【読書メモ】 エッセンシャル思考
エッセンシャル思考では、自分にとって本当に大事なことだけを選択するように務める。そうすることで努力の方向性を決め、エネルギーの使いどころを必要最小限にし、最も大事なところで最大の成果をあげるということを目指す。
この本を読んで、最も重要なことは選択の大切さを知ることだと感じた。現代はインターネットを通じて様々な情報を入手できるし、ゲームや娯楽なども多種多様化している。その中で自分にとって本当に大切なことを見極め、選び取ることをしていかないと自分の持っているエネルギーや時間が様々な方向に費やされ分散してしまう。そして結果的に何事も中途半端に終わってしまうことになる。この本には自分にとって本質的な選択肢を見つけるヒントが数多く書かれている。この記事では個人的に読んで良かったと感じた部分についてまとめてみる。
・選択について
全てのことを頑張ろうとするのは一見素晴らしいことのように見えるが、結局それは自分では何一つ選べていないから全てを引き受けているということである。「全部やらなくては」と思う人は大多数のものごとが大事だと考えるが、実際には自分にとってはほとんどのものが不要で、大事なものはほんの少しもない。
他人からのお願いや指示により自分の選択が脅かされることがある。しかし、自分が大切にしていることを知り、優先順位を決めれば断ることが簡単になる。その場で相手に迎合して機嫌を取り、好印象を与えるよりも自分に誠実になり、断ることができれば相手から敬意を得られる場合がある。
断り方のレパートリーとしては①とりあえず黙る②代替案を出す③予定を確認して折り返ししますと言う などがある。
選ぶということを自分のものにすることが大事で、自分で優先順位を決めなければ他人の言いなりになってしまう。
・サンクコストについて
モノを捨てるかどうか迷ったときに「もしこれを持ってなかったら今からお金を出して買うだろうか」と問いかける
うまくいっていないサービスや事業をやめるかどうか迷ったときに「もしもまだ1円も払っていないとしたら、今からこれにお金を出すだろうか」と問いかける
以前から時間をかけて取り組んでたけど大して成果が出ないものについて「今これをやめたら何に時間とお金を使えるだろうか」と問いかける。
・睡眠について
1時間眠れば数時間の生産性が手に入ると考える。睡眠不足は優先順位をつける能力を低下させる。
・努力の質について
仕事の時給を考えて価値を測る。自分が得意なことは少ない労力で大きな成果が出せる。「ある種の努力は、他の努力よりも効果が大きい」ということを知る。
・目標設定について
目標設定を明確化する。例えば、ブラッド・ピッドはハリケーン・カトリーナに襲われたニューオリンズの復興の遅さに苛立ち、自らメイク・イット・ライト財団を立ち上げ次の目標を定めた。「ニューオリンズの下9地区に済む世帯のために、低価格で環境に優しく、災害に強い家を150戸建設する。」このように目標設定は達成が評価できるほど具体的なものにするとよい。
・失敗について
自分の失敗を認めた時、初めて失敗は過去のものとなる。失敗した事実を否定する人はけっしてそこから抜け出せない。失敗を認めることは恥ずかしいことではない。失敗を認めるということは自分が以前よりも賢くなったことを意味する。
・他人との線引きについて
他人の問題を横取りしない。本人が解決すべき問題を肩代わりするのは人助けではない。その人は問題を解決しようとしなくなり、余計に問題から抜け出せなくなる。本人の解決すべきは本人に解決させる。それが自分のためであり、相手のためでもある。
・習慣の力について
習慣の力について、同じことを複数回実行することで脳内のニューロン同士の間に新しいシナプスが生まれる。何度も反復することでシナプスの結びつきが強化され、情報の伝達がスムーズになる。そのような仕組みで、どんなことでも繰り返し実行することでどんどん簡単に実行できるようになってくる。
習慣化により脳に回路が作られるとそれまでその思考や判断に使っていた脳内のリソースが別のことに使えるようになる。
・時間意識について
人間には今という時間しかない。過去の失敗や未来への不安にとらわれるのは人としてごく自然なことだが、過去や未来のことを考える度に、目の前の大事なことが疎かになるという事実も忘れてはならない。
人生の残り時間は本当にわずかしかない。人生はあまりにも短い。それは悲しむよりも、むしろ喜ぶべきことに思える。短い人生だからこそ、勇気を出して冒険できる。間違いを恐れずにすむ。かぎられた時間の使い方をよりいっそう厳密に選ぼうとする。
・最後に
本当に大切なことを見極め、そこに最大限の時間とエネルギーを注げば後悔の入り込む余地はなくなる。その結果豊かで意味のある人生を選ぶことができ、苦痛と後悔に満ちた人生に甘んじることを避けられる。
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