#108 模様替え
秋晴れが続いていた時の午後に、私と妻は衣替えをした。その衣替えも終り、私たちはお茶を飲んでいた。その時「私の部屋に、机を置きたいねん」と妻が言った。30年ほど前に買った娘の学習机を使いたいと言った。娘の部屋には、学習机やベットなどがあり、整理されているが、ほとんど使われない部屋だった。「パソコンなど置くだけやから・・・これで十分や。」と彼女が言った。
早速私たちは、娘の机を運びに行った。机の裏の隅から、短くなった鉛筆や、ノートを破って作った、ちいさなメモの切れ端が何枚かでてきた。「秘密のアッ子ちゃんの鉛筆持ってきた・・・」「ええな~」とか「ねりけし、持ってきた。つかう?」「持ってきたらあかんで、(先生に)とりあげられるで・・・」。メモは、明らかに授業中に書いて友達に書いたものだった。
引き出しの中からは、新しいノートや文房具も出てきた。小さなかわいい小物の出てきた。文集も出てきた。娘の夢も描かれていた。今は、娘も二人の子供を持つ親になり、彼女は今、大阪で働いている。私たちは、片付けながら、娘の思い出話をした。
娘の机も、パソコン机にリユースすることができた。しかも、物置同然になっていた娘の部屋も、だいぶすっきりとした。しばらくの間、開けた窓から、私は遠くの景色を見ていた。 @家族 12
#子どもの成長記録
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