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部下の残業時間を減らす方法 その2

 部下の残業時間を削減する方法に悩んでいるマネージャーは多いかと思います。特にコロナで業績が落ち込んだ会社では、売り上げが伸びないならコストを減らすんだと安直に考え、真っ先に残業代削減を思いつき、残業時間を削減するように努めます。

 問答無用で残業時間を削減するのはお勧めできません。理由は以前に別のnoteを書いているので、そちらをご覧ください。今回のnoteは以前のnoteをご理解頂いていることを前提とした内容になっています。

 ご紹介したnoteをご覧頂ければ、盲目的に部下の残業時間を削減することの意味の無さをご理解頂けるかと思います。部下の残業時間を削減するためにマネージャーが部下の仕事を代行することが良くありますが、それは何の改善にも繋がっていないのです。残業時間を抑制するのではなく残業しなければいけない理由を潰し込むことが重要なのです。

 では、この”残業しなければいけない理由”には何があるのでしょうか。実際にマネージャーの人は部下の人に以下のように聞いてみてください。

「貴方はこれだけ残業しているけれど、なぜ残業してまで頑張るのですか?」

 私の会社での集計結果ですが、ざっと以下のような回答が出てきます。

 ①やった方が良いと言われているから(50%)
 ②なんとなくやっている(30%)
 ③大事な仕事だと思っているから(20%)

 あくまで私の職場における結果ですが、明確な意思を持って取り組んでいる人は③の回答をした人のみで、たったの20%に過ぎないのです。これ、とてもマイノリティだと思いませんか?のこりの80%は高い志など無く、ただ盲目的に残業をしているだけなのです。

 そんな80%の人達に対して残業時間を減らすことだけを伝えるとどうなるか想像付きますか?彼らは120%の労働時間で100のアウトプットを出すことに慣れてしまっています。そんな彼らに労働時間を100%にするように指示すると「ではアウトプットは80%で良いですか?」と言い始めます(正しい計算をすると83%ですが便宜上80%と表記しました)。これが盲目的に残業をし続けてきた結論です。

 では、盲目的に残業してきた人達に無駄な残業を止めさせるにはどんなアプローチが有効でしょうか。それのヒントが以前ツイートした内容にあります。

 盲目的に残業をし続ける人達には、現状行っている業務プロセスが本当に正しい業務プロセスなのかを考えさせるのが有効です。これを考えて貰うのに更なる残業が発生してしまうとしても、それは価値のある残業なので認めなければいけません。その代わりに、今の業務に対して着実に反省をして貰います。これまで脈々とやってきた業務プロセス、先輩社員から教えられた業務プロセス、上司から指示された業務プロセス、世の中の常識とされる業務プロセス、これらは本当に正しい業務プロセスなのかを自問自答させるのです。

 おそらく「今の業務プロセスは決して悪くはない」という結論に至るかと思います。ですが、ここで思考を止めさせてはいけません。部下の言い分に対して「何故そう思うのですか?」と問いかけ続けましょう。どんなことを言われても「何故?」と問い続けます。「何故だろうね」と一緒に考えても良いと思います。厳しい質問をすることになるので、パワハラにならない様に慎重に対応することが重要です。ですが、これを続けると常識を疑わせることができる様になります。「何故?」を続けることで、盲目的に行動してきた事を客観しさせることができるのです。

 ここまでできたら残業時間削減はもう目の前です。「何故?」との問いに対して「なんでだろう・・・」となった要件に対して、マネージャーが「それは過去の正解だからですよ」と答えてあげましょう。勿論、過去に正解とされていた理由と、現代では正解ではない理由も添えてください。これを伝えられれば、現代における正解を導けるはずです。難しそうだったら手伝ってあげてください。

 このプロセスを経る事で、部下は自分の業務プロセスを見直す事ができて、結果として現代ならではの新しい業務プロセスを確立でき、残業時間を削減することができます。

 「残業時間を減らしてください」と言う事に効果はありません。本人任せにするのではなくて、本人と一緒に業務を見つめ直し、今より良いプロセスを一緒に考えることこそ、残業時間の削減に繋がります。もっと言うと、やっていることは業務改革なので、会社の業績貢献にも直結しますので、是非お試しください。


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