サスティナブル・キャリアの果実は、「New Economics (新しい経済学)」という土壌で実る?
先日、「サスティナブル・キャリア」は「持続可能な社会や環境をつくることに関わるキャリア」と、「個人のなかで無理がなく、持続可能なキャリア」の交わるところにたちあらわれるんじゃないか、という話をしました。
ただ、書きながら「どこか説教くさいな」と自分でも感じてまして。なんだろう、人ごとっぽい感じというか。もう少し、地に足のついた言葉で「サスティナブル・キャリア」を説明することはできないか、と思ったんです。
そこでヒントになりそうなのが、1973年に出版された『スモール イズ ビューティフル —人間中心の経済学-』で知られる経済学者E.Fシューマッハの考え方。
シューマッハについて、Schumacher Collegeで学ぶ高野翔さんがgreenz.jpでこう説明しています。
シューマッハは、1970年当時から、経済の急速な拡大に伴い生み出されてきた成長の果実だけでなく、痛みに耳を傾けた。そして、自然環境との調和のもとに、人々の生きがいや幸せであふれる生活・仕事を行えるような、人間性をもった経済のあり方を提唱した。
現代の経済システムは、労働(コスト)を最小化し、生産や消費を最大化するシステムである。それに対して、シューマッハが目指したのは、「消費を最小化し、人々の幸せを最大化する経済のあり方」だった。
「自然環境との調和のもとに、人々の生きがいや幸せであふれる生活・仕事を行えるような、人間性をもった経済のあり方」
これはまさに「サスティナブル・キャリア」のイメージと重なります。この言葉にならえば、「サスティナブル・キャリア」とは、
「自然環境との調和のもとに、生きがいや幸せであふれる生活・仕事を行えるような、人間性をもった生き方」
だと言えます。(僕はすごく腑に落ちたんだけど、皆さんどうでしょう?)
シューマッハの提言からはじまった、「自然環境との調和を大前提に置き、人々の幸せに届く経済をつくっていく姿勢と実践」は「New Economics (新しい経済学)」と呼ばれ、大きな潮流となっていったそうです。
このような、「消費を最小化し、人々の幸せを最大化する経済のあり方」である「New Economics (新しい経済学)」こそが、「サスティナブル・キャリア」の育む土壌となるのでは、と考えています。
逆に、「労働(コスト)を最小化し、生産や消費を最大化するシステム」である経済体制の土壌の上では、「サスティナブル・キャリア」の果実は実らないでしょう。
このサスティナブル・キャリアを考えるこのマガジンでも、ひとまずは「New Economics (新しい経済学)」について追いかけて行くことになりそうです。
では、また明日!
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