在宅勤務は権利からスキルになる

ここ数ヶ月で、大企業のオフィスワーカーを中心に急激に浸透し始めてきた在宅勤務ですが、在宅勤務の位置付けが大きく変わり始めています。今このタイミングで、その考え方を理解していないと非常に危険なので、このnoteで注意喚起をさせて頂きます。

これまでの在宅勤務

これまで長い間、在宅勤務は極一部の人のワークスタイルでした。フリーランサーは効率化重視で何年も前から在宅勤務をやっていますが、私の周りではおおよそ2013年位まで、基本的に育児や介護が必要な人が特別な勤務体系として、限定的に認められるワークスタイルでした。2014年くらいから、職場でもダイバーシティが認められる意識が広がり、個人の価値観を尊重する意識の強い会社や職場から順に、在宅勤務を特別ではない勤務体系として認め始められたと思います。

これまでの時代の在宅勤務は、あくまで従業員が会社に対し働くスタイルとして要求するものであり、会社としては比較的イレギュラーな位置付けの働き方でした。この為、在宅勤務を認めるには一定の条件を設けるのが一般的です。例えば「入社3年目以降」や「成績が”中の上”以上」といった条件があります。分かり易いですよね。自立して一人前に働ける人だけに在宅勤務を許している訳です。そんな在宅勤務の位置付けが変わり始めています。

これからの在宅勤務

決して誤解を産みたくないので最初に断っておきますが、在宅勤務は極一部の人だけが実践できる働き方です。業種柄、職種柄、在宅勤務ができない人は大勢います。それについては別のnoteにまとめていますので、そちらをご覧ください。

企画やマーケティングやソフトウェア開発といった職種は比較的在宅勤務し易い傾向があります。これらの職種の人は、これまでは従業員が会社に対し「在宅勤務をさせてください」とお願いする立場でしたが、これからは会社が従業員に「在宅勤務をしてください」とお願いすることになります。例えば転職や社内公募の面接において、人事から条件として「在宅勤務ができること」と言われる訳です。そう聞かれたら当然「できます」と回答するでしょうが「例えばこんな時はどう対処しますか?」とジャブがてら幾つか質問をして、在宅勤務に適性があるか確認されるのは明白ですよね。仮に面接をクリアしたとしても、実際に在宅勤務において見たことも無い人相手に円滑にコミュニケーションを取りながら成果を出せなければ、試用期間終了まで会社にいられる可能性は低いです。想像してみてください。今は当たり前のように在宅勤務が通用しているかもしれませんが、人間関係が構築できていない職場で一人孤独に自宅で働けますか?これは結構難易度の高い働き方だと思いませんか?

これが在宅勤務がスキルになると言う考え方です。自宅で一人できちんとアウトプットを出すことは実は難しく、それを前提に雇用されると言うのはハードルが高いことなのです。

権利からスキルに変わった世界

多くの就職面接で「英語はどの程度できますか?」「ExcelやPowerPointは使えますか?」と聞かれます。最近はプログラマーやSEの採用ではないのに「プログラミングはできますか?」と聞かれることも多いです。それらの質問と並ぶ形で「在宅勤務はできますか?」と聞かれます。これだけ聞くと簡単な話のようですが、前述の通り「在宅勤務でも一人で適切なアウトプットを出せますか?」と置き換えるとどうでしょうか。ここで「できます」と答えられるのは、それはもう立派なスキルなのです。

だからこそ、気をつけたい事

新型コロナウィルスによって世界中が大混乱となり、これがきっかけで急激に在宅勤務が広がっていますが、コロナウィルスの脅威が収束したら、2019年までのような世界に戻ると思いますか?在宅勤務が浸透した世界において、会社への出社という悪習が復活する訳がないですよね?コロナショックが収束しても、在宅勤務の波は納まりません。だからこそ、今の状況で出社している人は注意してください。こんな混沌とした状況において意地でも出社して仕事をしている人は、確実にリストラ候補です。リスク管理ができず、自己中心的で、在宅勤務というスキルが無い人を会社は保有していたいと思うでしょうか?

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如何でしたでしょうか。このnoteを読んで頂ければ、在宅勤務を努力してでも実践しないといけないという危機感を持って頂けるのではないかと思います。日本において在宅勤務が本格的に始まったのは、まだここ数週間の話です。これまで苦手だった人でも十分に挽回するチャンスはあります。今このnoteを読んだ人には、これからの世の中を生き抜く可能性が十分にありますので、積極的に在宅勤務に挑戦してください。


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