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【エッセイ】「歌舞伎町の蘭社長」と教育

 ローランドの YouTube にはまって、流れで、これを作っているディレクターのソンさんに興味を持った。他にどんな YouTube を作ってるんだろう。というわけで見つけたのが、「歌舞伎町の蘭社長」だ。
 蘭社長はホストクラブPlatinaの店長で、ローランドにとっては恩師にあたる人である。この YouTube もエモい。社長が北海道の実家を出て紆余曲折あり、歌舞伎町でホストになって、やがてお店を持つまでになる。そしてようやく、10年ぶりに札幌の実家に戻るやつなんてすごい。
 両親が怒り出すかと思えば、限りなく優しくて、小さいころからめんこい子だった、なんて言ってもてなしてくれる。でも10年は長いよう、とお父さんが言って、見てたらこっちまで泣けてくる。ここまで限りなく優しい男の人っているんだなぁ、と思ってしまう。
 優しいのは蘭社長自身も同じだ。なかなか売上が上がらないホストの話をじっくり聞く。共感する。自分の時はこうしてた、なんて話をする。もちろん叱るときは叱るのだが、その前にたっぷりと愛情を相手に注いでいる。だからキツい一言もちゃんと刺さる。
 ローランドの優しさもまたこういうところからも来てるのかな、と思った。社長はもともと調理師で、自宅ではきちんと調理用品を揃えて、パスタを作ったりする。そういえば ローランドの動画にもパスタを作るシーンがあったなあ。実はこっそりローランドは蘭社長に憧れ続けているのかもしれない。
 話を戻そう。こうした人との関わり方を見ていると、教育も一緒だなあ、と思ってしまう。やっぱり駄目出しばっかりじゃ人は育たないよね。かけてくれた愛情の分だけ心が開くよね。
 しかも蘭社長がすごいのは、いくら自分が相手にやってあげたからといって、相手から今、戻って来なくてもそこまで気にしていない様子なことだ。どんなに目をかけていても、本人がホストを辞めると決めれば、その人の選択をきちんと尊重する。
 役職は違うけど、人間としては対等、という感覚が今どきで、本当に勉強になる。YouTube を見ながら、指導者として自分に何ができるのかなあ、と考えさせられた。すごい人っていろんなところにいるんだね。

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