ルールの後出しのように見えて後出しでないもの-叱る(4)-
以前、ルールを後出しして叱るのはよくないと書いた。
ただし、この記事では例外を挙げていた。それを少し説明したい。
褒めるも叱るも、あくまでも「仕事」に対してのフィードバックの一種である。
その仕事については、達成基準が示されるべきで、その合意が必要だ。
一方、例外は、文字が読めるとか、足し算を間違っていないといった義務教育レベルのものや、躾レベルのものを指す。これらは「仕事」ではないので達成基準には記述されない。
自分が、「足し算は正確に行うこと」と言われたら、「ハラスメント」と感じる。
大卒を採用するということは、義務教育内容はできていて当然で、それらは就職した時点で達成されているものだ。だから、基準にあろうがなかろうが、計算にミスがあればそれはミスだし、誤字もミスとして扱ってよいのである。
無論、ミスを責め立てる必要はないが、「ここ、間違ってる」ということは単なる指摘であり、叱ることとは違う。
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以前、学友の社長と話した際に「あらゆるミスはお前のミス」といわれ、「じゃあ、掃除機で空気を吸うのは?」ときくと、「お前のミス、採用ミス。そういう相手ならそれも説明しなきゃ。」といわれて唸った。
たしかに、義務教育レベルの学力のない大卒を採ることがありうるとするならば、SPIのようなものは大いにありなんだ、そう思った。
ただ、「足し算を間違えないこと」まで指示することは現実的にはできない。だから、一律で「小学校レベルのことはできて当然と考え、そこに関して指示がなかったとしても、誤りがあればそれはミスと見なす」ときちんと線引をする必要がある。
無論、「小学校レベル」はなかなか難しいものもあるけれども。
次回はこちら。
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