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●ビートルズはみんなのもの (BEATLES ESSAY 16)

僕の生涯をも変えてしまった、僕にとって重大な音はたった8センチ位のテレビのスピーカーから、やってきた。ビートルズのサウンドだった.体が震える、感動してしまった.最初の頃に彼等の演奏をシングル盤で表を聴いたり、B面を聴いタリと、何回もレコードをひっくりかえしながら、毎日感動していたあの頃のスピーカーもやっぱり、ポータブル電蓄に入っていた、8センチ位のスピーカーだった.その後、僕は立派なステレオを買ってもらったが、其の音は確かに、迫力があって、嬉しかったが、かんどうする事に関しては同じだったのだ。ビートルズの音は、いい音で聴いても、たとえ、ちっぽけな音で聴いても、感動する音楽に作られているのだと思う.これをずっと子供の頃から思っていた.子供が聴いても感動する音になっているのです.クラシックの場合ではこうはいきません。それなりのいい音で聴かないとだめだと思います。ビートルズの音楽はあまりお金持ちでもなくても楽しめる音楽に出来ているのです.優しい音楽に出来ているのです.彼等のお金のない人達に優しいという態度は、とても素敵です.それは、英国本国に於ける、ビートルズのレコードのリリースを見ればよく解ります。彼等は特にお小遣いの少ないファンの為を思って、シングル盤の曲がLPでだぶる事がないように作ってくれているのです。他のグループはシングル盤のヒット曲がだいたい、アルバムのトップに入っていて、看板に鳴っていたのですから、全くビートルズは違ったのです。アメリカ盤のリリースはというと、当時アメリカにはたしか、LP,アルバムには12曲までという、決まりがありました。すると、英国盤は14曲収録ですから、2曲余る事になってアメリカは、儲かればいいという国ですから、節操もなく、あの“Rubber Soul"さえ、ばらばらにしてしまったのです。まったく、信じられません。日本盤はというと、シングル盤は恐らく世界で最もリリースされた数が多い国だと思います。ビートルズのようにお小遣いの少ない子供達の事は考えてくれなかったけど、ファンとしては其の東芝の商魂に感謝しなければなりません。ファンは沢山レコードが発売された方がいいに決まっています。そうして、英国盤と同じ曲順である(“A Hard Days Night"以降)ということはビートルズのアルバムに対する、姿勢を理解していた事になります。考え方によっては、日本盤はリリースという事に関しては、いちばんバランスがよかったかも知れません。とにかく、たくさんシングル盤やコンパクト盤(4曲入り)を出してくれて、東芝音楽工業株式会社には感謝しています。今でも時々、ポータブル電蓄でシングル盤を聴きたくなることがあります。そんな時、ポールのブートレグの“Cold Cut"のジャケットの様なポータブル電蓄が欲しくなるのは僕だけでしょうか?あんな、電蓄(古い!)があればきっとみんなほしがると思うのですが・・・

2006/12/29(金) 13:55


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