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遂に2千機越え!SpaceXのスターリンク衛星の野望とは

とうとう、イーロンマスク率いるSpaceXによるスターリンク衛星が、累計2千機を超えました

もちろん打ち上げたのは自前のロケット「ファルコン9」で、下記より当日のLIVE配信が今でも視聴できます。(17:30ごろ)
余談ですが、ファルコン9は完全再生型ロケットで、今回も大西洋の着陸用ドローン船に無事帰還しています。これはこれですごい技術です。


もしかしたら、ロケットや有人飛行の話題が先行して、今回のスターリンク衛星についてはあまり知らないかもしれません。

目的をシンプルに言うと「通信サービス」の提供です。地上の通信機器が宇宙にあるといえばわかりやすいでしょうか。
日本にいるとピンとこないかもしれませんが、まだ世界を見渡すと、アフリカ大陸などネット環境が整ってない地域が多くあり、それに地上局を整備するのは結構なコストと手間がかかります。
それを宇宙から効率的にやってしまおう、という発想です。

試用版ですが、すでに同名の通信サービスを提供しており、今後は日本含めて世界各国に展開予定です。
競合でいえば、アマゾンや(ソフトバンクも出資している)One Webが挙げられますね。

実は、宇宙の産業構造を見ると、むしろ宇宙旅行よりも大半はこの通信サービスが大半です。例えば下記が分かりやすいです。

もう少し深く産業構造を知りたい方は下記の文科省が作った資料もお勧めします。

https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20210118-mxt_uchukai01-000012441_3.pdf

ところで・・・、そもそもなんで2千機もいるの?と思った方はいないでしょうか? 天気予想の衛星でいえば、大体1機か多くても10数機ですよね?

実は、今衛星で注目を集めているのは、小型(=低コスト)の衛星を大量に低軌道上に打ち上げて相互連携させる「コンステレーション」と呼ばれる仕組みです。

要は、既存衛星だと距離が遠いのとカバーできる範囲がどうしても限られてしまいます。もっといえば通信障害等へのバックアップが弱いですよね。

その既存衛星の弱みを踏まえて、通信技術を活用して小型衛星を低軌道上に配置し、相互協調してバックアップ体制も整えたものが、今ベンチャーを中心に進められています。

ちなみに、日本はすでにブロードバンド主流なのであまり関係ないと思われるかもしれませんが、KDDIがSpaceXと提携発表したのをご存じでしょうか?

要は、大手ですら賄えない通信環境の悪いエリアを補完してもらう意図ですが、このように宇宙ならではの強みは既存の補完としてもビジネスの可能性を秘めています。

宇宙はすでに人類のロマンだけでなく、実業として注目の新産業です。

我々が普段ネットでつなぐときに、いつかは宇宙を経由しているのかもしれませんね。そう聞くと、より宇宙が身近に感じます。

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