《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.37
課題4:女性が新しいことにチャレンジしたくなるコピー
・女性の人生には、お色直しが効く。
結婚式の披露宴は、お色直しを1回はしたい。という妻の申し出は実現したのだが、ほんとは2回(計3着)くらいはやりたかったんだろうな〜。と、昔のことをふわっと思い出した。
結婚は女の人生そのものではなく、一部になった。今、女性たちは、男性への依存を減らす途上にあることは確かだろう。
専門学校の先生が、がんばって応募してくれたコピーである。若者たちと毎日過ごしている方の作品である。だが、コトバの佇まいからは、古い男性の観念で捻り出されたアイデア止まりのように読める。
女性と結婚。というキーワードの選び方が、『新しいことにチャレンジしたくなる』という課題と対立しているように思える。お色直しを例えとしながら、ブラックジョークのように使っているのか? それとも、女性という人格を語るのに、本気で結婚に関わるキーワードを選んだのか?
ご本人にお聞きしていないため、真意はわかりかねますが、私は全く推せません。
女性問題といえば、男性のパワハラ、セクハラ、入試、雇用、賃金格差、育児・家事の平等、DV、商売上のトラブル、不倫後の処遇など、毎日のように社会問題としてニュースに取り上げられている。そんな時代、女性の人生をお色直しを使って説きながら新しいチャレンジにまで思考を広げていこうとすることは、事実から目を背けているように感じられる。また、面白おかしく書いたコトバがコピーだ、と言っているようにも読めてくる。
コピーは「ベネフィットの約束」です。
受け手のことを考え、頭と心に届く表現方法で書き、意図する行動をしてもらえるように仕向けていく文章です。表現として必ずしもふざけて面白くする必要はなく、使い方を間違えれば、逆に受け手のプライドや心を傷つけてしまうことがあります。
だからこそ、受け手をよく観察して、今の状態を調べて裏付けを持ち、受け手を傷つけない丁寧な表現を心がけなければなりません。このことは広告でも、SNSやHPでも、文章表現上のモラルというべき事項ですから、「コピーの学校」受講者だけでなく、より多くの方にも実行していただきたいと思っています。
※コピーの版権・著作権等の使用に関する権利は、静岡コピーライターズクラブに帰属します。
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