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ハピネスチームビルディング

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ITエンジニア向け月刊誌「Software Design」2022年4月号から連載している「リモートワークでも楽しいチーム開発をめざすハピネスチームビルディング」の連載記事を、本…
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記事一覧

データを基に各自で改善点を考えよう(前編)(#31)

この記事の初出は、Software Design 2024年10月号です。 データを基にした振り返り筆者のチームでは、数週間に1度のタイミングで、チームの皆で過去の出来事を振り返って、良かった点や改善点を挙げてチームを改善していく活動を「振り返り」と呼んで実施しています。 本連載の第3回で、どんな手法の振り返りをやるかを任意のメンバーに任せる方法を紹介しました。 また、第18回にて、マンネリ化を防止する施策として、自分の考えたオリジナルの振り返り手法をやることを紹介しまし

DX Criteriaでチームをアセスメントして改善点を見つけよう(#30)

この記事の初出は、Software Design 2024年9月号です。 はじめに楽しくチーム開発をするために、世の中で推奨されているプラクティスを取り入れることは有効です。 その観点で、今回は DX Criteria という企業のデジタル変革(DX:Digital Transformation)を促進するためのガイドラインを活用してチームの改善点を見つける方法を紹介します。 DX Criteria とはDX Criteria は、日本CTO協会が監修した企業のデジタル化

ワーキングアグリーメントで価値観の相互理解を深めよう(#29)

この記事の初出は、Software Design 2024年8月号です。 ワーキングアグリーメントとは今回は、チームのメンバーでお互いの価値観を共有する際に使える「ワーキングアグリーメント」という手法を紹介します。 ワーキングアグリーメントとは、チームのパフォーマンスを上げるためのチームのルールを明文化したものです。 例えば、「作成した成果物は翌日までにレビューしてもらう」「会議に遅刻しない」などのルールを決めることで、日々の業務を円滑にします。 このルール決めは、メン

モチベーション3.0を刺激するプラクティスを考えよう(#28)

この記事の初出は、Software Design 2024年7月号です。 新しいプラクティスを試行するハピネスチームビルディングの活動として、筆者のチーム全員で「新しい技術・ツール・プラクティス」を提案して試行することを本連載の第6回(以下リンク先)で紹介しました。 その活動により、これまでの連載で紹介してきた様々なプラクティスが生まれ、チームが主体的に成長し続けるようになりました。 読者の方々にも、同じように新しいプラクティスを考えて試行している人もいると思います。

会議で主体的に発言してもらえるようにする(#27)

この記事の初出は、Software Design 2024年6月号です。 会議で発言してもらいたいチームの会議で参加者に発言してもらいことはよくあると思います。 今回は、そういう会議でメンバー全員から積極的に発言してもらえるようにするための考え方とプラクティスの紹介です。 参加者から積極的に発言してもらいたい会議は色々ありますが、以下に2つの例を挙げます。 1つめはUXレビューです。 筆者のチームでは、開発中のプロダクトに対する改善点を皆で挙げる活動を行っています。 チ

コミュニティに背中を押されてチャレンジする(#26)

この記事の初出は、Software Design 2024年5月号です。 はじめに楽しいチーム開発をするためには、まず自分のエンジニア人生が楽しくあることが大切ということで、前回はコミュニティに参加することで楽しみながら成長する話を紹介しました。 今回も、コミュニティ活動を通じて成長につながるチャレンジがしやすくなる話をします。 初めての社外発表にチャレンジ数年前、筆者が社外のコミュニティに参加して間もないころ、技術記事の投稿は何度かしていましたが、社外発表については「と

コミュニティに参加して楽しみながら成長する(#25)

この記事の初出は、Software Design 2024年4月号です。 コミュニティに参加してからの変化数年前の筆者は、技術記事の投稿経験なし、社外での勉強会の参加経験なしの状態でした。 それが社外のコミュニティに参加したことがきっかけで、価値観が劇的に変わりました。 現在は、記事を書いたり、社外で勉強会を開催したりなどを楽しく行っています。 楽しいチーム開発をするためには、まず自分のエンジニア人生が楽しくあることが大切ですので、今回はコミュニティに参加することで楽しみな

マネジメントのやり方や考え方を記事に書こう(#24)

この記事の初出は、Software Design 2024年3月号です。 マネージャーは何の記事を書けばいい?「ハピネスチームビルディング」では、新しい技術・ツール・プラクティスを積極的に試行して、得た知見をアウトプット(技術記事で情報発信)する事を繰り返して、皆で楽しく成長する事を目指しています。 その中でポイントになるのが、記事を書く習慣を身につける事です。 本連載の第10回では、マネージャーがメンバーの技術記事の投稿をサポートしてアウトプットを習慣づけることを紹介しま

誰に対してもリスペクトの気持ちを持って接する(#23)

この記事の初出は、Software Design 2024年2月号です。 はじめに技術が多様になった現代では、誰に対してもリスペクトの気持ちで接して、自分の知見になる事があったら吸収しようという真摯な姿勢が大切です。 チームメンバー同士でも、いつもお互いにそういうスタンスでコミュニケーションできると、開発も楽しく取り組めるようになると思います。 リスペクトの気持ちで接しようとする際、普段の言葉づかいは少なからず影響があります。 言葉づかいとは、例えば、同じチームの後輩に対

報連相に対して毎回感謝を添えてフィードバックする(#22)

この記事の初出は、Software Design 2024年1月号です。 報連相の重要性チームの皆で楽しく円滑に開発をするためには、コミュニケーションとしての基本である報告・連絡・相談(以下、報連相)は重要です。 報連相に問題があると、非効率な方法で仕事を進めたり、間違った方針で成果物をつくったりすることで、手戻りが発生してしまい、開発生産性が低下します。 実際に、過去の筆者のチームでは、報連相に問題があることで、以下の手戻りが発生したことがあります。 成果物の作成途中で

過去を振り返るポエムを書いて、なぜ働くのかを皆に発表する(#21)

この記事の初出は、Software Design 2023年12月号です。 ポエムを書く目的チームのメンバーがお互いのことを理解し合うことは、皆で楽しく開発するために大切な要素です。 前回では、お互いの理解を深めるための施策として、ドラッカー風エクササイズを紹介しました。 今回は過去を振り返るポエムを書いて働くモチベーションについてチームの皆に発表するという方法を紹介します。 この方法は、fukabori.fm で有名な岩瀬義昌さんの『実践「最⾼のアジャイルチーム」』とい

ドラッガー風エクササイズでお互いの期待を理解する(#20)

この記事の初出は、Software Design 2023年11月号です。 各自の力をより発揮するためにチームの皆で楽しく開発するために必要な要素は色々ありますが、その1つにお互いのことを理解し合うことがあります。 メンバーがお互いに、どんな価値観を持ち、どんな期待をしているかを理解していれば、それを考慮したタスクの割り当てやコミュニケーションを行えて、各自の力をより発揮しながら楽しく開発できると思います。 今回はお互いの理解を深めるための施策として、ドラッカー風エクササ

リモートワークで新人が楽しく成長できるようにする(#19)

この記事の初出は、Software Design 2023年10月号です。 リモートワークでも新人育成はできる?筆者のチームは、リモートワーク中心の開発チームで、新人育成もリモートワーク中心で行っています。 リモートワークにおける新人育成は、コミュニケーション不足になりやすいため、スキルや業務知識を習得しづらい、職場の人間関係になじめないなどのことが起きやすいと思います。 ただ、コミュニケーション不足を補うプラクティスを行うことでその課題は解消できると考えています。 今回

自分の考えたオリジナルの振り返り手法で楽しい振り返りに(#18)

この記事の初出は、Software Design 2023年9月号です。 振り返りのマンネリ化筆者のチームでは2~4週間ごとに、チームの皆で良かった点や改善点を挙げてチームを少しずつ改善していく「振り返り」をしています。 過去の筆者のチームの振り返りは、経験の多いメンバーが多く発言し、若いメンバーがあまり発言しないという事がありました。 その対策を、本連載の第3回「ファシリテーターを皆に任せて楽しい振り返りに」で紹介しました(以下参照)。 具体的には、全員に順番にファシ