見出し画像

論点ずらしへの対策とは?-叱る(5)-

レトリックと詭弁という本を読んでいる。

その冒頭に「赤シャツの冷笑」という章がある。夏目漱石の「坊っちゃん」の一節からの引用だ。

赤シャツは「君は下宿の婆さんを教頭の私より信じるというのか」と問われて絶句するという話だ。

その後に、別な例として教授が学生を通報した際に、学生が「あなたは生徒を逮捕させるのか」と問い、教授は「器物損壊犯を逮捕させるのだ」と答える。

「逮捕」と対応するのは「罪」であり、「学生」かどうかは関係ないからだ。

教頭は、坊っちゃんとの立場に巧妙に論点をズラし、学生は、教授と学生の関係に論点をズラしている。

こうした話はよくある。部下指導や後輩指導でも、指導に対して部下側がこのような論点ずらしをしてきて、反論に窮することはあるだろう。注意した際に、「私の人格を否定するのか」と論点ずらしが行われたら、「注意」は「行為」に対して行われるものだから、「人格」とは関係ないということだ。

前回はこちら。


2023年6月6日に下書きしていたものです。



この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?