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まず生き残れ。儲けるのはそれからだ。

最近は新型コロナウイルスの影響で資金繰りの相談を数多く受けております。飲食店やホテルなどの観光業だけでなく、こんなところにも影響があるのかーと、さまざまな業種の会社が厳しい状況に立たされています。

「経済は循環」です。
どこかで循環が滞ると、今は影響を全く受けていないという会社も、今後間違いなく影響を受けることになるはずです。そのためにも、今のうちにしっかりと対策を立てておくべきだと考えます。

今は手元資金をできるだけ潤沢にしておく

この状況を乗り切るためには、いま資金繰りに厳しい業種や会社に限らず、どのような会社も、借入でも何でもして資金を潤沢に確保しておく必要があると考えています。
補助金や助成金でも給付金でも借入金でも何でもいいです。
補助金や助成金や給付金など貰えるものはできるだけ貰っておけばいいですし、借入金も借りれるだけ借入して資金を確保しておくべきだと考えます。

結局は借金だけ残ってしまう?

「借入だと、将来返済しなければならないし、結局は借金だけが残る」という話を聞きます。
借入金は当然に返済しなければなりません。そんなの当たり前です!!

しかし、「借金だけが残る」ということはありません。
そう考えてしまう方は、しっかりと財務の勉強をしましょう!!
負債の部の借入金(短期借入金・長期借入金)が増えれば、当然に反対勘定の資産の部が増加します。借入をするということは、現預金を増やすということです。

何に使うか、どのように使うかが大切

借入をすることが問題なのではありません。
借入をすると現預金が増える。ただそれだけです。
「借金だけが残る」という状態になるのは、借入したお金を、何だか訳のわからないものに使ってしまって、現預金がなくなったという状態なのです。

借入をして資金を潤沢に確保するということと
訳の分からないものに資金を使うということは、全く別の問題です。

したがって、お金を何に使うのか、どのように使うのかがとても大切なことのです。もし、結局あまりお金を使わなければ借入金は一括返済してしまえばいいのです。
どのようにお金を集めるか、どうやって売り上げをあげるか、どうやって借入をするか、どうやって補助金をゲットするかは、あまり重要ではないと考えます。それより、そのお金を何に使うのか、そのお金をどのように使うのかがとても重要なのです。

具体的にどうするのか?

今のような状況では、まずは生き残ることを考えるべきです。業種やそれぞれの会社によって異なると思いますが、売上がゼロであれば、変動費(原材料や商品の仕入)はゼロとなるはずで、問題は「固定費」です。こいつが一番問題です。
一番大きい固定費は「人件費」ですが、人件費は、今回条件が大幅に緩和された「雇用調整助成金」である程度はカバーできるはずです(もちろん、正社員やパートなどの雇用形態ではないという方もいるかもしれませんが)。
あとは、大きい固定費は「家賃」でしょうか。家賃に関しても、現在は支払い猶予や補償などさまざまな議論がされているところです。

徹底的に「固定費」を見直しましょう。

今まで通りに支払いしていては、「何だか知らないうちに資金が底をついた・・・」となってしまいます。今は生き残るために、固定費を徹底的に見直して削減するべきです。固定費を見直そう、削減しようと言うと、「いやいや、そんな削減できるような固定費なんてもうないですよ。」「うちはもう随分カツカツで回してきているんで、これ以上は無理ですよ。」と言われることが多いですが、多くの場合そんなことはありません。乾いた雑巾を絞るようだと言われますが、実際にはまだまだ全然乾いてなかった、これ以上無理だと勝手に思い込んでいた・・・というケースが多くあります。
ぜひ思い込みを外して、ゼロベースで「固定費」を見直しましょう。これは、生き残りのためには不可欠です。

しかし、固定費を削減するだけでは、将来の売上や利益も縮小してしまいます。そのために、前向きな投資も同時に必要です。こんな時でも、こんな時だからこそ前向きな投資にお金を使う必要があります!!

すぐに取り掛かってください!!

前向きな投資については、次回にしたいと思いますが、

まずは、出来る限りの資金をかき集める。
そして、固定費を徹底的に削減して、生き残るための時間稼ぎをする。

まずはこの二つを早急に取り掛かってください。
時間=お金です。
時間がたてばたつほど、お金がどんどん無くなっていきます。
ホントすぐに取り掛かってください!!

使い方が大切なのはお金だけではありません。「時間」も、何に使うのか、どう使うのかがとても重要です。いま休業要請などをうけ、お店を閉めざるをえない状況の会社もあると思います。お金ももちろんですが、この時間も大切に使いましょう。今この時間を何に使うか、どのように使うかで、あなたの会社の将来が決まります!!

最後に、ユダヤ人投資家のジョージ・ソロスの言葉です。
「まず生き残れ。儲けるのはそれからだ。」
銀行員として会社が倒産する現場をたくさん見てきましたが、会社が倒産するのはお金が無くなるからではありません。もちろん、お金が無くなる、借金が払えなくなるということも原因の一つになることもありますが、ほとんどは、経営者がヤル気をなくし、諦めたから会社が倒産するのです。そのためにも、あまり儲けが出ていなくても、むしろ赤字であったとしても、まずは生き残ることが大切なのです。ヤル気を失わず、諦めることなく生き残れば、必ず儲けるチャンスはやってきます。

一緒に頑張って生き残りましょう!!!

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