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#3 ベトナム旅行記2024:戦争と植民地の記憶

4月のホーチミンはとても暑くて、見慣れない景色を観察しながら街を歩くのはとても楽しいのだけど、強烈な日差しを受け、汗が止まらないまま歩き続けるのは老いつつある自分としてはかなり厳しかった。とはいえ、大陸の東南アジアの夏は、空気がカラッとしていて、どことなく能天気な開放感があり、その暑さが気持ちいい。ラマダン中のバングラデシュとは大違いだ。

今回のベトナム訪問のコンセプトは、「ラマダン明けで全てが停止するバングラデシュと、水かけ祭りに狂乱する東南アジアを避け、アジアの夏をのんびり楽しみつつ、ベトナムの今と昔を少し考えてみる」だ。事前にろくに勉強もせず到着してから作り上げたコンセプトだけど、現地の文化や歴史的なことを学ぶ要素を少し入れておいたことで、自分と訪問地との距離を少しだけ縮めることができたような気がする。

現地の文化、歴史を学ぶべく、ホーチミン市美術館、統一会堂、戦争証拠博物館の3箇所を滞在中に訪れた。ホーチミン市美術館はフランス統治時代に建設されたコロニアル建築を美術館に活用したもので、ベトナム近現代の美術作品が数多く展示されている。一方、統一会堂は南ベトナム時代に大統領官邸として用いられていた施設で、ベトナム戦争終結の歴史的な舞台となった建物がそのまま博物館として残されている。最後に訪れた戦争証拠博物館はベトナム戦争がいかに悲惨なものであったかを、数多くの写真を用いて、非常にシンプルな形で訪問者に訴えかけていた。

どこの美術館、博物館でも変わらなかったのは、地元の若者が着飾って、写真撮影のために集まっていることだ。ピンヒールで歩く女の子、猛暑の中ジャケットを羽織る男の子、それぞれが好きな服を着てカメラの前でポーズを取り合っていた。コロニアルな建築を背景に精一杯着飾って、きっとインスタグラムにでも載せるのだろう。

そのような無邪気な若者たちとは異なり、どの美術館、博物館も展示の内容はなかなかシリアルだ。6回目のベトナム訪問だったけれども、自らの無知さ加減に本当に驚かされた。これから訪問する人にも、オーディオガイドを借りて、一通り回って欲しい。順番はできれば、戦争証拠博物館、統一会堂、ホーチミン市美術館がいい。ベトナムの歴史および戦争の悲惨さに関して理解が深まると思う。

2日目
午前はゆっくりホテルで過ごし、近所でハノイ風フォーを食べたあと、午後からGrabでタオディエンに向かった。タオディエンは観光名所が集まるホーチミン1区から少し離れたところにある地域で、瀟洒なレストランや雑貨屋が集まる地域。一通りぷらぷらした後に、夕飯の前にMami Cocktailsで1杯、いや2杯。オリジナルカクテルがとても美味しかった。その後、食事をした老舗のフレンチは、値段の割には料理はちょっと。気のおけない友人との食事は楽しかったので、よしとする。

3日目
朝から暑い。暑い中とことこ歩いてホーチミン市美術館を目指す。ナンシーペローの戦争画なども飾ってあり、無知な自分は、随分と戦争への言及が多い美術館だなくらいに思っていた。後から振り返って反省した。美術館の後、あまりにも暑いので「チェ」を食べて少し休憩し、ホーチミンの観光名所の一つベンタイン市場を目指す。残念なことに、市場には特に興味を引くものはなかった。ランチには市場の近くで評判の良さそうな「Bếp Mẹ Ỉn」までいってみたが、混んでいたために断念。すぐに横にあるNam Giao Restaurantで食べることにした。着飾ってない感じがなかなか良いレストランで、ずっと食べたかったむし春巻きを食べれたので満足。「Bep Me In」はどちらかというと観光客向けという感じでした。

ホテルに戻って、近所のBrothers - Boutique Men's Salonで髪を切った。Express cutでVND380K(2300円程度)だったのでこれまた満足。その後、Cục Gạch Quánという小洒落たレストランで食事。花鍋を食べられると聞いていったのだけど、花鍋といっても通じず、結果として花入りの鍋を食べた。古民家を改築したレストランでお店の雰囲気がよかっただけでなく、若い店員さんが一生懸命接客してくれたのがありがたかった。

夕飯の後は、レストランの近所のピンクの教会を少し見学し、床屋の近くで発見した良さげなバーを訪れてみた。日本人のオーナーが経営しているKoheis Barというバーでホーチミンのクールを感じた。オリジナルカクテルがとても美味しかった。ホーチミンもバンコクなりにカクテルバーが増えている様子。


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