見出し画像

国連で仕事がなくなったら取るアクション4選

【読者の想定】
・UNVやJPOで国際機関に派遣されたけど仕事ない人
・これを読んで俺をほめてくれる人
・過去及び将来の自分


国連職員として働き始めて起こる事象6選

こんにちは!ある程度時間に余裕があるこの時間を使って徒然なるままに書いているNoteですがよく同業界の人や国連職員仲間(とくに日本人スタッフ)と話題になることがあるのでまとめてみたいと思います。結論から言うと憧れの?国連職員になったはいいけどやることないみたいな状態になることがよくあります。特にHPCやJPO等働く機関が給与を支払わなくていい状態のスタッフに起きやすい現象です。そんなとき、みんなはどのようにこの状況を乗り越えてきたのか、私なりに自分の経験をベースにまとめてみようと思います。なお、自分の簡単なプロフィールやHPCのことについては以下を参照してみてください。

さて、本編に移る前に国連職員として働き始めて日本人の感覚からはあまり想像できなさそうなことをざっとおさらいしましょう。

事象1 パソコン、社員証、デスクがない

もうこれはあるある中のあるあるですね。日本の組織なら基本的には入社初日パソコン等の業務に必要な機器セットと社員証そして名刺等が容易されていることが多いと思いますが私が赴任したWFPタンザニア事務所ではまずパソコンとオフィスに入るために社員証が来るまでに約2週間、名刺に至っては自分で申請するスタイル(めんどくさくて結局作ってない)状態でした。パソコンがなくても自分のパソコンでメールみたりシステムに入ったりすることはできるので業務上問題ないのですが、そのメールアカウント等を作ってもらうにも数日かかることはあったりします。

事象2 面接した上司がいない

これも割とあるあるかと思います。着任初日に上司が出張中で2週間後まで帰ってこないというパターンならまだしもそもそも上司が異動になり、後任が来るまで数か月というパターンもあったりします。
仮に代わりの上司がいたとして、「ほんで、なんで君はうちのオフィスにいるんだっけ」というところからスタートすることもしばしば。後述しますが私は自信の直属の上司に会うまでに約2か月かかってますね。

事象3 入るはずだったプロジェクトが立ち消えてる

配属先の方針次第ですが、本来立ち上がるはずだったプロジェクトに対してのポストだったにもかかわらず、着任したらそのプロジェクトが立ち消えになっていたなどの状況もたまに聞いたりします。場合によってはオファーを受けて着任準備を進めていたのにプロジェクトが立ち消えになったのでオファー自体がなかったことになるというパターンもあったりします。

事象4 ドキュメントやデータがまとまってない

日本の組織や民間企業であればその組織のルールや個人でもそれなりに整理されたフォルダがあるでしょう。そのため、なんとなくフォルダを漁れば直近動いている案件、過去の似た案件、どのようなツールを使ってどの程度のデータがあるのかわかりはずです。一方、ワイが所属していたチームはそういうのが苦手だったため、ファイルがぐちゃぐちゃ、誰かのメールに入ってるといった状況でした。
まず、この辺を整理するだけで喜ばれるものこともありますが、オンゴーイングのプロジェクトや事業を把握するのは一苦労です。

事象5 元々言われていた仕事とまったく違うタスクを振られる

これは同僚との間でもよくジョークになるんですが、「Other tasks relevente to ○○」の部分が日常業務の大半を占めるのもけっこうあるあるです。国際機関のポストには必ずTerms of Refenrece(ToR) やらJob Description (JD) なるものがあるはずです。その文章を見て、「こういうことあるんやろなぁ」とか「この辺いまいち何期待してるかわからんなぁ」とか考えるわけですが、着任すると「えっそんなことやるって書いてあったっけ?」っていうことがよくあります。もちろん「それはToRに書かれてなかったで」とか「それならToRやら自分のwワークプラン変更してええか」とか上司と交渉できますが、小さいことなら受入ちゃうこともおおいでしょう。 

事象6 やることがないor仕事がない

ここから徐々に本題ですが、上記事象5つも相まってよく陥るのが「あれ、やることないねんけど」みたいな状況です。普段仕事で忙しくてふっとこのような状況になれば喜んでジムに行ったりカフェでさぼったりすればいいんですが、着任当初はチームにフィットしたいという思いも相まってけっこうメンタルに来るものがあります。特にオフィスで回りが忙しそうにしてるのに自分はやることないっていうはけっこうきちーですよな。
原因はさまざまですが、上司が自分が来ることを把握してなかった(面接時の上司は異動しているため)、そもそもとりあえず人手が欲しいだけでToRは適当に作った、プロジェクトが立ち消えになった等々の理由で自分がどのチームに所属しどんな仕事をするのか周りの人もいまいちよくわかってない状況はよくあります。
自分の場合、HPCを通じてWFPタンザニア事務所に派遣されましたが、諸事情により本来派遣されるはずだったフィールドオフィスではなくダルエスサラームのCountry Officeに派遣されました。そのため、本来やるはずだった仕事ができなくなった(もしくは、やりずらくなった)状態になりました。そのためざっくり派遣されてから約2か月自分の所属先とやる仕事を探す日々がはじまります。そんな経験を振り返りながらどんなアクションを起こしていったかまとめたいと思います。

とりあえず取り組んだ方がいい3つのこと

さて、そしたら一旦せっかく憧れの国際機関で働くことになってもやることがなく焦るところですが、個人的に取り組んだ方がいいことをざっとまとめておきます。基本的にはメンタル面を維持する方法です。状況は必ずしも一日で改善するわけではないのでそれまでの期間それなりに楽しく生きるためにやっておくことをお勧めします。

その1 体を動かす習慣を作る

まず、おすすめしたいのは体を動かす習慣です。近辺にいい感じのジムがあるなら定時で退社し、ジムにいきましょう。自宅でも自重による筋トレやヨガ、ズンバ、ランニング等を習慣化することをおすすめします。
私は別に精神科医でも学術的なトレーニングを受けた者でもありませんが、フィジカルが鍛えられればメンタルも安定すると信じています。
まだまだ筋トレ初心者ではありますが、私の場合ベンチプレス100Kgをあげるという目標を立ててメンタルを保っておりました。
いまではたいていのことは筋トレすれば解決すると信じています!ビバ筋トレ!

その2 おいしいごはんを食べる、お気に入りのカフェを見つける

おいしいごはんを食べることはメンタルに直結すると思います。(これまた別にアカデミックなエビデンスはいまんとこありません。)
ここで重要なのは必要な調味料が手に入るということ。もし和風の味がお好みなら最初に赴任する際にかつお出汁、醤油等少量もっていくことをおすすめします。いままで料理したことないという方は時間もあることですし、料理にトライしてみてくださいませ。
私の場合はお気に入りのカフェでゆっくりYoutube観るなりフランス語勉強するなり漫画読むなりがかなりのリフレッシュになります。
ダルエスサラームは幸いにも居心地のいいカフェがいくつかあり、仕事帰りに立ち寄ってはゆっくりしてました。いまでは新しい任地でもジムといい感じのカフェさえあれば楽しめる自信があります。

その3 友達に愚痴る

HPCやJPO等同期がいるなら同期たちに、いなければ自分の味方をしてくれる人とチャットなり通話なりして愚痴ることをためらわないでください。
もしかしたら、みんながすでに活躍している中で愚痴ることをためらうことがあるかもしれません。が、口に出すことで多少気がまぎれる場合もあります。

どうやって自分の居場所を作ったか(ケーススタディ)

その1 上司に相談する

正当法でいくならば上司に相談すべきです。Programme OfficerであるならばHead of Programmeもし、そのようなポジションがない場合はDuptyかCountry Director/representative に直訴すべきです。どうせ、そのままいてもやることないのです。怖がらずにコンタクトしてみましょう。多くの事務所ではCounrty Direcoter/Representativeはスタッフからのコンタクトを歓迎してくれるはずです。現状いま自分が困った状況であることを話、どこかのチームに所属するか仕事のある部署に異動/入れてくれるようお願いしてみましょう。上司もCountry Director/representativeも取り合ってくれない場合は本部のコンプラ担当の部署に連絡するのも手ですが、たいていの場合はその手前で状況は改善されるはずです。

その2 自分ができることリストを作って仕事を巻き取りにかかる

[その1]ついでにですが、もし所属予定だったチームやプロジェクトがなくなった場合は自分が何が得意どのようなことをしてきたかをまとめておくことをお勧めします。例えば私はパワポ2枚に自分ができること、得意なこと、スキルなどをまとめてHead of Programme(日本の組織でいう部長?)に持っていき「ワイ、居場所なくなっちゃったけどこの事務所の小規模農家支援ユニットなら活躍できると思うんご」と交渉しにいきました。HPCからの派遣という身であったため、当初のToRと違っても双方で同意があればいいこと、また、直近このユニットは人手を求めていると思われることを説明しました。
Head of Programme(HoP)と基本的に小規模農家ユニットに配属されることに同意したあと、自分でCountry Director(所長)のオフィスに行き「こうこうこういう理由で小規模農家支援ユニットに行くんご、HoPとも合意したんご」と一応の説明をして所内のプロトコル関係は済ますことができました。
そのような話をししてたのが着任2-3週間後、その当時、小規模農家支援ユニットにはHeadとなるInternational Staffが不在で数週間後に着任予定だったため、若干の待ち期間がありましたが。
このような話を少しずつ進めるなかでも時間は大量に余るので、上記のアクションと同時並行して、当時仲良くなったEnviroment AdvisorやらInnovation officerやら比較的新しく赴任した組とコミュニケーションを多めに取り会議に参加させてもらったり、資料作りの手伝いをさせてもらったりしてました。
小規模農家支援ユニットにはナショナルスタッフ2名いたのですが、二人とも国内出張続きであまり事務所におらず、この期間小規模農家支援ユニットの仕事はできてなかったです。
幸か不幸か私はExcelとパワポのスキルには自信があったので彼らのアイディアをパワポに落とし込んだりリサーチ情報をExcelにまとめたりしてました。当時はコンサル会社の新卒のような仕事やなぁと思いながらもやることがあるという状況はありがたかったものです。

その3 目先の小さなタスクを淡々とこなす

さて、着任後1か月半くらいでやっと小規模農家支援ユニット長も着任し、正式にワイの所属は小規模農家支援ユニット所属となりました。
ユニット長も着任直後でまずは現状を理解するところから、ワイは会議の議事録取ったりするところからはじめ、新しいプロジェクトのためのNGO選定・契約に係る手続き、大きめの会議のロジなどこれまた新卒でやるような仕事が多くを占めることになりますが、前述したように必ずしもすべての動きが体系的にまとまっている資料等があるわけではないためWFPがどのように動いているのかを理解するプロセスとしては役に立ったなと思います。

その4 「自分が一番詳しい」を作る

2か月たったくらいからはプロポーザル書いたり、レポート書いたりと業務時間中のやることはある状態になったわけですが個人的に一個の転機だったのはあるプロジェクトのローンチイベントのロジ業務でした。ドナーも参加するこのイベントでワイはドナー、ドナー先のWFPスタッフ、タンザニアの同僚やら外部関係者やらと連絡を取り合う日々が続き、気が付けば自分が一番このプロジェクトに詳しい、すくなくとも関係者と気軽にコミュニケーションが取れるくらいにはなってました。
イベントが終わり、いよいよプロジェクトを現地で始めるぞという段階で上司から「お前このままこのプロジェクトの主担当やってくれ」と言われるようになりそっからはアドホックに入ってくる仕事+1個のプロマネが主な仕事となっていきました。
振り返ると、コンサル時代は新卒だったこともあり基本的にプロジェクトにアサインされて、WBSというタスク管理表に自分の名前があるもの+クライアントからの要望が仕事、JICAでは入構当初から自分のプロジェクトがある状態のスタートでした。(JICA海外協力隊だとあるある?)
そのため、所属するチームもないまっさらな状態というのは個人的に初めてでメンタル的にそれなりにきついものがありましたが、①コツコツタスクで信頼を積み重ね②チームの中で一番詳しい領域を作るを行うと自分の居場所というかバリューの発揮どころが作るれるんやなと今は思ってます。

なんでもやったほうがいいvsやりたいこと重視(反省点)

自分の居場所を確保してそれなりに忙しくも楽しい生活を送ってたわけですが、個人的にはいくつかの反省点もあります。

①小粒タスクで自分のタスクスケジュールが埋まってしまっていた

WFPに着任後からとにかく仕事探しに必死だったのでなんでもやりました。そしたら、レポーティング業務だったりNGOとの契約管理、調達業務だったり大事な仕事ではあるものの自分のキャリアアップを考えたときにもう少しチームの方向性を決める仕事、チームのマネジメントにかかる仕事をしていく必要があったなと思います。次の反省につながりますが、結果的に任期終盤に「あ~いる間にこれやり切りたかったなぁ~」みたいなことがいくつか残ってしまいました。

②もっと緊急性は低いがバリューが高い仕事を進めるべきだった

これは①とほぼ一緒なのですが、対策として日々緊急性は低いがバリューの高い仕事にあてる時間を確保しようと思いました。それなりにやることが多い環境だったので、ついつい緊急性の高いタスクが終わるとリラックスして仕事に集中しない時間みたいなのがあったのですが、一日のうち1時間でも時間をさければもう少し違ったかなぁと思います。
加えて、だれからも頼まれたわけじゃない仕事の場合、自分から推進力もって周りを巻き込んでいく必要があります。そのため、自分のタスク管理の中にしっかりと入ってこないとなかなか進めることができませんでした。

③積極的にやりたい仕事に手を挙げるべきだった

それなりの積極的に仕事をしてきた自負はあるものの、やはり将来も見据えて積極的にやりたい仕事に手をあげるべきだったかなぁと思います。
もちろん、上司はチームのバランスや得意不得意をみてタスク割り振りをしたりしますし、いつもやりたいことをできるわけではないものの、将来のキャリア等を考えたうえで自分でキャリアを作っていく意識をより強くもった方がよかったかなぁと思います。

いろんな人に聞いたメンタル維持方法

比較的能筋なワイは基本的に筋トレとカフェでメンタルが維持できるのですが、ほかの友達がどんなことでメンタル維持しているのか若干リストアップしたいと思います。

  • 趣味に没頭する
    多趣味な友人が多いワイ、中には赴任地で初めてバイオリンを始める人もいました。仕事では調子が上下するのもののバイオリンは徐々に上達するのでメンタル維持にはいいようです。

  • ペットを飼う
    実はけっこう多いパターン、猫飼ってる人が多い印象です。出張や旅行の時にそれなりに調整が必要になるものの、日々猫に癒してもらってるようです。

  • 旅行に行きまくる
    このキャリアのいいところはいろんな国との距離が近くなることかと思います。アフリカ駐在組はアフリカ周辺、ヨーロッパは数千円レベルで隣国に遊びにいけるので旅行いってリフレッシュするようです。

  • 瞑想する
    自分のルーティンにメンタル維持を組み込むパターンですね。朝起きて出勤する前、業後のちょっとした時間にメンタル維持のためのルーティンを組み込むようです。

  • 楽しみな計画を立てる
    上のいくつかとかぶってますが、日本帰国旅行の計画や趣味の計画を立ててそこまで頑張るみたいな形でメンタルを維持する人も多いようです。


ほなほな、今日はこの辺で、次は実際の仕事やらキャリア方面やら語学やら書きたいと思います!

この記事が参加している募集

#仕事について話そう

110,184件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?