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土と内臓 微生物が作るのはビールだけじゃない

今年はアウトプットもっとしていきたいなーと思いながら、一度下ろしてしまった腰はなかなか上げられないもの。
とは言いつつもインプットすればアウトプットもまたしたくなるもので、重たいながらも腰を上げて頑張っていきたいと思います。
岡崎さんのボイシーとか聞いてるとまぁまぁやる気出ますw

都市経営プロスクールで課題図書とレポートにしばらく追われていた間、ずっとAmazonのあとで買うに積読されていた本をご紹介。

D・モントゴメリー著書「土シリーズ」3部作の2部。
ちょっと古い本で、2016年初版なんですがいつからあとで買うに入ってたか忘れてしまってるくらい前に気になってました。
微生物のお話なので、ビール造りの延長で気になってたんだと思います。
コロナ前に書かれてる本ですが、内容的にコロナを警鐘するような箇所も多聞にあり、興味深く読めました。

結構専門的な部分も多く、邦訳がちょっと読みづらいですが、著者の体験、庭いじりからガンの克服、食生活の改善などのストーリーも相まってただの専門書を読むより全然引き込まれます。
最近読んだ「錆と人間」とか、「チョコレートの真実」とか、この手の本は結構好き。

微生物は地球上のいたるところに生息しているけど、それを人類が見れるようになったのは1674年のレーウェンフックの顕微鏡が出来てから。
さらにそこからパスツールが1854年にお酒の発酵と腐造が酵母、微生物の働きによると解明されると、微生物の歴史がスタートすることになる。

遺伝子の解析から微生物の研究が進むと、全ての生命の分類が変わってしまうことになった。
人間を含む動植物や菌類などの真核生物と、その基礎となる細菌・古細菌に分けられる。
かつての地球上で、細菌と古細菌が合体結合し、初期の単細胞生物がそのあとの生物の進化のきっかけになる。
しかし20世紀の進化生物学者の大半はダーウィンの進化論、個体間の競争の繰り返しによる種分化を支持しており、微生物の共生による進化過程は相手にされなかった。
背景に冷戦の緊張があり、相互扶助や共生協力を生命の歴史の原動力の鍵とするよりも、個体同士の競争が進化を促したとするダーウィン主義の研究のほうが支援を得やすかった。

19世紀の終わり、化学肥料の普及は農業生産の指針として確立していた。
窒素N、リンP、カリウムKを与えてやるだけで作物が爆発的に育つ。
ほとんどの研究者は土壌生物を、根絶すべき害虫と考えていた。
化学肥料はステロイド剤。
一時的に収穫量はアップするが、土壌微生物の存在が無くなっていけば、植物は土壌の栄養素を利用できなくなっていく。

土壌の中の植物の根と微生物の関係は、人間の内臓と微生物の関係と同じである。特に大腸で、微生物は栄養の吸収と病原菌への免疫のためにいる。


ビール造り、酒造りにおいて、酵母、微生物の働きが重要であることは言うまでもないわけですが、長い歴史の中で、安定して大量生産するために単離培養されて大事に扱われてきました。
パスツールの残した功績ももちろん大きい。
土壌微生物群や腸内微生物群の働きはもっともっと複雑で実はまだまだ解明されていないことの方が多い。

この本を読んでいるうちに沸々と思い出されるのはこのアニメ。

河森正治監督、音楽菅野よう子、(歌坂本真綾)、2001年作品で3DCG日本初HD制作アニメにも関わらず、ちっとも話題にならなかった名作。
当時の環境問題全部盛り合わせみたいな内容なんですが、この本「土と内臓」で書かれていることと共通するテーマも多く、久々に思い出しましたw

これからの時代の流れに合ったクラフトビール、ブルワリー経営の在り方の一つに、やはりエネルギーや副産物の循環は大きなテーマになると思います。
麦芽カスや酵母カスを使った有機肥料や土壌への循環。
今まであまり深く考えてなかったけど、この本読んでちょっと考え変わりそう。
大きな規模では逆に難しい、ローカルだからできるやり方を見つけていきたいと思います。
イメージでは、出来てる気がするんですけどね。

アルジュナ、サブスクにもないですが、久々に見ようかな。

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