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社内システムの使い方を誤解して起きた事件

はじめに

 おそらく多くの人、特に私生活でインターネットのサービスを使い倒した経験のある人程、気付かないうちに陥いるかもしれない罠があります。実際に起きた事件を紹介しますので、ご確認ください。

 私のインターネットとの出会いは2000年春、大学入学のお祝いとして親にプレゼントしてもらったデスクトップのVAIOがツールでした。当時はまだVAIOはソニーブランドでした。

 大学生といえば「お金はないけど時間はある」なので、無料で幾らでも楽しめるインターネットにハマりました。それこそ、2チャンネルから始まり、Flash動画を楽しんだり、WinMXやWinnyでいろんな(合法な)動画を入手して楽しんでいました。そのような時代です。

 インターネットのサービスにハマる経験は、多くの人が体験するかと思います。時代によってサービスが違うだけかと思います。Mixiにハマった、Facebookにハマった、ニコニコチャンネルにハマった、Youtubeにハマった、誰もが何かに一度はハマったかと思います。

インターネットサービスと社内システムの違い

 ここで意識したいのが、プライベートで利用するインターネットのサービスは、基本的に匿名ということです。今でこそ、FacebookやNewsPicksといった実名が前提のサービスがありますが、多くのサービスは匿名です。名前を出さなければ顔を出す事もありません。なので、自分のリアルな立場とは違うことが当たり前なので、意外と大胆なコミュニケーションをとってしまったりします。その代表例が「ネット弁慶」と「嘘つき」です。

 この「ネット弁慶」と「嘘つき」が社内システムに現れ始めています。これは、とてもリスキーな状況だと思っています。それに注意喚起するのが、このnoteの目的です。

ネット弁慶の事例

 私のチームの開発担当に40半ばの人がいますが、これが所謂ネット弁慶です。コロナになる前、まだ対面席の会議が主流だった頃は非常に大人しい人でした。しかし、コロナになり、コミュニケーションのメインがTeams(Microsoftが提供している遠隔コミュニケーションのプラットフォーム)になったら、周りの人に対して刺のあるチャットを次々と繰り返します。チャットでは対面式のコミュニケーションでは絶対言わない様な表現をついしてしまうのです。

「どうせ分からないと思うので、この件はもう終わりで良いです」
「迷惑だって言わないと分からないのですか?」

 こんな発言が日常茶飯事です。次第にこのような発言はチャットだけでなく、リモート会議でも発言するようになりました。チャットでは周りの人がスルーしていたので事なきを得ていましたが、リモートとはいえ同じ時間を共有している会議では皆器用にスルーしてくれませんので、当たり前の様に反感を買い、会議の場では責められ、結果として謝罪をして事を収めることになっていました。匿名の世界であれば責めるコメントを無視して逃げ切れたのかもしれませんが、社内システムでは逃げる事ができなかったのです。これがネット弁慶の失敗例です。

嘘つきの事例

 私が勤務しているグループ会社(日系大企業)ではYammer(Microsoftが提供している掲示板的なコミュニケーションサービス)があるのですが、そこで少し変に目立っている人がいました。あくまで自己申告ですが、前職はMicrosoftのエンジニアだったそうで、そこから日系大企業である弊社に転職されたそうです。それ自体はたいして珍しくもなく、嘘とは思えません。そんな彼が自慢げに「自分の資格をLinkedInに登録した」と書き、わざわざURLまで貼ってあったので覗きに行ったら、Microsoftだけじゃなく、GoogleやAppleやAmazonで活躍したという経歴がありました。直感で嘘だと疑ってしまいます。なぜなら弊社は日系大企業ですが、彼が所属しているのはグループ企業の中の営業部隊の会社なのです。エンジニアとしての華々しい経歴が本当なら販売会社ではなくメーカーで活躍している筈です。しかし、誰も問いただすような野暮なことはしません。

 そんな時、社内でとある大型プロジェクトが発足され、全社横断で特別優秀なエンジニアをかき集め始めました。自ら立候補する人、かつでの同僚を推薦する人、色々なルートで優秀なエンジニアがかき集められました。その中で、誰かがYammerで例の元Microsoftの彼を人事に推薦しました。

 後日、プロジェクトメンバーが発表された際に、元Microsoftの彼の名前はなく、LinkedInには華々しい経歴が削除されていました。やはり嘘だったんです。匿名のインターネットサービスで嘘をつくのはかわいいものですが、社内サービスで実名で嘘をついちゃ駄目ですよね。それ以降、彼の名前をYammerで見かけることはなくなりました。会社で働くということは信用で成り立っています。その信用を自ら放棄するのは馬鹿らしいです。

油断大敵

 如何でしょうか。読んでみると「嘘くさい」「馬鹿げている」「あり得ない」と思いませんか?私自身、書いた内容を読み直してそう感じました。ですが、2つの事例両方とも、ここ半年の内に実際に発生した事件なのです。

 インターネットを使った仕組みは気軽に使えて便利です。ですが、リモートワークなどで実際に顔を合わせない状況が長く続くと、だんだん自分の自分中心の世界で働くようになり、その結果として自分勝手な価値観で下手なアクションを起こしてしまいがちなのです。自分勝手に暴言を吐く、自分勝手に嘘をついて優越感に浸る、他にも色々な自分勝手な言動があると思います。これらの言動はおそらくリモートワークでなければ起きなかったと思います。出社していれば嫌でも周りの視線を感じることができるからです。

 ちょっとした油断でつまらない失敗をして、そんな失敗事例をいつまでも持ちながら働き続けるのは辛いですよね。そうならないためにも、インターネットサービスの利用に長けている人こそ、社内サービスで下手な失敗をしないように注意してください。


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