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もしも月が地球に落下したら・・・?

縁起でもないタイトルですが、今度出るSF映画「ムーンフォール」のテーマです。一世を風靡した「インディペンデンスデイ」監督の最新作で、個人的にもたのしみにしています。

タイトルが全てなので補足はいらないですが、このテーマはちょくちょくとSF作品で取り上げられます。

過去作品でパッと思いついたのは、「七人のイヴ」という作品です。
現役大統領時代のオバマさんとビル・ゲイツが推薦した事でも世界的に話題になりました。

この作者は、「メタバース」という造語を1980年代の処女作「スノウクラッシュ」で生み、実業においてもジェフ・ベゾスの宇宙事業(ブルー・オリジン)で技術アドバイザーも務めた「ニール・スティーヴンスン」です。

過去この作者を中心にNoteでも取り上げました。

まだ「ムーンフォール」は視聴してないので、「7人のイヴ」をたたきにして、月が地球に与える影響について、核心のネタバレはしない程度に触れてみたいと思います。
一部内容に踏み込んでいるので、本書を読みたい方はここでストップ頂いたほうがよいです。

「7人のイヴ」では、月がそのまま落下するわけではなく「分裂」するという設定からスタートします。
分裂の理由は科学的に解明されないまま進行します。ここは若干個人的にはもやもやしていますが、登場人物のセリフでは、「マイクロブラックホール」が通過したのでは?などが語られています。

初めの数日間は割れた月が7つになって「セブンシスターズ」とかのんきに名前を付けていたのですが、科学者からとんでもないシミュレーション結果が報告されます。(ちなみに、タイトル「7人のイヴ」の理由ははじめその例えかなと思いましたが違います。中盤で分かるので言及は避けます)

分裂した月の破片同士が衝突し、指数関数的にその数が膨らむことで地上にむかう数が増え、大体2年後には破片が地上の空を覆い、一部が成層圏を潜り抜けて地球に墜落するという設定です。
これを作中では「ハードレイン(激しい雨)」と呼び、その後数千年間は地球は灼熱の星になります。
あくまでこれは物語の初期設定で、その冷酷な事実を突きつけられて、人類はどう対応するのかがこの本の中核にあたります。

大体想像つくと思いますが、基本的には「ノアの箱舟」のごとく人類脱出計画が始まるわけです。その科学的ディテール描写や人間の利害衝突、そして最後の結末(オチ?)がこの物語の醍醐味です。(あくまで個人の感想)

この話では、話をシンプルにするためか、月の重力は分裂するだけでそのまま維持する設定にしています。(ちょっと無理がある気がしてますが・・・)

おそらくは「潮汐力」による影響を与えたくなかったのだと思います。これは良く知られていますが、海で波が生じるのは月(&太陽)の重力によるものです。
つまり、その重力が大きく変わると、海水面に大きな影響を与えます。

そのシミュレーションを記述した解説サイトも存在します。

上記サイトを借りると、今の軌道距離の3分の2まで近づくと、海面が10m上昇します。海岸線に住む10億人が被害を受けます。
さらに近づくと満潮・干潮差がはげしくなり、さらには地震の原因にあたる地層にまで影響を与えて、地球規模の災害が激しくなるようです。

あまり考えたくないシミュレートですが、今回のSF作品「ムーンフォール」はどちらかというと「月の隠された秘密」をにおわせます。
ということで、込み入ったことは考えずに、色々と犯人当て推理(もし偶然当たったらネタバレになるので割愛)を臨み楽しく鑑賞してみたいと思います。

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