ビール製造も飲食も知識労働だからこそ、箱から出る
仕事においても何においても人間関係というのは良好な方が業績や結果は出やすいものです。
とはいいつつもいつも問題になるのは人間関係。人間だもの。
うちの会社では「箱の本」なる書籍を参考にして行動指針を定めています。
過去にはブログでもちょっと書いてるんですが、
かなり売れた本なので割と知ってる方も今は多いかも?
発売当初、私はタリーズの店長で、宮前平店で業績を上げ高評価をもらって大抜擢され、忘れもしない日テレプラザ店の店長を入社2年目にして着任したのですが、それまでの店長はみんな体調不良で辞めていくハイセールス店舗といういわくつき案件でしたw
ハイセールスで多階層店舗でしんどいから体調崩すわけではなく、実はアルバイトスタッフ間の劣悪な人間関係が原因だったんですね。
その当時その店舗は、1号店だった銀座店が閉店して移動してきた創業時アルバイトスタッフの移籍を受け入れており、日テレプラザ店の既存アルバイトスタッフと壮絶なオペレーションどっちがすげーか対決を繰り広げていました。
あ、これ共謀やなってすぐわかりましたね。
共謀とは
良い人間関係が築けないとき、
人と人は敵対的な気持ちを持っていますが、
お互い自分は悪くないと思っているので、
敵対心は悪循環に陥って大きくなります。
自分が悪くない=自己正当化するためには、
相手が悪い必要があるので、
自分が正しいと主張すればするほど、
相手を陥れる必要性が発生します。
この悪循環を、単なる対立ではなく、共謀と言います。
お互いにお互いの足を引っ張りあうことで
成り立ってる関係なわけです。
これって意外なほどどこでも見る構図。
でもなかなかそれに気付かない。
この悪循環は個人個人から集団の対立に発展します。
世界中の争いも始めは小さい自己正当化から始まり、
自分の正当性を他者からも認めてもらえるように
積極的に働きかけることで争いの規模が大きくなる。
うちの会社でもよくあります。
いくら行動指針で「箱から出る」と言って言葉で理解しても、なかなか出来るもんなじゃないってことですね。
私自身も別に常に箱から出られているわけではないです。
でも、あ、今箱に入ってるわ、って気付けるかどうかは大事。
4つの箱
箱には4つの種類があります。
【優越の箱】私は勝っている、優秀だ、有能だ
→他人は自分より劣っている、無能、無関心
相手の良いことに気付けない
【当然の箱】私は~されて当然、このように待遇されて当たり前
→相手は恩知らずでひどい奴
自分は被害者だから相手は加害者であり続ける
【劣等感の箱】私はダメだ、できない、無力だ
→他人は私より優れたものを持っていて、私を蔑んでくる存在
努力しない言い訳、自己正当化のために対人関係を避ける
【体裁の箱】私はいい人だと思われたい、○○に見られたい
→相手は自分の評判を危うくするかもしれない 寛大に接する
言うべきことを言わず、対人関係を避ける
人は誰しも、
この4つの箱のいずれかの中に入っています。
相手を人として接せず、物として見たとき、箱に入ってると言います。
気の強い人、好戦的な人だけじゃなくて、
気の弱い人、争いを避ける人も、実は箱に入っていることがある。
言うべきこと、やるべきことを避けた時、
それを自己正当化するために、
相手や周りの環境が悪い必要が出てくる。
相手を人として見て、
正しいと思った行動をすると箱から出られるわけです。
そして、箱から出て初めて業績向上に集中できる。
これは主体性の基本になるマインドの持ちようだと考えてます。
知識労働は生産性、だから箱から出る
このポストでも書きましたが、
ビール製造も飲食サービスも、
肉体労働から知識労働、感情労働にシフトしてきました。
ただモノを作っていればいいのではなく、
DXやAIを使って生産性を高め、
顧客にもっと新しい価値を創造する必要があるわけです。
このパラダイムシフトにいち早く気付き、
箱から出て業績に集中しなければ、
あなたの仕事は機械やAI、スポットワーカーに取って代わられるでしょう。
うちの行動指針は、
もう一つ「七つの習慣」もベースにしてます。
長くなるので七つの習慣についてはまた改めてしましょう。
最近読んでないからそろそろ読もうかな。
タリーズその後
タリーズのお店はどうなったかというと、
箱の本もとにみんなと話し合いを重ねました。
いがみ合っていたスタッフも
タリーズが好き、という共通の目的があることを理解しました。
箱から出て協力できる人は残り、
箱から出たけど思想が合わない人はまた異動してもらいました。
箱から出られない、理解できない人は辞めていきました。
その後、
そのお店はセールスレコードを更新して
私はその当時のNo.1店舗、
渋谷駅前の旗艦店の店長になったというお話でした。
めでたしめでたし。