見出し画像

大企業かベンチャーか論争

 就職活動が盛んになる度に表題の話題が盛り上がります。ツイッター界隈では大勢の人が持論を展開していて、参考になる内容もあれば、明らかに間違っている内容もあります。でも最近は「こんな議論意味がない」という意見が多いです。でも、中には面白い意見もありますので、本日は巷でどんな持論が展開されているのかを紹介した上で、私なりの持論を紹介したいと思います。

 このnoteを書いている今現在、ツイッターにて『"大企業かベンチャーか"』というキーワードで検索し、適当にチョイスして見ていきたいと思います。ちなみに、URLを引用したり、文面を丸々コピペすると何かの問題に引っかかったり、つまらない文句を言われたりしそうなので、文面は多少変えてご紹介します。


ケース1
「大企業かベンチャーか」より「貴方の上司は誰になるの?」が100倍大事。貴方を活かすも殺すも上司次第

たしかに上司の当たり外れは社会人人生に大きな影響を与えます。でも、上司がどんな人になるのかなんて入社前に分かりようがないので、気にしても仕方ないですよね。強いていえば、上司ガチャで当たりを引くには大企業に行くのがオススメです。ベンチャーは良くも悪くも尖ってます。

ケース2
「大企業かベンチャーかどちらが良いか?」といった質問をする時点で大企業向きだと思う。他人の経験や過去から情報収集して、失敗しない決断をしたいというスタンスが大企業にマッチしてる。


 この考え方は論理的で納得性が高くて好きです。でも、成功しているベンチャーの創業者はほぼ確実に大企業出身というのも事実です。新卒で入社する会社に何を求めるか次第ではないでしょうか。ベンチャーとして活躍する野心を持ちつつも、経験や教育システムや人脈を求めてまずは大企業という考える人は多いです。

ケース3
ベンチャーか大企業で迷ってるなら大企業に行こう。ベンチャーで活躍できる人は迷わない人。


 言いたいことは分かりますし、納得もできます。注意したいのが、ベンチャーで活躍出来る人は極一部ということ。「ベンチャーで活躍できる人は迷わない人」はその通りかと思いますが、迷うことができない人もベンチャーに行ってしまいそうです。

ケース4
流行の波に乗っている時はベンチャー、流行の波に乗れていない時は大企業


 これは恐らく成果に見合う報酬を得られるか、業績悪くても安定した給料を貰えるか、ということを言いたいのだと思いますが、流行りに合わせて頻繁に転職するなんて無理ですよね。

ケース5
自分で仕事を創出する自信が無いなら大企業に行ける資格があるなら大企業に行こう。


 自分で仕事を作れるか否かは働いてみないと分からないと思うのですが、きっと最近の優秀な若い人は学生時代から起業したりするので、分かる人は分かるという意味なのでしょう。また、大企業に行ける資格があるなら大企業に行こうという表現も良くて、大企業ってなかなか入れない会社だと理解するのは大切です。

ケース6
大企業も今後はリストラの嵐だよ。大企業で5年頑張ればまた大企業に転職出来る。ベンチャーで5年頑張っても大企業に転職できない。


 大企業とベンチャーの間を転職することにフォーカスした内容で、言っていることは間違っていないのですが、転職することを前提に会社を選ぶ人はどんな会社も採用しないと思います。

ケース7
「大アタリを引きたいならベンチャー、ハズレを引きたくないなら大企業」


 たしかに大企業にはハズレは少ないです。万が一に人間関係などでハズレを引いたとしても、配置転換など簡単に出来るので、ハズレをアタリに変えることは簡単にできます。ベンチャーにはたしかにアタリとハズレが共存しているように感じられますが、実際のところ、他人が作った会社に後から参加してもアタリになれますかね?極一部でそんなケースもあるのでしょうが、かなりのレアケースな気がしますし、辛抱の期間も長そうです。

ケース8
多くの人に知ってもらいたいけど、正直、大企業かベンチャーかなんて誤差


 これははっきりと間違っていますね。大企業とベンチャーは全く違う存在です。このツイートをした人は、もしかしたら神の領域に達していて、人間の悩み全般がどうでも良いのかもしれません。

ケース9
新卒で大企業かベンチャーで迷うかもしれないけど、大企業に入っても3年以内に辞める人が1/3くらいいるので、3年後には起業なりベンチャーに行くまでのプロセスと考えれば視野が広がる。


 たしかに今は1社に勤め上げるという時代ではないです。でも、やはり最初から転職を意識した入社というのは不利ですよ。起業を目指すならともかく、最初からベンチャーを目指している人は大企業に採用されないんじゃないですかね。大企業に簡単に入社できると思わない方が良いです。

ケース10
ベンチャーの最終目標は大企業なんじゃないの?


 これは非常に同感でして、過去に同じ内容のツイートをしたことがあります。ベンチャーの人ってたまに大企業をディスるのですが、そもそも目指しているのは大企業ではないの?と思ってしまいます。

 ここで終了とさせていただきます。「大企業かベンチャーか」で検索して、ここで紹介した内容以外のツイートも沢山確認しましたが、圧倒的に多いのが「そんなこと気にしても意味がない」という意見でした。次に多いのは、大企業の方が良いという意見です。紹介した10個のケースでもそのような内容が多かったと思います。でも、ここで言いたいのが、大企業に入れることを当たり前のように思わない方が良いということです。昔ながら学歴フィルターというものがありますし、それを乗り越えた上でも簡単に入社できる訳ではありません。

 結論から言うと、多くの人が大企業かベンチャーかという論争に意味はないと悟っています。それに関しては私も同意見です。では、どういった観点で会社を選べば良いかという点については人ぞれぞれの意見があり、個性を感じます。私の考えは以前ツイートした以下の内容の通りです。

 会社を選ぶ基準は間違いなく”やりたいことができるか”ですよね。その漠然とした”やりたいこと”の解像度を少し上げて、それを実現し易い会社を選ぶ、そんな会社が何処にも無かったら自分で作る、それだけだと思います。

 でも、この考え方で入るべき会社を決められるのは相当優秀な学生さんだけで、多くの人が決められないのも事実かと思います。もしかしたらツイートで紹介した考え方は中途採用向けの考え方かもしれません。

 では、大企業かベンチャーか悩んだらどうするか。やりたいことが漠然としていて解像度を上げられない場合は、すぐに無理矢理解像度を上げるのではなくて、近い将来解像度を上げた時に順応できるように、ある程度の選択肢をカバーしている会社を選びましょう。漠然とソフトウェアエンジニアとして活躍したい場合は開発全般を手広くやってる会社、漠然と企画をやりたいなら広告代理店、といった考え方です。未来の選択肢の幅の広さを大切に会社を選びましょう。

よろしければサポートをお願いします!頂いたサポートはクリエイター活動費に活用させていただきます。