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歳は嫌でも重ねていくもの

25歳の時、よく年齢を言うと驚かれた。
「20歳くらいかと思った」と。
それからというもの、常に実年齢よりも5歳くらい若く見られた。
今なら、
うひょひょーーーいなんて言いながら、場も恥じらいもなく歓喜の舞をお披露目してしまいそうだが、

当時の私は、高校卒業後に社会に出て、すでに7年という時を大人の中で過ごしていた事もあってか、
20歳なんて青臭い女子と一緒にされた事に、
大人の女性としてのプライドを傷つけられた気分になったので、若く見られる事が大嫌いだった。

18歳の頃、バイト先の25歳の社員に軽くイジメられていた。

高校1年の時の担任も新卒2年目、25歳の意地の悪い女教師だった。

10代の頃の私にとって、この意地悪で忌まわしい25歳の女性達は、私の中でしっかりと
「あの年増め」
という醜い言葉で認識されていたのに、

いつの間にか25歳になっていた私は、
20歳という若さを嫌っていたのだ。

とある日、
そんな思いを知り合いのお姉さんに話した事がある。

「20歳くらいに見えるなんて、バカっぽいと言われているような気がして嫌なんです。」

当時40歳近い彼女を目の前にして、こんな若さを強調するような事を言ってしまうのだから、その時の私は十分に色んな意味で若かったのだと思うが、
そんな風に言う私に彼女はこう言い放った。

「歳なんて嫌でも取るんだから、どんな理由であれ若く見える事に越した事はないじゃない」

それ以来、それは私の考え方を変えてくれた大切な言葉になった。

時折、私よりずっと若い人に、年下だと思われているんだろうな、という態度を取られたとしても、気にしなくなった。

むしろ若いと言われることがどんどん嬉しい年になってくると、若く見られる事が喜びに変わっていった。

20歳の頃
もう20歳になっちゃった、という焦りを感じていた。

25歳の頃
無理をして大人になろうと思っていた最も中途半端な年頃に、自分はもう若くない、と無理矢理歳を取ろうとしていた。

30歳になり、40歳になろうとしている今となっては

私に素晴らしい言葉を残してくれた彼女の言葉が痛いくらい身に染みている。

歳は嫌でも重ねていく。
本当にそうなんだ、と感じるこの頃になってきた。


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