【上海で聞いてきた!】1年で2000店舗を展開した中国Luckin Coffee、実際にどれほど流行っているのか?
2017年11月、中国にパワフルなスタートアップが爆誕しました。
そのスタートアップは、「アプリでしか注文をできないコーヒー屋」というコンセプトで、なんと創業期の段階で約200億円の資金調達をして、1年強で2000店舗を中国国内に展開しました。
マクドナルドが1971年に日本に上陸してから100店舗まで展開するのに5年かけたことを考えると、1年で2000店舗というのがどれほどのスピードなのかがよく分かります。
通常、拡大スピードの遅さや諸々の理由から「飲食店」というジャンルは投資家たちに好まれないと言われます。しかしながら、Luckin Coffee(中国名)は下記のようにトントン拍子で資金調達をして、世間を驚かせています。
この破壊力で2019年には4500店舗を展開し、中国国内に3000店舗がある、かのスターバックスを超えると宣言しているのだから、これはさすがにパワフルだと言わざるを得ません。
これだけの資金を集めて、Luckin Coffeeは何をやっているのか。それは「展開」と「バラ撒き」です。「展開」は、つまり店舗展開です。これがないと何も始まりません。「バラ撒き」は、クーポンのバラ撒きです。
友達に無料クーポンを送って、その友達がクーポンを使ったら自分も無料クーポンを1枚ゲットできるとか、2杯買ったら1杯無料になるとか、5杯買ったら5杯無料になるとか、そんなことをひたすらやってます。
「大手企業がよくやってる無料クーポン配布か」と言ってしまったらそこまでですが、これを数百億円単位でやってるのだからビックリです。あのPayPayですら100億円です。
さて、この驚くべき常識超えのスタートアップにはいろんな批判や賛否両論がつきまとっているようです。ただ、とりあえずのところぼくが気になるのは、Luckin Coffeeが中国現地で実際にどれほどの威力を発揮していて、どれほどのインパクトを現地の人たちに与えているのかということです。本当に流行っているんでしょうか?
これまで、インターネット上だけでなにかを爆発させて拡散させるようなスタートアップが主流だと思い込んでいた節があるぼくは、Luckin Coffeeのような、現実世界にインパクトを与える「リアルビジネス」というものに、とてつもなく震える「何か」があると感じました。しかもそれをスタートアップがやっている。
今、ぼくは会社を辞めて創業者としてスタートアップを立ち上げている最中です。サービスは検証段階なので、まだ自慢できるようなものではありません。
ただ、このタイミングでちょっとLuckin Coffeeは実際に見て体感して置かなければならないと強く感じ、すぐに商社時代に貯まったマイルを使って上海行きの航空券を購入しました。
筆者紹介:萩原 鼓十郎
1992年生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業。19歳の時にフィリピン人講師と日本人学生を繋ぐSkype英会話事業「Mango!」を立ち上げる。早稲田山岳部では主将を務め、厳冬期の剣岳などに挑戦。三菱商事に入社し、IT企画部に務める。3年ほど勤務したのち、人類未踏峰のヒマラヤ・ラジョダダ山に登頂するために退社、見事、世界初登頂を成し遂げる。宇宙ベンチャーで事業開発を学んだのち、起業。現在、シード期のスタートアップを経営中。
上海到着!探さなくても見つかる街中のLuckin Coffee
2019年3月2日 – 5日、上海に行ってきました。
上海では最も大きな中心街のひとつである人民広場の近くに宿を取りました。
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