洗濯

ピーピーピー

夜の9時半
君は暗い脱衣所から僕を呼ぶ

どうやら今日の仕事を終えた様だ

だけど、今日はだるいから
聞こえなかったふりをする

ドンドンドン

夜の10時
母親が僕の部屋をノックする

無言の圧力
仕方がない

シワクチャな服を1枚1枚伸ばしながら
思う
なんて無駄な時間

毎日たったの10数分だけど
積み重ねていけば、
世界の一つや二つ、救えるのではなかろうか

文明は進化しているというのに
この作業だけは変わらない

そんな事を考えながら
今日も乾燥機能がついてない
同い年のあいつに手を伸ばす

 

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