【読書の記録】②表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
こんにちは、shunkohです。今回はオードリーの若林正恭さんの紀行文『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』という本を紹介します。
この本はオードリーの若林さんがキューバに旅行に行った時の感じたことなどが本人の文で書かれています。(※文庫本はキューバ旅行に加え、モンゴル旅、アイスランド旅、コロナ後の東京について書き下ろされている。)本人が書いているからこそ捉え方に良さを感じる本であった。若林さんがキューバに行ったのはキューバがアメリカと国交を回復してからあまり時間が経っていないタイミングで、発展していない頃だ。本人曰くそのレアなタイミングに行っておきたかったらしい。
また、若林さんはキューバに行くにあたって日本を灰色の世界と表現した。これはきっと日本の社会のことを言っているのだろう。キューバを選んだのも陽気な人が多いということで、灰色の街から逃げるための旅行でもあったようだ。読み進めるうちになんとなく灰色の街と表現した訳がわかった気がする。それは、日本は周りの視線を異常なまでに気にして、ただ生きているという感覚。なんとなくわかるような気がした。これが若林さんが書く文章の魅力だと思う。共感出来るものが多い。だからこそ面白い。
いろんな点に気付くというのも若林さんの魅力のひとつだと思う。だからこそこの本では、いろんな人、いろんなものに対してツッコミを入れている。それがまた面白い。だからこそ芸人としてテレビに出まくっているのだろうけど。
他にも、モンゴル旅では馬乗りをマスターし、馬乳酒を飲んでも平気で現地のうどんを美味しいといっておかわりまでし、あまりにもモンゴルに馴染みすぎてモンゴルのルーツを探してしまう若林さん。アイスランド旅では、ツアー会社にほとんどがロンドンの方ですと聞いていたが思わぬところで最悪の旅になりかける若林さん、クレイジーな花火大会で命の危険を感じる若林さん、オーロラを見に行くはずが想定外のピンチに気が気ではなくなる若林さん。どれもなんだか自分もそうなるなぁなんて思ったりして読んでよかったと思えます。
そして、ある意味一番の見どころはDJ松永(Creepy Nuts)の解説の部分ではないだろうか。解説と言いつつも内容は若林さんへの感謝の手紙なのだ。それも最愛の人に送るような手紙。だがDJ松永は全てを曝け出すように書いているのだ。そしてそれは全て若林正恭のように生々しく生きようと決めたから。
自分もこの本を読んで全てを曝け出すかのように生きるのに少し憧れた。ただ、そんな簡単じゃない。それができるの人はやっぱりすごいなぁと。
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