはえみさんとひろこさんのお二人で、清掃スタッフとしてむーさんがお手伝いに来られていました。
ヘルパー初仕事の時はえみさんと二人。9時に清掃をスタートし、ベッドの縁や棚、机、ランプシェードなどあらゆるホコリがたまる箇所を拭き、シーツを剥がして洗濯し、マットレスや枕を干し、床を掃いて、拭いて、新しいシーツをセットしていく。
水回りもあらゆる場所を全て拭き、洗い、ゴミを集め、備品をセットする。
作業スペースやラウンジにお客さんがいれば、気を遣って移動することなくくつろいでもらうため、後から清掃する、お客さんと話しながらできる清掃を進めていく。動いていると真夏なのかってくらい暑くなる。
えみさんは手を動かしながらも色んなことを聞いてくれて、二人できゃっきゃと話ながらひたすら清掃。えみさんと話していると、色んな観点からの褒めをもらえて、あったかい気持ちにさせてもらえる。あんな風に、良い所を見つけて、ちゃんと言葉にして伝えられる人ってすごくいいなぁ。
1166のほっこり空間
うーみんさんとの出会い
清掃が終わって一息ついていたら、うーみんさんという常連さんが来られて、話してみたらすぐに意気投合した。
うーみんさんは滝や寺社の案内をされている方で、めちゃめちゃパワフル。
そして、年代の違う私にも「なんでなんで?」と純粋に話を聞いてくれて、最近あった面白い話から人生論のような深ーい話まで色んな話を真剣にしてくださる人。
「ここに来るとさ、自分の知らない考えとかを知れてすっごい楽しいんだよね」とワクワクした声色で話すうーみんさん。1166に泊まりに来る人と交流したいからとよく遊びに来るのだそう。
実際、藤井聡太の対局を撮るために来ましたという記者の方や松本で昔の消防団のハッピ?を買ったフランスからのバックパッカーなど、普通に過ごしていたら接点のない方と話せて、本当に楽しかった!!
ラウンジでお客さん数名が話していて、そこに誰かが新しく入ってきたら、「〇〇からきてる□□さんです」とスタッフさんが紹介してくれてすんなり会話に合流できる。
海外のお客さんも、日本のお客さんも、出かけるときには「行ってきまーす」とつぶやき、スタッフさんやそこに居合わせたお客さんが「行ってらっしゃーい」と返す。そんな状況が当たり前に起こる。
善光寺のすぐ近くに立地しているのに、観光地に泊まっているというよりシェアハウスに泊まっているような感覚。私の中では、あたたかで、暮らしているように泊まれるゲストハウスだと思っています。
スタッフさんから学んだコミュニケーション
そんなほっこり空間の作用もあってか、英語に自信があるワケではない私も1166では海外からのお客さんとも沢山お話させていただきました。スタッフさんも、もちろん全員が海外に行った経験や高い英語力があるわけではない。
けれど、「コミュニケーションを楽しもう」「何か質問されたら、どうにかして解決できるようにサポートしよう」という気持ちがにじみ出ている。
えみさんはほぼ日本語で話しているのに、なぜかお客さんはにっこにこで、話し終わった後すっきりした顔をしている。
ひろこさんは「英語勉強中です!」と伝え、分からないことを分かっている風にせずに聞く。どういうこと?今なんて言ったの?とひろこさんが聞くと、お客さんは自然とゆっくり、ジェスチャー多めに返してくれる。そのおかげで、私を含め周りの人も「そういうことか!」となる。
そんな風にえみさん・ひろこさんの本当のコミュニケーションを取っている様子を見ていたら、やっぱり語彙力や文法とかってそこまで重要じゃないんだなと再認識させられました。
一度、清掃終わりのタイミングで海外からのご夫婦がチェックアウトされるとのことで私一人でお見送りしたことがありました。
チェックアウトなので特に手続きなどはないのですが、タクシーを呼びたいんだけど…という要望が。タクシーが来るまでラウンジにはご夫婦と私の3人だけ。
とっても愛嬌のある奥さんで、私の着ていた服や旅の話について色んな質問をしてくださいました。私もなんとかつたない英語でお話しし、初めて海外の方とその場でInstagramのフォローをしあいました。
ご夫婦は笑顔でタクシーに乗り込んで1166を後にされました。
笑顔と、伝えようという気持ちで本当にどうにかなった。とちょっと強くなった気分でした😇
初の、「描いてもらう」経験
ある日私が夕方に1166に戻るとその日チェックインされたramiさん(ramiは活動名で、日本人の方です)という方がいらっしゃいました。お話していると、長野県立美術館でご自身の作品の展示があるため来られたとのことでした。
控えめな、ゆっくりとした話し方で、学生時代のお話や普段描いている絵の話をしてくださいました。
そして、なんとその場で似顔絵を描いていただけることに…!
自分の絵を描いてもらう経験はこれが初めてで、すっごく嬉しかったです!似顔絵って、「この人には私がこういう雰囲気に見えているんだろうな」というのが分かるのが嬉しい…。
後日清掃終わりに長野県立美術館に作品を見に行きました。「ぼくがついてるよ」という作品が展示室の入り口の真正面にあって、吸い寄せられました。ほわほわしていて癒やされる作品だった…。
描いてもらった絵は今でも自分の部屋で写真立てに入れて飾ってあります😌
11月にも1166に宿泊する機会があったのですが、本当にたまたまramiさんも宿泊しに来られていて再会できました!覚えていて下さって、嬉しかったなぁ☺️
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2週間の1166での生活。
ここで住み込みさせていただいたことで知り合った方、できた経験が他にも沢山ありました。
私がヘルパーとして滞在していた時は1166の建物の取り壊しの話が上がっていましたが、無事その可能性も無くなったようでほっとしています。
今後も、私の戻れる場所の1つとしてあの形のまま残っていてくれることを願っています
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