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KPIとは諸刃の剣
仕事の成果や業績を管理する為にKPIを設定することが一般的です。KPIを設定すること自体は良いことですが、KPIの設定の仕方を間違えると、それはかえって逆効果になったりします。本日はそのような内容です。
KPIとは”重要業績評価指標”のことで、シンプルにいうと何かを評価する際の定量的な指標の事を指します。この予め定められた目標より上か下かで良し悪しを測る事を目的としています。詳しくはこちらを参照ください。
KPIがあると、公けにされた指標の元で成績が決まるので、公平な環境で働く事ができて嬉しいと思う人がいます。それは事実なのですが、成績の決め方が明確になってしまうが故に「成績が良ければそれで良いんだ」と思う人から順に、働く目的を見失い始めます。
例えば、「お客様の課題解決の為に必要な商品を提案しなさい」という方針の元で自由に営業をさせると、営業はお客様の課題解決を真剣に考え、本当に必要な商品を提案し、その結果業績も顧客満足度も高く維持します。
しかし、「とにかく売り上げを上げるんだ」という方針の元で売り上げをKPIに設定すると、営業はとにかく売りになる商談だけに注力することになり、業績こそ好調でも顧客満足度は下がったりします。でも、これはまだマシな方です。企業は売り上げがあってこそなので、売り上げをKPIにするのは決して悪くはないです。
残念なのは、マーケティング部の様な本部が”重点商品”の様なものを定義して、それさえ売れば評価を上げるというKPIです。こんな環境では営業はお客様の困り事などさほど考えず、とにかく重点商品を売ることだけを考えます。重点商品では解決できない課題を抱えているお客様のことは無視するのは当然のこと、重点商品では解決できない課題を抱えているお客様に本来不必要な重点商品を無理やり売付けたりします。結果、一時的には業績は上がるかもしれませんが、顧客満足度は最低になるでしょうし、近いうちに業績も下がるでしょう。
以前、この様なツイートをしました。
KPIは諸刃の剣。
— 【ササキ】働き方研究家×プロの父親 (@sasakikoji_koji) May 7, 2021
KPIを設定すると管理は楽ですが、担当者はKPIを達成する事が目的になってしまい、そんな仕事は間違いなく楽しくない。
担当者の業務は事業全体の極一部。局所的な数字だけを追うのではなく、事業全体の最適化や業績向上を意識して、新しいチャレンジを行う姿勢を忘れてはいけない。
大勢いるお客様に対して、同じ様な提案をするなんて時代は昭和の時代です。そんなスタイルは今の時代では通用しません。今は如何にしてお客様固有の条件にフィットした提案をするかが重要ですので、下手なKPIを設定するのはかえって逆効果だったりするのです。
前述の重点商品の販売本数をKPIにする事例ですが、結構多く見受けられます。何故そんなことをするのかと言うと、所謂本部のマーケティング部門が”現場をコントロールしている感を出せるから”です。シンプルに言うと、自分の存在意義を表現し易いから、そのようなKPIを設定するのです。ですが、思い出してください。本来は本部マーケティング部が評価されるのは”継続的に売り上げと顧客満足度を高めること”です。一時的にではなくて継続的にです。これさえ正しく理解していれば、下手なKPIは設定しない筈です。
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