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【読書メモ】スタンフォードの自分を変える教室


5年以上前に一度読んだことがあるのですが,再読してみると新たな発見があったのでまとめます.



瞑想をすると,前頭前皮質への血流が増えるのです.
瞑想の練習を8週間続けたところ,日常生活において自己認識の同愛が向上し,脳で自己認識をつかさどる部分の灰白質の量が増えているのがわかりました.

瞑想により,実際に脳が変化することを説明されています.前頭前皮質への血流を促進することで,脳の潜在能力を引き出すことにつながることがわかります.

瞑想のあいだにやっていることは,まさにふだんの生活においてやらなければならないことと同じだと気付いたのです.つまり目標から遠ざかりそうになっている自分を目標のほうへ引き戻すという作業です.

瞑想では,呼吸に注意を向けます.注意が他の物事に逸れたら再び呼吸に戻すということを繰り返すトレーニングです.これは,瞑想をしている時だけでなく,日常生活のあらゆる場面で応用が効くことを本書では紹介しています.つまり,瞑想の時だけでなく,普段からも目標から離れかけている自分に気づき,ふたたび目標へ向かって軌道修正するプロセスを行うということです.


ドーパミンの作用は行動を起こすためのもので,幸福感をもたらすものではない.

ドーパミンのおもな役割は,私たちに幸せを「追い求めさせる」ことであって,私たちを幸せにすることではない.

まやかしの報酬を期待する気持ちから自分を解放すれば満足感をもたらすと信じていたものが,じつは自分を惨めな気持ちにさせる原因だったことがわかります.


お菓子やショッピング,テレビやゲームなど,これをすれば楽しい気持ちになれると思い込んでいるものはたくさんあります.これらは,ドーパミンを刺激するのですが,上述のとおり,ドーパミンは幸福感をもたらさないとのことです.気晴らしをしていたつもりが逆にみじめな気持ちになるという結果をもたらすかもしれません.

ではどのようにしてストレスを解消すればよいのでしょうか.この本では次のような,根拠のある方法を実行することを紹介しています.

米国心理学会は最も効果的なストレス解消法として,「エクササイズやスポーツをする」「礼拝に出席する」「読書や音楽を楽しむ」「家族や友達とすごす」「マッサージを受ける」「外へ出て散歩する」「瞑想やヨガを行う」「クリエイティブな趣味の時間をすごす」などの例を挙げています

逆に,最も効果が低い方法は,ギャンブル,たばこ,お酒,やけ食い,テレビゲーム,インターネット,テレビや映画を2時間以上見る,などです.

本当に効果があるストレス解消法は,ドーパミンを放出して報酬を期待させるのではなく,セロトニンやγアミノ酪酸などの気分を高揚させる脳内化学物質や,オキシトシンなどの気分をよくするホルモンを活性化させます.


自己批判はつねにモチベーションの低下や自己コントロールの低下を招きます.また,自己批判はうつ病の最大の予兆であり,うつ状態では「やる気」や「望む力」が失われてしまいます.
これに対し,自分への思いやり(自分を励まし,自分にやさしくすること)は,やる気の向上や自制心の強化につながります.
驚いたことに,罪悪感を抱くよりも自分を許す方が責任感が増すのです.

自制心を発揮したいと望むなら,自己批判はかえって逆効果とのことです.さらに,自分を許す方が恥の意識や苦しみに差なまれることなく,事実をありのままに見つめられるようになり,責任感も増すようです.


変わろうという決心は,目先の欲求を満足させるには効果的です.まだ何一つなしとげていなくても,いい気分になれるのですから.
自分の行動を変えるための具体的な努力をするよりも,みごとに変わった自分の姿を想像していい気分にひたっていませんか?

変化をもたらす過程で最もラクで気分もいいのは,変わろうと決心するときです.そのあとは苦しいことが続きます.自分の行動を変えるためではなく,とにかく落ち込んだ気分を明るくしたいがために,変わるんだという期待をいたずらにいだくような,そんなありがちなワナにはまることは避けなければなりません.


まとめ

・瞑想の時だけでなく,普段からも目標から離れかけている自分に気づき,ふたたび目標へ向かって軌道修正するプロセスを行う

ドーパミンは幸福感をもたらさない.ストレス解消には,根拠のある方法を試す

・自己批判はつねにモチベーションの低下や自己コントロールの低下を招く.自分を許す方が恥の意識や苦しみに差なまれることなく,事実をありのままに見つめられるようになり,責任感も増す

変わろうという決心は,目先の欲求を満足させるだけ.自分の行動を変えるための具体的な努力にフォーカスする






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