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PUBLICHACKとコロナとクラフトビール【2020年3月24日】

例に漏れず新型コロナウィルスに多大な影響を受ける。
単に疫病という現象を超えて社会の在り方を変えてくるこの事象に対してどーすんべと思う日々です。


PUBLIC HACK: 私的に自由にまちを使う - 笹尾 和宏


著者の笹尾さんとハグする機会がありました。笑
公共空間をもっと自由に使う。
きっとこのコロナ禍がなければ、へぇーの感想で終わってしまったかもしれん。

この騒動を受けて今一番思うのは、
市民の消費活動が止まってしまった途端に経済が破綻してしまう社会ってなんなんや。ということ。
このハイパー消費社会の終焉を実問題として体験する機会をいかにして活かすかってことをこの1ヶ月考えてるわけですが、
飲食ってまだましやなーとしみじみ思う。
自分自身が飲食を生業としようと思った理由が、それが絶対ゼロにならないと思ってるからです。
このコロナ禍においても、
人間はごはんを食べるし、寝て起きて生きるために必要な衛生面や健康維持に関することは全てやってるはずなのに、
仕事は減って企業の収益は減少して街は活気を失っていく。
それって裏返せば、今まで自分たちは生きるのに必要なこと以上に何かを消費して消費して消費してお互いに在って無いような価値を交換し続けることで経済や生活を維持してたんじゃないんかということ。
(ちょっと大げさな言い方かもしれんけど、大げさな言い方をするとそうなる気がする。)

4月にホセ・ムヒカの映画が公開になるので、それ観てから書こうかなーと思ってたテーマなんですが、
このPUBLICHACKの本を読んでなんとなくリンクしたので今日書きます。

この本に書かれているのは、
私たちはもっと消費を目的とせず、何かを楽しむことを目的として簡単に街なかでできること、やってみたらいいんじゃないの?
っていう目からウロコ的なHACKを実例をメインとして紹介してくれてます。
それは、人々の生活であり、街の在り方であり、新しい消費の仕方です。
(新しいというのが正しいのか、過去には当たり前だったことが今は失われてしまったというほうがいいのかも)

今までの私の感覚では、飲食店は食事を提供する場、だけでなくて人と人とが交流をして楽しむ場であるという認識でした。
だからその為に、美味しい料理があり、美味しいビールがあり、快適な空間があっておもろい店員がいるというのが正しいことのように思ってた。

でも、このコロナ禍騒動で、価値のあったビジネスが立ち行かなくなるのを目の当たりにすると、
自分が正しいと思っていた価値観が揺さぶられる気持ちになります。
百年に一度の出来事と言われても、こんなことが10年先も起こらないなんて到底思えないし、私たちは変わるチャンスなんだとも思う。

かといって、自分がやりたいことは変わらないわけです。
クラフトビールをもっと気軽に身近に飲んでもらいたい。
こういう事態になったからこそ、生活必需品になるべき、と思うわけです。

コロナウィルスに怯えて、生活や仕事を制限されても、うまいビール飲みてぇなぁという気持ちは人間にはあると思うんです。
これから先世界は大不況に突入したとしても、人々がクラフトビールを楽しみたいという欲求を満たすにはどうしたらええんやろうと。
もしくは、クラフトビールを飲むことで、なんか大変やけど明日もがんばろーぜって思えるようになるには何ができるんやろうと。

このPUBLICHACKの本を読んでそのヒントがあるような気がしたんですよね。
何をどうしたらいいかはまだちょっとわからないんですが、
例えば今お付き合いのある企業さんのとある活動のフリービールというのがあるんですが、
きっとこれまでの業界の感覚だったら、クラフトビールを無料で飲ませやがって、俺らメーカーの価値を下げんじゃねーよ、と思う人もいたと思うんです。

でもそうじゃなくて、過剰な消費や付加価値の押し付けが見直された時に、今までの経済活動では理解されなかった違う視点での価値が生まれるんちゃうかなという。めっちゃ感覚的やけど。
もっと美味いものを、もっと目新しくてステイタスになる珍しいものを、っていう過剰な消費欲求だけじゃなくて、このビールをどうやって楽しもうかなぁとか、誰と楽しもうかなぁとか、どこで飲んだら気持ちいいかなぁとかそういう、在り方に価値が移っていく。
そう考えると、自分ができることってもっと色々あんじゃないかなぁと思った次第です。
なんか当たり前のこと言ってるようやけど、それが当たり前に出来る人って正直そんないない。

クラフトビールはローカルな存在であるべきという考えも変わりません。
だから街との関わりについても興味がある。でも単純に地域密着ともなんか違う。地産地消ともちょっと違う。
PUBLICHACKも、無理に人を集めたり消費を促したり行動を強制したりしない。
ただ、もっと気持ちよく自分の生活を楽しむために、使われていない使っていい公共空間を上手に使う。
その時に、もっともっとその体験を良くするためにクラフトビールがあったらええなぁと思う。

小規模ビールメーカーとしてだけでなく、
飲食企業として今から何ができるんやろう。
宅飲み推奨とか、Zoom飲み会推奨とも違う。
考える必要はあるけど、のんびり考える時間はないかもしれない。
ただでも、この本を読んで、やってみなはれ的なやり方は学び。この社会にはもっと楽しめる可能性がある。

というわけでこの春で色々やっていきます。
お楽しみに。

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