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五感の最難関「香り」をデジタル化

あらゆるものがデジタル化・仮想化進む中で、最難関といわれている「香り」にも明るいにおいを感じる発表がされました。

要は、
色と同じように基本の要素臭を組み合わせることで様々な香りを再現することが出来た、
という話です。

確かに色は全て3原色の組み合わせ、というのは有名な話ですが、これが香りに応用できるというのは、ある意味単純すぎて驚きです。

ちょっとWikiを使って、基礎情報を整理してみます。

(前略)
物質

においを持つ物質は約10万~40万とされるが、リチャード・アクセルとリンダ・バックの研究によると、そのうちヒトが感じ取ることができる匂い物質は1万種類程度であるのに対し、受け取る側の受容タンパク質の形は1,000種類ぐらいしかなく一対一対応でないことがわかっている。
(中略)
においと感情のつながりの強さ
医学領域における様々な研究成果により、匂いというのは他の感覚とは異なり、大脳辺縁系に直接届いていることが明らかになった。その大脳辺縁系は「情動系」とも呼ばれており、匂いは人間の本能や、特に感情と結びついた記憶と密接な関係があると指摘されている。つまり匂いは、最も感情を刺激する感覚なのだとされているのである。

出所:Wiki「におい」

と、いかに「におい」が他の五感より複雑なのかが分かります。

今回発表した研究所のサイトを覗くと、AIの主流ニューラルネットワークを使って匂いをパターン化するセンシングシステムを開発したようです。
以下に該当サイトを引用。


次にWiki引用後半部ですが、他の感覚データより脳の感情をつかさどる領域に刺激を与える、というのは興味深いのではないでしょうか?

これも、日常生活で何となくしっくりくると思います。
もしかしたら、逆算すると、人の感情を誘導する香りを開発できそうですね。(いわゆる「惚れ薬」的なものですね)


そしてもうひとつ、解析するだけでなく、においの制御が視聴覚より厄介な課題があります。

それは「時間的な影響」も結構あるということです。これも日常生活でもなんとなく感じますよね。

実はそういった課題にも果敢にとりくんでいる、研究室があります。

要は、
1ミリ秒以下の時間幅で匂いを発生させる嗅覚ディスプレイを開発した、
という話です。

これによって、人が匂いに順応するタイミングを理解することで、においを制御することが出来るというわけです。

この出力原理はインクジェットプリンタで、数ピコ(10のマイナス12乗)リットルの単位で香料を制御し、4種類の匂いを127段階の強さで射出する事ができます。
科学的な解析力もすごいですが、工学的に表現する技術もなかなかですね。
このあたりは、今回のプリンタのように既存の工学的な発明を組み合わせると面白そうですね。

いつかはスマートデバイスか体内内蔵型が実用化されて、自分の好きな香りを好きな時間に感じることが出来る日がくるでしょうね。


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