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バッテリー(電池)開発はますます面白くなりそう

電気の確保と環境問題で、循環的に蓄電可能なバッテリー(電池)はこの数年さらに注目されています。

バッテリーと聞くと日本人が開発に貢献したスマホでもおなじみの「リチウム電池」が真っ先に浮かびます。

ところが最近、別の次世代電池の注目が集まっている記事を見つけました。

要は、
マグネシウム電池で、再利用可能にするためにレーザーを使う新しい仕組みが出来ているので今後期待できます、
という話です。

何となくマグネシウム電池は大昔に聞いたことがありましたが、その新しい方式(二次電池化)が開発されているようです。

ここで、電池のおさらいから。

これは電池自体を体系的に分かりやすく説明してくれているものがあるのですが、マグネシウム協会から引用しておきます。

今までも市販されていますが、二次電池利用がされてこず、今回はそのブレークスルーが出来るかも、というのが冒頭記事のポイントです。

その前に、現行のリチウム電池における課題点を列挙しておきます。

1.資源が有限(リチウム・コバルト・ニッケルなどレアメタル)
2.原材料調達工程で児童労働など社会課題
3.リサイクル時の経済・環境的な負担
4.安全性(高熱時や液漏れで発火事故など)

4はニュースでもよく聞きますね。
その流れで、リチウム電池に構造は似ているものの、極内を液体から固体にする「全固体電池」の開発競争がEVを中心に注目されています。

ただ、これでも極部にリチウム含むレアメタルを採用する限りは1~3の抜本的な課題解決には今一歩な印象を受けます。

そんなふりを受けて登場したのが冒頭記事の「マグネシウム(二次)電池」というわけです。

まず資源がなによりも海水に大量に含まれているそうで、推計1800兆トンもあるそうです。
ちなみにリチウム電池は約1億トンとのことで、長期で見るとどこかでこの資源枯渇時のシナリオも必要です。
また、その原産国の大半が、GDPで見ると低い開発途上国のため、労働面での不公平さや人権問題はあります。

一方で、今までのマグネシウム二次電池開発の壁は、再利用する際に化石燃料を消費してしまうため、経済的にも環境的にも実用化が厳しかったです。

それが今回日の目を浴びたのは、とある技術革新です。

それは「レーザを通じたマグネシウム再抽出」の仕組みを開発したからです。
冒頭記事に登場している研究者は、なんと「レーザーの専門家」です。

より詳細は、下記記事で本人がインタビューに答えてますので引用しておきます。

要は、
利用し終わった水酸化マグネシウムに、太陽光や地熱などを活用した半導体レーザーを当ててマグネシウムに再分解できる、
という話です。

上記記事で面白かったのはその経緯で、元々はレーザ核融合やロケットをレーザーで飛ばす研究に関心をもっていたが、長期的にかかるためまずは社会的な意義も含めて成果が分かりやすい、エネルギー問題に着手したとのことです。

「今の日本に必要なのは、思い切った決断」という言葉は共感します。
先行事例を問うこと自体が矛盾してますね。

個々がリスクを取りやすくなる社会になることがまずは先決なのだろうとつくづく感じました。

心からこの研究が実用化につながることを願っています。

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