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「自分を疎外しない働き方」ってどんなもの?(3)「今ここの自分」を立ち上げる。

「自分を疎外しない働き方」ってどんなもの?っていうことを考えてきました。今日はちょっとこれまでの話の整理。

▽これまでの記事はこちら
「自分を疎外しない働き方」ってどんなもの?(1)「現在が未来の手段になる」ことについて
「自分を疎外しない働き方」ってどんなもの?(2)自分が他者の手段になることについて


僕は、「自分を疎外する働き方」は次のような状態なんじゃないかな、と思っています。

(1)現在が未来の手段になっている
(2)自分が他者の手段になっている


「(1)現在が未来の手段になっている」とは、ざっくり言えば<生産性の論理>のもとで、成長をよしとし、現在は未来がより良くなるための手段という考え方がしみついており、その考え方にもとづいて行動してしまうこと。



「(2)自分が他者の手段になっている」は、これまた<生産性の論理>のもとで、「労働力」とみなす組織や社会、他者のまなざしに自分をそわせて行動してしまうこと。


このふたつを整理すると、次のような図になります。(ででんっ)


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「わたし」は、「未来-過去」、「他者-自己」という座標軸のうえで行ったり来たりしている。

この図で言うと、先ほどの(1)は「未来」に寄りすぎた状態、(2)は他者に寄りすぎた状態。

総じて「自分を疎外する働き方」は、「未来」かつ「他者」という右上の座標から、「今ここ」の自分を眺めて、行動している働き方だと言えます。

「10年後にある分野でテレビに取り上げられるくらいになるために、今は企業で修行しなきゃ!」とか、そんなかんじ。

一方で、「過去」かつ「自己」の座標から「今ここ」の自分を眺める方もいますよね。「あの時の俺が最高だった。それに比べて今の俺は…」みたいな。(昔彼女に「山中君はそのタイプだよね」と言われたことがあります。そうじゃないと信じたいのだけどなあ。)

「未来」かつ「他者」という座標に立つにせよ、「過去」かつ「自己」という座標に立つにせよ、「今ここの自分」がないがしろにされてしまう可能性がある。そうした状態で働くことを、僕は「自分を疎外する働き方」と呼んでいます。

ただし、「常にこの中心にいようぜ」と言っているわけではなくて。人は一人で生きているわけではないし、今この瞬間だけを切り取って生きれるわけもないので。

だから、「未来」「過去」「他者」「自己」の四点を接地点にして、中心「今ここの自分」をモリッと立ち上げていけるような働き方ができたら、「自分を疎外しない働き方」が実現できるんじゃないか。

言いかえれば、「今ここの自分」を手段にしないということ。

それはどうしたらできるんだろう? 

キーワードとなるのは、「ナラティブ」なんじゃないか、と思っています。それはまた次回。



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